9NHK映像ファイル あの人に会いたい「山口昌男(文化人類学者・思想家)」 2015.03.28


(テーマ音楽)学問のジャンルや地域の境界線にとらわれず自由な感性で独自の文化理論を展開しました。
その思考は文学や演劇美術などさまざまな分野に広がります。
面白い事は面白いと知的好奇心の赴くままに探究を続けました。
身を落としてなっているのが学者という。
昭和6年北海道美幌町で山口さんは生まれました。
好奇心の原点はこのふるさとで育まれました。
4歳で初めて訪れた郷土博物館の展示品に心を奪われます。
展示されていたアイヌ民族の品々。
日常とは異なる世界に魅了され高校時代まで幾度も足を運びました。
しかし決められた授業よりも好きな事に没頭します。
フルート演劇美術音楽そして本の世界。
興味をとことん突き詰めました。
一生好奇心を持ち続けられる道をと考えた末文化人類学の道を選びます。
大学院を卒業後ナイジェリアの大学で講師を務めた事を皮切りにアフリカやアジア南アメリカなどでフィールドワークを重ねます。
各地に伝わる固有の儀礼や演劇神話の持つ意味をその背景と共に追究する中で独自の視点が生まれました。
知的好奇心に従って膨大な知識を吸収する一方で文化の持つ両義的な性格を追究します。
山口さんの代表的な仕事に道化研究があります。
「道化の民俗学」など道化について数多くの著作を著しました。
イタリアの民衆喜劇と社会の分析を手始めに古今東西の道化役者の文化を比較しながらそこに隠された二重の意味を明快に解き明かしていきました。
宗教や歴史のいかんを問わず道化という存在が硬直した日常や組織を打破する装置であると提示します。
自らも既成の枠を壊し知の扉を開け続けた山口さん。
知る面白みに基づいた思考はさまざまな分野に刺激を与えアカデミズム活性化の契機となりました。
60歳からは国内の状況に目を向けます。
過疎で廃校となり取り壊しが決まっていた小学校の木造校舎。
山口さんは補修に乗り出し新しい集いの場を作ります。
文化再学習センターと名付けました。
日本の近代史にも着目。
明治維新で敗れた幕臣たちなど歴史の中で注目されなかった人々にいち早く光を当てました。
社会が切り捨てたものや規格外のものに将来の活性化の芽を見ていました。
山口昌男さん。
思想家として知の宇宙を自在に泳ぎ続けた生涯でした。
2015/03/28(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「山口昌男(文化人類学者・思想家)」[字]

文化人類学者・思想家の山口昌男。「中心と周縁」と呼ばれる独自の理論や、道化の役割に光をあてた「トリックスター論」で知られる。山口昌男の自由な精神をたどる。

詳細情報
番組内容
文化人類学者・思想家の山口昌男。「中心と周縁」と呼ばれる独自の理論や、道化の役割に光をあてた「トリックスター論」で知られる。また旧幕臣などの表舞台には出なかった人々による近代日本史を「『敗者』の精神史」として発表するなど、学問の分野の枠を超えた幅広い業績を残した。「知の冒険者」と呼ばれた山口昌男の自由な精神の秘密を見つめる。
出演者
【出演】文化人類学者・思想家…山口昌男,【語り】井上あさひ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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