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娘の圧勝 大塚家具親子バトル一旦決着

2015年3月28日6時0分  スポーツ報知
  • 株主総会を終えて社長に再任後、会見を行った大塚久美子氏

    株主総会を終えて社長に再任後、会見を行った大塚久美子氏

 父娘の経営権争いで注目を集めた大塚家具の株主総会が27日、都内で行われた。創業者の大塚勝久会長(71)が社長復帰、久美子社長(47)が続投をそれぞれ求めた決議は、久美子社長が約61%の賛成を集めて勝利した。勝久氏は会長職を退任。久美子社長は「名実ともに新体制」のもと、株主、顧客の信頼回復に努めることを宣言したが、筆頭株主でもある勝久氏の動向からは目が離せず、依然、騒動の火種はくすぶり続けている。

 2月中旬に表面化した後、経済界のみならず全国を騒がせた“親子げんか”は、娘の勝利で一応の決着がついた。

 久美子社長が、自身の続投と勝久会長の退任を求めた「会社提案」と、勝久氏が、久美子氏の退任と自身の社長復帰を求めた「株主提案」。真っ向対立した2提案の決議結果は、約61%が会社提案に、約36%が株主提案に賛成(約3%は棄権)。久美子氏は、自身の勝利という結果を淡々と読み上げた。敗北が分かった瞬間の父・勝久氏の表情は「資料を見ていて確認しなかった」という。

 例年は20人ほどしか参加しないという株主総会だが、この日は一般株主だけで約200人が出席し、第2会場まで設置。質疑の際、大株主として最前列に陣取った勝久氏が、マイクのない場所でも発言を繰り返し、議長の娘・久美子氏から「静粛にしてください」と止められる場面も。勝久氏は決議前には「クーデターによって、私は社長の座を追われました」と声を張り上げた。また、勝久氏の妻・千代子氏も延々と会社の内情を話して久美子氏の経営を批判、久美子氏から「簡潔にお願いします」とたしなめられるなど、総会の場でも親子対立の構図が鮮明だった。

 結果的には、大塚家関連以外の一般株主の約8割が会社提案に賛成するという「圧勝」。久美子社長は「それだけのご期待を頂いたという責任を感じています」と、気を引き締め直した。

株主としては「協力」 圧勝とはいえ、決議前には、株主から厳しい言葉が次々とぶつけられた。中でも多かったのは「仲直りすべきでは」「親子の歩み寄りはできないのか?」など、和解を求める言葉。久美子社長は「企業に携わる者として、できることとできないことがある。事実認識に関して一致しておらず、その意味ではすり合わせるのは難しい」と答えるにとどまった。

 「会社と株主の関係としては、(勝久氏と)協力していく努力をしていきたいと思います」との言葉も口にした久美子社長だが、和解とはいえない状況で、経営基盤が安定するかどうかは不透明なまま。個人株主からは「業績が下がっている」と厳しい言葉も投げかけられた。騒動を乗り越え、どのように会社の利益につなげるか、手腕が問われることになる。

 ◆大塚 久美子(おおつか・くみこ)1968年2月26日、埼玉県生まれ。47歳。大塚家具創業者・大塚勝久氏の長女。91年に一橋大経済学部卒業後、富士銀行(現在のみずほ銀行)に入行。94年3月に退職し、同年4月に大塚家具に入社。経営企画室長となる。05年7月に株式会社クオリア・コンサルティングを設立し、社長に就任。07年12月に同社を退職し、大塚家具に再入社。09年3月に勝久氏の後任として社長に就任。14年7月に勝久氏に解任されたが、15年1月に社長復帰。

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