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【総連トップ宅捜索】
有力者「許議長」、昨年9月には約8年ぶり平壌訪問も
外為法違反容疑事件の関連先として、京都府警などの捜索を受けた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬議長は、北朝鮮の国会議員に当たる「代議員」の資格を持つ有力者だ。
朝鮮総連は、在日朝鮮人の権利を守る目的で昭和30年に結成。北朝鮮の指導理念「主体思想」を指針に活動し、商工業者、女性、青年らの傘下団体のほか、各都道府県に地方本部がある。
許氏は総連の結成に関わり、神奈川県本部委員長や中央本部国際局部長などを歴任。責任副議長を20年近く務めた後、平成24年5月に第3代議長に就任した。
拉致や核・ミサイル問題で日本政府が独自に科した制裁の一部が昨年7月、拉致被害者ら日本人の安否に関する北朝鮮の特別調査委員会設置の見返りに解除され、訪朝した総連幹部の再入国が可能に。許氏は同9月、最高人民会議(国会に相当)に出席するため約8年ぶりに平壌を訪れた。
滞在中に金正恩第1書記との面会は実現せず、重要拠点である総連中央本部(東京都千代田区)の競売問題をめぐり「うまく処理できず、本国から軽視されたのではないか」との不満が在日社会から漏れた。