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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]荒井 一走入魂 開幕ダッシュで最後まで走りきる

2015年3月25日 紙面から

 開設60周年記念GI「ウェイキーカップ」があす26日から31日まで多摩川ボートで開催される。歴代覇者に名を連ねるホームの三角哲男、浜野谷憲吾がシリーズの主役に名乗りを上げるが、クラシックから転戦の遠征陣も松井繁、太田和美、山崎智也、池田浩二、菊地孝平などビッグネームがずらり。それら強豪に胸を借りる東京のホープ・荒井翔伍が周年初参戦。開幕を前に思いの丈を存分に書きつづってくれた。

◆年に1、2回は沖縄へ

 東京中日スポーツをごらんのみなさんこんにちは。登録番号4608・東京支部の荒井翔伍です。

 今回、この企画のお話を頂戴して『僕でいいんですか!』との思いがよぎりましたが、せっかくの機会なのでいろいろとお話しさせてもらえばと思います。

 出身は沖縄です。お父さんが沖縄の人で千葉にきたのは僕が7歳のころです。親戚が沖縄に住んでいるのでいまでも年に1、2回は顔を出しに行きます。30歳半ばぐらいになったら僕も沖縄に移住したいですね。

 高校時代は硬式野球部に所属し練習に明け暮れていました。いまを思えば、やまとの1年よりも、高校野球の3年間の方が練習練習できつかったですね。やまとの訓練中では唯一、岩瀬(裕亮)君ひとり『プロがいる!』って感じで、何もかもが違っていました。いまでもやまとのコースレコードを持っていると思います。卒業記念の時に同じレースだったのですがぶっちぎられました。自分が2等だったけど半周近く差がついていましたからね。

 今期は初めてA1に上がることができました。やまと学校を卒業してひとつの目標が「3年以内にA1級になる」だったのですが、5年かかってしまいました(苦笑)。でも、ようやく(勝率6・28で)A1になれてホッとした部分が一番大きかったですね。前期はエンジン抽選運が悪くワースト機を3回ぐらいひきました。20%台のエンジンばかりひいてもA1に上がれたので自信にはなりましたし、悪いエンジンだからこそ勉強にもなりました。A1ボーダーで期末を迎え、そこで最後に走ったのが今回記念を走る多摩川です。

 あのとき(14年10月)はやっと期の最後でいいエンジンをひきました。初日の内枠2走を(4)(3)着で「ウワッ」となったけど、何とかなるかとは思ってました。いい伸びをしてましたからね。エンジンに助けられました。期末で、踏ん張るメンタルが身に着いたというか気持ちが強くなったのかな。A1勝率を確保できたからと途中で帰らずに、最後まで走りきったのは自分の中で大きかったですね。

◆場慣れすることが大事

 去年の最後も多摩川を走りましたが、大みそかの後半レースで落水しました。直線で切り返しを食らって前を走ってた自分のステバー(ステアリングバー)に後続艇がぶつかり落水。左頬骨折と左肩を脱臼してしまいました。去年は後厄だったのですが最後の最後にきました。年越しは病院です(苦笑)。その事故でヘルメットが壊れ、最近まではレース場のヘルメットを借りて走ってました。2節前の住之江では“お好み焼き”みたいなデザインでしたね(笑)。

 平和島の記念では4日目に接触で沈没して左足を打撲。腫れてしびれもありました。それでも最終日前半でようやく1等が取れました。本当に良かったし最低限の仕事はできましたが、いつ抜かれてもおかしくないレースでした。気持ちの慣れもあるんでしょうけど『子羊がオオカミに追われるような』雰囲気でしたね(苦笑)。その後半は2着でしたがシリーズを通して足は一番良かったです。最後に意地を見せられたのでケガを負っても帰らないで良かった(笑)。こういった機会に場慣れすることが大事。平和島を走って、もっと練習をしなきゃと思いました。今の自分じゃ通用しない。ターンスピードがないのでこの期間は多摩川に行って練習してきます。

◆1枠の時は絶対勝つ!

 昨年は江戸川地元スター候補、ことしは関東地区のスター候補に選んでいただきました。責任感というか、期待に応えたいといった思いは大きくなってきてます。先日のことですが、その講習会が1泊2日であって、吉田沙保里さん(女子レスリング55キロ級五輪3大会連続金メダリスト)のお話を聞いて、『もっと頑張らなきゃいけない』とあらためて実感しました。勝率を残すのが一番。最近では1枠のときには『絶対に勝つ!』ってことを頭に入れてます。

 多摩川周年ではいきなり大きいことを言っても非現実的なので、届きそうなことを目標にします。今回で4回目となるGIですが、いまだ記念ではまったく結果を出せていません。地元開催ということもあり、いつも以上に今回は気合が入ってます。まだ記念では準優にも乗れたことがないので、まずはその舞台に立てられるよう精いっぱい頑張っていきたいと思います。出場メンバーを見たらそれでもすごいことなんですけどね。記念常連の先輩たちは自分のセッティング、仕様にするのが早い。前検、初日である程度固まってますから。記念は1走の重みが半端じゃないことを痛感します。スキあらば内から外から襲いかかってくるので。初日に6着を取ってしまったら準優の可能性は落ちてしまう。初っぱなが肝心です。ダメでもあきらめはしないけど開幕ダッシュが大事です。

 正直、いまは“SG”と聞いてもピンときません。それじゃダメなんでしょうけど、選手になって5年もたつのでこれからは意識していかなきゃと思います。それによって先輩たちともSG出場権などの会話ができるようになりたい。

◆初めての優出は多摩川

 僕はまだ1回しか優勝がありません。まずは優出することが大前提。だんだん自分の中でのハードルは上がってきてます。初めて優出したのが多摩川。苦手意識はないけどいいときはいい、悪いときは悪いとハッキリしていて、調整のゾーンは狭いイメージがあります。型にはまればいいけどはまらないと大変。でも、一番練習をしてるレース場なので、その辺のアドバンテージはあると思います。

 多摩川を走ったあとはびわこを走って今期は終わりです。そのびわこを走れば24場すべて走ったことになります。これでようやく一人前ですね(笑)。今期は出走回数(A190走以上、現在67走で残り2節出場を予定)も勝率も足りず、A2級に逆戻りしそうですけど“一走入魂”で多摩川周年を走りきりますので、応援よろしくお願いします! (構成・角田大輔)

 <荒井翔伍(あらい・しょうご)> 1989(平成元年)10月1日生まれの25歳。158センチ、51キロ。血液はO型。沖縄県糸満市出身。千葉県立千葉商業高等学校卒業。選手養成106期生、東京支部所属。同期に岩瀬裕亮、森野正弘、谷川祐一、今井美亜、小坂宗司、葛原大陽、加藤政彦らがいる。10年5月・平和島でデビュー(4着)。同年6月・桐生で初勝利を挙げる。14年3月・芦屋で初優勝。13年9月・新鋭王座決定戦(桐生)でGI初出場。15年前期、初のA1級に昇格した。通算優勝は1回、同1着は137回。独身。

 

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