徳島県教組業務妨害:在特会と会員らに230万円賠償命令
毎日新聞 2015年03月27日 11時20分(最終更新 03月27日 18時05分)
◇徳島地裁判決「女性の人格権が侵害された」
在日特権を許さない市民の会(在特会)の会員に業務を妨害されたり、罵声を浴びせられたりしたとして、徳島県教職員組合と元職員の女性(63)が在特会と会員ら10人に計1683万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、徳島地裁であった。黒田豊裁判長は「怒号などで組合の業務が妨害され、女性の人格権が侵害された」と認め、在特会と会員ら8人に計約230万円の支払いを命じた。
判決によると、被告らは2010年4月14日、四国朝鮮初中級学校の運営資金を支援したことを糾弾しようと、徳島市の県教組事務所に乱入。28平方メートルしかない事務所に約13分間居座り、拡声機で「売国奴」「国賊」「日本から出て行け。ばばあ」と罵声を浴びせ、女性の肩を突く暴行を加えるなどした。
刑事事件では、在特会側の8人の有罪判決が確定。被告側は損害賠償請求権の時効(3年)が成立すると主張したが、黒田裁判長は「原告は刑事告訴の時点で、一部を除いて相手の氏名や住所を知り得なかった」として大部分を退けた。
在特会を巡っては、京都の朝鮮初級学校に対するヘイトスピーチについて約1200万円の賠償を命じた判決が最高裁で確定している。
判決後、原告の女性は一部の請求が認められなかったことに「非常に悔しい。憤りを感じる」と話した。原告側は控訴する方針。
被告の一人は「内容を精査して対応を検討したい」と話した。【数野智史、加藤美穂子】