【シンガポール聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は29日、シンガポールで行われたリー・クアンユー初代首相の国葬に参列した後、安倍晋三首相と立ち話をし、21日に開かれた韓国と日本、中国による3カ国外相会談に関し「会談で合意した通り、今後必要な措置を取っていこう」と述べた。これに対し、安倍首相は韓国側が同外相会談を主催したことに謝意を示し、議長国としての役割を果たしたことを評価した。青瓦台(大統領府)の閔庚旭(ミン・ギョンウク)報道官が伝えた。
約3年ぶりに開かれた外相会談では3カ国の協力関係回復に向け努力することで合意。3カ国首脳会談については「最も早期で都合の良い時期」に開くよう努力することで一致した。
両首脳が会うのは昨年11月以来、約4カ月ぶり。葬儀前には接触できなかったが、葬儀後のレセプション会場で安倍首相が朴大統領に近づき、歓談したという。
安倍首相が米紙ワシントン・ポストのインタビューで、旧日本軍の慰安婦問題をめぐり、「人身売買の犠牲者」と表現したことなど、両国の懸案については議論しなかったという。
一方、朴大統領はレセプション会場で中国の李源潮国家副主席とも歓談した。李副主席は両国が自由貿易協定(FTA)の仮署名を行ったことを評価。中国が主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に韓国が創設メンバーとして参加することに触れ、「今後緊密に協力していこう」と呼びかけた。朴大統領はAIIBに参加することにした背景などを説明した上で、「AIIBの成功のため、しっかりと協議していきたい」と応じた。