チマタでは川柳大会が地味に人気なのである。
「***川柳大会」というものを目にしたことがあるsoundrope読者の方も少なくないと思う。実はこの川柳大会というのは地味に盛り上がる企画なのである。各企業や各団体が主催するパターンが多く、その企業や団体のテーマに沿ってユーザーから川柳を募集する形が一般的である。
内容は、正攻法で行く風流型が一般的なのだが、自らの趣向を否定するような自虐型というスタイルの句に面白いものも見受けられる。
なぜ川柳大会は根強い人気なのか?
川柳というと、日本古来からある古典的なものであり、決して派手なものではない。現代においても根強い人気があるのはいったい何故だろうか?このせわしない世の中において、ひと時の安らぎを得られるというのは、もっともらしい説明である。
しかし、それ以外に実は現代らしい理由が存在する。それがTwitterの存在である。Twitterの投稿における文字制限は140文字である。伝えたいことが伝わるのは大体それくらいの文字数であることから140文字という風に設定してあるのだが、川柳に関しては5・7・5=22文字が基本形態であり、Twitterよりも圧倒的にタイトな文字制限がある。
Twitterはその文字制限によりメディアとしての圧倒的なスピード感を誇っているが、川柳は軽くその上を行くのである。日本古来の伝統的な文化というと、何か印象的にのんびりとした牧歌的なイメージがあるが、川柳のスピード感は現代の代表的なスピードメディアよりも少なくとも5、6倍のスピード感があるのだ。
色々な川柳大会が存在する。
前述した状況下において、実にいろいろな企業や団体が川柳大会を行っている。
・「深め~る川柳大会」(日本証券業協会主催)
・「発毛川柳大会」(リーブ21主催)
・「サラリーマン川柳」(第一生命主催)
などなど「川柳大会」などで検索してみると実にいろいろな川柳大会が行われていることがわかる。
DJで川柳大会を行ってみたら意外に盛り上がった。
私が所属しているOTAIRECORDはDJ機材などを扱う販売店であるが、面白半分で川柳大会を開催してみたところ、実に多くの音楽ファンから応募があった。
なんとその数555句にものぼったのである。
otairecord presents 世界の中心で音楽愛を叫べ。DJ川柳大会の応募作を一部紹介する。
昨年2014年夏にOTAIRECORD主催で行われた川柳大会の優秀作を一部紹介する。
「好きだけど 君とのピッチが まだ合わない」
「ジョグ回し ジョブ探さない 就活生」
「「DJです。」「あっこういうの?」(違います。)」
「ヘッドフォン こもらぬ熱に 秋の月」
「ドヤ顔で 流した曲は ダダ滑り」
などなど、DJをやっていないと理解できない句も多いのだが、DJをやっている人ならばちょっと面白かったり、納得できる句の応募がかなりあって大会は大いに盛り上がった。
誰が得するわけでもないし、何か大きなものが生まれることもなさそうではあるのだが、瞬間的にちょっと安らいだり、ちょっと笑えたりするというメディアは意外に現代にフィットする表現技法なのかもしれない。
季節は春。桜シーズンの到来である。soundrope読者も咲き誇る桜を見つつ一句したためてみてはいかがだろうか?
otairecord presents 世界の中心で音楽愛を叫べ。DJ川柳大会の受賞作を見る