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総連トップ次男、正恩政権「密使」 本国送金・秘密資金運用も担う
■家宅捜索で判明
北朝鮮産マツタケを不正輸入したとして京都府警などが在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長宅を関係先として家宅捜索した事件に絡み、許氏の次男(50)が、許氏と金正恩(キム・ジョンウン)政権をつなぐ「密使役」だった可能性が高いことが28日、関係者への取材で分かった。次男は日朝間を往来し、送金管理も担っていたとみられ、捜査の進展次第では、本国と朝鮮総連間の指示命令や資金ルートに影響を与えそうだ。
府警などは26日の許議長宅への捜索前、昨年5月にも都内にある次男の自宅や、次男が役員を務める朝鮮総連傘下の貿易会社などを捜索していた。
公安関係者によると、次男の事務室からは正恩政権に宛て作成された多数の朝鮮総連の内部書類が押収された。秘匿すべき組織運営について詳述した資料も少なくなく、工作機関225局トップに宛て、組織の逼迫(ひっぱく)した財政事情を赤裸々に記しながらも、本国への事業支援継続を誓った秘密報告書も見つかったという。
許議長は再入国禁止が昨年解除されるまでの約8年間、訪朝できなかった。次男は傘下企業の役員の肩書で頻繁に訪朝していたほか、第三国にも自由に出国できる立場にあり、公安当局は、父に代わって本国にひそかに組織の現状を報告し、指示を受け取る役割を任されていたとみている。