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【スポーツ】

高橋純平150キロデビュー 2安打1失点11Kで完投勝利

2015年3月25日 紙面から

県岐阜商−松商学園 2安打1失点の完投で初戦突破し、笑顔の県岐阜商・高橋(平野皓士朗撮影)=甲子園球場で

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◇センバツ高校野球<第4日> 県岐阜商4−1松商学園

 ウワサの右腕が甲子園で150キロデビューを飾った。センバツ高校野球第4日の24日、第2試合で中日などが今秋ドラフトの1位候補として注目する県岐阜商の高橋純平投手(3年)が1回戦の松商学園(長野)戦で2安打1失点の完投勝利。聖地のスコアボードに2度、大台を表示させた。スタンドから見届けた本紙プロ野球評論家の今中慎二さん(44)も「球速だけでなく球質もいい」とほれ込んだ。 

 自身初の全国舞台となった県岐阜商・高橋が2安打11奪三振で1失点完投。許した2安打もポテンヒットとバント安打で、クリーン安打は許さなかった。「甲子園でも自分の投球ができた。次につながる。投げていて楽しかったです」。力を残したまま、チームを初戦突破に導いた。

 わずか2球で田中(ヤンキース)や大谷(日本ハム)に並んだ。1回の初球がいきなり今大会最速の146キロ。2球目に「150」を甲子園のスコアボードに刻んで、甲子園をどよめかせた。2回の8番・松原にも150キロ。「いい球だったと思うけど、力んでの150キロだった」。反省材料のように受け止めた。

 以降は140キロ前後の直球とスライダーを軸に打たせて取る投球。9番・坂下の3点本塁打で勝ち越した4回以降は、1人の走者も許さなかった。序盤は制球が定まらなかったカーブも、試合が進むにつれて修正した。「中盤から5割の力でコースに投げることを意識した。途中から余裕が出てきた」。2回の失点は失策が絡んだ後にスクイズで奪われたもの。自責点0で初戦を飾った。

 思いが詰まった1勝だ。2009年夏の甲子園4強、13年春8強時の監督で、高橋も昨夏まで指導を受けた藤田明宏副部長(47)が3月いっぱいで退職する。チームに合流するため、23日に学校であった離任式に出席できなかった藤田副部長のために、前夜は選手の発案で離任式を宿舎で開催した。主将の高橋が花束を手渡し「勝利を贈ります」と約束した。

 高橋が中学卒業を控えた2年前の1月。センバツ出場が決まった翌日の慌ただしい中、別の高校への進学に傾いていた高橋の中学校まで足を運び、担任らを通じて「ぜひ県岐阜商に」と思いを伝えたのが藤田副部長だった。「藤田先生には2年間お世話になったので思いは強かった。力んでしまい、成長した姿を見せられなかったけど、校歌を歌えたのは良かった」と高橋。昨年8月に就任した小川信和監督(43)には甲子園初勝利を、藤田副部長には惜別と感謝の勝利を贈った。

 28日の2回戦の相手は、初戦に続いて隣県の近江(滋賀)に決まった。最速145キロを誇る小川とのプロ注目右腕対決が実現する。「相手がどこでも、やることをやるだけ。1試合でも多くマウンドに立ちたい」。悠々と全国デビューを飾った152キロ右腕が、難敵を制してさらに勝ち上がる。 (麻生和男)

 

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