ここのところ、これまで海外文学を読んだことがない人に海外文学を読んでもらう方法を模索していて、こんな記事を書いてきた。
「本を置く場所がないし持ち運びが重いから、電子書籍のリストが欲しい」というリクエストをもらったので、「電子書籍(Kindle)で読めるオススメ海外文学」リストをつくってみた。
いわゆる名作と呼ばれる王道どころからKindle化する傾向にあるので、今回のリストは皆が知っているようなタイトルが多め。中でもわたしがおもしろいと思うものを重点的に選んだ。
チャールズ・ディケンズ『ピクウィック・クラブ』
- 作者: チャールズ・ディケンズ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
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まずはこれ。ポルトガルの国民的な憂鬱アイドル、ちょびひげペソア先生をして「「ピクウィック・クラブ』をすでに読んでいるというのは、私の人生の大悲劇のひとつだ(もはやそれを初めて読むことはできない)」と言わしめた伝説の作品。長らく絶版だったが、いつのまにかしれっとKindleで復刊していた。全3巻と長めだが、ユーモアと軽やかさが最高。
ハーマン・メルヴィル『白鯨』
- 作者: メルヴィル,八木敏雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/01
- メディア: Kindle版
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とくに八木訳はテンションの高さがずば抜けてかっ飛んでおり、かつて『白鯨』に飲まれて爆発四散した人でも、もしかしたら楽しめるのでは。ポエット!
エミリー・ブロンテ『嵐が丘』
- 作者: E・ブロンテ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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- 作者: エミリー・ブロンテ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/01
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男女のふりをした荒野が身勝手さと執着と欲望を振り乱して咆哮する、英国怪奇譚。ブリテン! 英国! 辺境! 荒野! ヒース! 天気悪い! 怪奇大好き! というハイテンションぶりが続くので、ロマンスと恋愛物語を求めると爆死する。恋は狂気の荒野なのだ。
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』
- 作者: ジェイン・オースティン
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
- メディア: Kindle版
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エドガー・アラン・ポー『黒猫/モルグ街の殺人』
- 作者: ポー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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- 作者: ポオ,中野好夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/22
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セルバンテス『ドン・キホーテ』
- 作者: セルバンテス,牛島信明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
- メディア: Kindle版
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アゴタ・クリストフ『悪童日記』
- 作者: アゴタクリストフ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/30
- メディア: Kindle版
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カフカ『変身』
- 作者: カフカ,山下肇,山下萬里
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2015/01/01
- メディア: Kindle版
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アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』
- 作者: ヘミングウェイ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/09/19
- メディア: Kindle版
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チェスタトン『木曜日だった男 一つの悪夢』
- 作者: チェスタトン
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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「日曜日」という超人じみた男に抗おうとする曜日男たちの話だが、なんかもう最初から最後まで勝てる気がしない。「日曜日」とはなんなのか? を問い続ける作品。これを読んでいると「月曜日」よりも「日曜日」のほうが怖くなる。
『木曜日だった男 一つの悪夢』チェスタトン - キリキリソテーにうってつけの日
レフ・トルストイ『イワン・イリイチの死』
イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ (光文社古典新訳文庫)
- 作者: トルストイ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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プルースト『失われた時を求めて』
失われた時を求めて 1?第一篇「スワン家のほうへI」? (光文社古典新訳文庫)
- 作者: プルースト
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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レーモン・ラディゲ『肉体の悪魔』
- 作者: ラディゲ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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サン=テグジュペリ『夜間飛行』
- 作者: サン=テグジュペリ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
- メディア: Kindle版
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アントン・チェーホフの作品
21世紀になった今も褪せずむしろその色彩を増す短編の王者、チェーホフ。チェーホフごっこをするときは「生きていかなければならないのよ!」と叫ぶとそれっぽくなるのでおすすめ。
- 作者: アントン・チェーホフ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/06
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- 作者: チェーホフ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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ヒョードル・ドストエフスキーの作品
さすがドスト、有名どころの作品はほとんどKindleで手に入れられる。
- 作者: ドストエフスキー,江川卓
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
- メディア: Kindle版
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- 作者: ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/12/20
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自意識が強すぎるがゆえにバートルビーになっている人のための、厨二病バイブル。刺されてもだえるがよい。
- 作者: ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: Kindle版
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- 作者: フョードル・ドストエフスキー
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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カート・ヴォネガット・ジュニアの作品
ブラッドベリとカート・ヴォネガット・ジュニアはどこかで必ず罹患する文学はしかのようなもので、一種の気恥ずかしさを感じながらも嫌いになれなんてしやしない。第二次世界大戦の大破壊を見てしまい、優しすぎるゆえに一生なおらない心のひびを
- 作者: カートヴォネガットジュニア,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/06/25
- メディア: Kindle版
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- 作者: カートヴォネガットジュニア
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/03/29
- メディア: Kindle版
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ダグラス・アダムス「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ
銀河ヒッチハイク・ガイド 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫)
- 作者: ダグラス・アダムス
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: Kindle版
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ウィリアム・シェイクスピアの作品
さすがシェイクスピア、Kindle化が進んでいる。シェイクスピアといえば四大悲劇が有名だが、個人的にはツンデレ喜劇からまず読んでほしい。シェイクスピアは楽しい。
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2014/10/30
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2014/10/30
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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苦言を呈してくれる人はどれほど貴重か、そのことを突き刺してくる作品。甘い言葉しかきかない人は会社にも友人にもいるけれど、やはり彼らはどこかでつまずいている。リア王は人生の最後の最後で、ようやく人生と向き合った。だが、あまりにも遅すぎた。
- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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- 作者: ウィリアム・シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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人間の感情のうち最も古いもののひとつは「嫉妬」だ、と書いたのは誰だったか。愛と表裏一体の嫉妬は、愛が強ければ強いほど制御不能な暴風雨となって人の心をけちらかす。
ギリシャ神話
西洋絵画やヨーロッパ文学で避けてはとおれないのが聖書、ギリシャ神話、ケルト神話である。『ギリシャ神話を知っていますか』を読んで「神々やばい」「エロい」と思ったあと、『完訳 ギリシャ神話』をリファレンスとして、ホメロスやギリシャ悲劇を読んでみるとよい。
- 作者: トマス・ブルフィンチ,大久保博
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/10/01
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- 作者: 阿刀田高
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/07/01
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- 作者: 松平千秋
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2014/12/18
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ケルト神話
- 作者: ウィリアム・バトラー・イエイツ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/02
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- 作者: ウィリアム・バトラー・イエイツ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/08/28
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沼野充義『世界は文学でできている』
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
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それでも世界は文学でできている?対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義3?
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: Kindle版
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やっぱり世界は文学でできている?対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2?
- 作者: 沼野充義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
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大御所のロシア文学の翻訳者、沼野先生がさまざまな言語の翻訳者や小説家を読んできて対話する講義録。文学の読み方について他の人の知見を得られるのがブックガイドや読書会のいいところであり、本書はその中でもかなりよい。この値段でこのおもしろさはすばらしい。
ウラジミール・ナボコフ『ナボコフの文学講義』
- 作者: ウラジーミル・ナボコフ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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- 作者: ウラジーミル・ナボコフ
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/04
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米原万里『打ちのめされるようなすごい本』
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/12/05
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須賀敦子『遠い朝の本たち』
- 作者: 須賀敦子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: Kindle版
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Kindle化はどんどん進んでいるので、なかなか追いきれない。「こんなものが出ていたよ」というお知らせがあったら、Twitter(@0wl_man)やコメントで教えてください。