心疾患、がん、糖尿病…多くの病気に亜鉛不足が関係しているとの研究結果

2015年03月28日 12時33分

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Flickr_ Mark Skipper
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日本をはじめ、世界の発展国の死因上位を占めているのが、心疾患、がん、脳血管疾患などだ。このほかにも、糖尿病などの慢性疾患を患う人は多い。

こうした病気に、亜鉛不足が大きな影響を及ぼしているとの研究結果が発表された。特に高齢者で亜鉛不足に陥ると免疫が落ち、それらの病気を発症しやすくなると考えられるという。

異常な免疫細胞を活性化

オレゴン州立大学の研究で明らかになった。研究チームはまず、亜鉛不足で細胞の炎症反応が増すことを確認。異常な免疫細胞を活性化させ、さらには細胞内の炎症に関わるタンパク質、インターロイキンの調節機能の異常を引き起こすのだという。

また、マウスで亜鉛不足の状態を確認したところ、若いマウスに比べ歳をとったマウスでは亜鉛レベルが低く、インターロイキンの機能も低下していることがわかった。

牡蠣などの貝類や肉に豊富

結論として、加齢に伴う炎症(ひいては病気につながるもの)と亜鉛不足は密接に結びついているということ。裏を返せば、十分な亜鉛を摂取していれば、病気を防げる可能性が高まるということになる。

亜鉛を多く含む食品としては牡蠣などの貝類や肉がある。研究チームによると、亜鉛の1日当たりの推奨摂取量は、女性が8ミリグラム、男性は11ミリグラム。だが、多くの人は十分な量の亜鉛を摂れていないという。

Emily Ho教授は、「亜鉛は体内に蓄積させるのが難しく、定期的に摂るのが理想、特に高齢者は積極的に亜鉛を摂ることを勧める」と話している。