NHK予算案:全会一致の承認ならず 衆院委2年連続で
毎日新聞 2015年03月26日 01時05分(最終更新 03月26日 02時16分)
2015年度NHK予算案は25日、衆院総務委員会で自民、公明両党と無所属の賛成多数で可決された。全会一致での承認が得られなかったのは昨年に続き2年連続。予算案は26日の衆院本会議で可決され、参院に送付される見通し。与党は年度内の承認を目指しており、35年ぶりの暫定予算編成は回避されそうだ。
視聴者からの受信料収入で成り立つNHK予算案は全会一致での承認が通例。同委員会で全会一致が崩れたのは1973年度予算以降7回。2年連続は職員の不祥事が相次いで受信料の不払いが増えた05〜06年度予算以来となる。籾井勝人会長は今年2月、戦後70年にあたり慰安婦問題を番組で取り上げるかどうかについて「政府の方針を見て判断する」と述べたほか、今月には私用ハイヤー代をNHKに立て替えさせていた問題が発覚した。
この日の採決では、維新、共産両党が反対し、民主、社民両党は委員長席に詰め寄り、採決には加わらなかった。採決前の衆院総務委員会で、籾井会長は私用ハイヤー問題をめぐる民主党の階猛氏の質問に「公私の区別に疑いを招いたことには心からおわび申し上げる」と陳謝した。【須藤唯哉】