ウチナーグチ:古里の戦争 一人芝居でつむぐ 

毎日新聞 2015年03月28日 12時43分

 その年「カンポーヌクェーヌクサー(艦砲射撃の食い残し)」という演目を書いた。タイトルは沖縄戦での米軍による猛烈な艦砲射撃から生き残った人々を指す言葉で、体験者の女性の話を基にした。「弾の落ちる所にいた人は死んで、まぬがれた人は行く。私たちは運がよかったのか、本当に1回も弾が当たらなかったんだよ」という意味のウチナーグチで劇は結ばれる。比嘉さんは「その言葉を女性から聞いた時、戦争の怖さを実感した」と話す。

 大阪での生活に区切りを付けるのは、おじいやおばあが次々と亡くなり、ウチナーグチを理解できる人が年々減ることに焦りを感じ始めたからだ。米軍基地の移設問題で沖縄県と政府が激しく対立する今、比嘉さんは沖縄と本土の溝の深さを改めて感じる。「だからこそ、沖縄の人自身が沖縄の言葉や文化を大切にしていかなきゃいけない」と考えている。【遠藤孝康】

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