沖縄戦:集団自決の悲劇「語り継ぐ」…座間味村で慰霊祭
毎日新聞 2015年03月26日 12時29分(最終更新 03月26日 13時03分)
太平洋戦争末期の沖縄戦で集団自決が起きた沖縄県・慶良間(けらま)諸島の座間味(ざまみ)島で26日、座間味村主催の慰霊祭があった。
戦没者をまつる「平和之塔」で、遺族ら約100人が参列。宮里哲村長は「1945年3月、座間味村は島々の形が変わるほどの爆撃を受け、人々が逃げ惑う中、沖縄戦で最初の米軍の上陸の地となった。かつて悲惨ないくさのあった歴史と、比類なき美しい自然を受け継いだ私たちの村の役割とは何なのか、自らに問うていきたい」とあいさつした。
この後、中学生3人が「今ある幸せな営みが多くの住民の犠牲の上にあることを私たちは忘れません。受け継がれた命を大切にし、この美しい島々で起きた戦争の悲劇を次の世代に語り継ぎます」などとする「平和宣言」を読み上げた。
米軍は70年前の3月26日、座間味島などに上陸。追い詰められた住民は日本軍が配った手りゅう弾や、かま、くわ、カミソリ、包丁などで互いを手にかけ、刃物などを持っていない人々は家族の首を絞めるなどして集団自決を図った。
県のまとめによると▽座間味島で172人▽慶留間(げるま)島で53人▽渡嘉敷(とかしき)島で329人−−が集団自決で亡くなったとされる。渡嘉敷島(渡嘉敷村)では集団自決があった28日に慰霊祭が営まれる。【佐藤敬一】