原木の可能性がある上野公園のソメイヨシノ(右上の枝)=2010年3月(中村郁郎千葉大教授提供)

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 日本の代表的な桜であるソメイヨシノは、東京都台東区の上野公園に現存する1本を原木として全国に広がった可能性があるとの研究結果を千葉大のチームがまとめ、12日発表した。

 ソメイヨシノは江戸〜明治時代に登場したとされるが、起源は不明で論争が続いている。中村郁郎教授(分子育種学)は「まだ仮説の段階だが、論争を決着させるきっかけになるかもしれない」と話している。

 ソメイヨシノは原木から人の手による接ぎ木で広まり、全ての木が同じ遺伝子を持つクローン。チームは上野公園にあるソメイヨシノと、コマツオトメなど近縁種の桜を遺伝子解析。共通の親木を持つ兄弟の桜と判明した。