アードマンの仲間たち 2015.03.28


メ〜。
世界中の子どもたちを夢中にさせるストップモーションアニメの数々。
それはイギリスにあるアードマン・アニメーションズで生み出されています。
今日はアードマンの歴史をご紹介するとともにアニメ作りの知られざる舞台裏に迫ります。
日本から飛行機に乗っておよそ12時間。
地球を半周してやって来たのはイギリス。
首都ロンドンから電車で2時間ほどの町ブリストルへ。
ブリストル海峡を通じて大西洋と接するこの町。
古くから港町として栄え今も多くの人でにぎわっています。
ここが「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」などを作っている…入るとすぐに…アードマンで作られたアニメーションのキャラクターが歓迎してくれます。
その先ではひつじのショーンがお出迎え。
アードマン・アニメーションズはイギリスが世界に誇るアニメ制作会社。
これまでにアカデミー賞を4度受賞しています。
オフィスの中は和気あいあいとした雰囲気。
たくさんの人形や縫いぐるみが置いてあってまるでテーマパークに来たかのようです。
食堂の壁には社員たちの似顔絵が飾られているのですがなんとこれそれぞれの指紋の上に描かれているんです。
中にはこんな似顔絵も。
この建物がアニメーションを作っているスタジオ。
中をのぞいてみると…「撮影中」の貼り紙が。
その奧には…いました。
ひつじのショーンと仲間たちを発見。
ちょうど新たなエピソードを撮影しているところでした。
アードマンのアニメーションは150名以上のスタッフが力を合わせて作ります。
その中でこちらのジェイさんはディレクターという役割。
ではここで「ひつじのショーン」がどのようにして作られているのか駆け足でご紹介しましょう。
まずはストーリーを決めます。
スタッフ同士でアイデアを出し合い時間をかけて考えるのです。
ストーリーが決まるとお話の内容にそって絵を描いていきます。
これはストーリーボードといってアニメ作りの大本になるもの。
ストーリーボードを確認しながらスタッフは撮影の準備を進めるのです。
続いては人形作り。
アードマンのアニメに出てくるキャラクターは全て手作り。
ブ〜。
そしてお話の舞台となるセットと乗り物などの小道具を作れば撮影の準備完了です。
次は撮影の手順を見ていきましょう。
アードマンの作品は人形や小道具をちょっとずつ動かして1コマずつ写真として撮影しそれを並べて映像にするストップモーションアニメという手法で作られています。
キャラクターの動きを滑らかにするために1秒当たり25枚の写真が必要になるので撮影にはとても時間がかかります。
スタジオの中には20以上のセットがありそれぞれ撮影を進めるのでたくさんのお話を同時に作る事ができるのです。
ライトを動かしているこの男性はカメラや照明をセットする撮影監督のデイブさん。
デイブさんの調整一つで同じセットでも昼から夜になったりするんです。
明るさが決まると今度はカメラの準備。
撮影監督は画面の中の世界観を決める仕事といえるでしょう。
牧羊犬のビッツァーをちょっとずつ動かしているのはロイさん。
実際にキャラクターを動かすアニメーターという役割。
ところで1つのセットで1日にどれくらいアニメーションを作れるのでしょうか?なんと1日に撮影できるのはたったの6秒分。
スタッフたちがいかに時間をかけてアニメーションを作っているのかがお分かり頂けると思います。
撮影が進み出来上がった画像は編集スタッフのもとへ。
ここでキャラクターの動きの間合いを調整したりコンピューターによる加工が行われたりして映像が完成するのです。
あとは音楽と効果音を入れればストップモーションアニメの完成です。
アードマンの作品は本国イギリスではどのように思われているのでしょうか?ああそうね。
ウフフフフ。
世代を超えて愛されているんです。
そうよね。
実際の人形を動かす事で生まれる温かみと洗練されたユーモア。
アードマンはアニメーションの新たな領域を切り開いてきました。
アードマン・アニメーションズが設立されたのは1976年。
子どもの頃からアニメーションが大好きだった2人の青年が一緒にスタジオを始めました。
自分たちの手で何か新しいものを生み出したい。
そんな思いがやがて実を結ぶのです。
創業者である2人は現在もアードマン・アニメーションズで重要なポストを務めています。
2人の出会いから全てが始まりました。
それは50年近くも前の話。
こちらがデイビッドとピーターが初めて作ったアニメーション。
題名は「トラッシュ」。
「くだらないもの」という意味。
2人が次に作ったのはこちら。
コマ撮りの手法を使って人間が宙に浮いている映像を作りました。
こちらの「アードマン」はBBCのプロデューサーの目に留まり15ポンドでお買い上げ。
記念すべき作品のタイトルがスタジオ名の由来になったのです。
1976年デイビッドとピーターは正式にアニメーション制作のスタジオを開設。
とはいえこのころはまだ2人だけでアニメを作っていました。
最初に作られた「モーフの冒険」はテレビ放送とともにたちまち人気番組に。
新たにリニューアル版が作られるほどアードマンにとって大切な作品です。
アードマン・アニメーションズの評判は次第に高まりテレビやコマーシャルの仕事が次々と入ってくるようになります。
スタッフも増え大所帯となりそのつどスタジオも広い場所へと引っ越しました。
そして1985年ニック・パークが入社するのです。
彼の頭の中には発明家と犬のコンビが繰り広げる愉快なストーリーが出来上がっていました。
「ウォレスとグルミット」です。
発明家のウォレスと知的で冷静な犬グルミットというコンビが繰り広げるドタバタ喜劇をストップモーションアニメで作り上げる。
ニックが学生時代に一人で作り始めた「チーズ・ホリデー」はアードマンの協力を得る事で完成を迎えるのです。
こちらが「ウォレスとグルミット」の生みの親ニック・パークさん。
「チーズ・ホリデー」はアカデミー賞にノミネートされニック・パークの名を世界に知らしめます。
更に人の会話を録音し動物たちが話しているかのようにアニメ化した「快適な生活」を制作。
(話し声)この作品でアカデミー短編アニメ賞を受賞。
勢いに乗ったニックは「ウォレスとグルミット」の続編を制作。
ストップモーションアニメとして更にクオリティーの高い作品を目指します。
こちらが「ウォレスとグルミット」の2作目「ペンギンに気をつけろ!」の名シーン。
グルミットが列車に乗ってペンギンを追いかける。
ストップモーションアニメとは思えないスピード感とキャラクターたちの豊かな表情が見事に融合しています。
そして3作目となる「ウォレスとグルミット危機一髪!」では…。
(話し声)おなじみのあのキャラクターが生まれるのです。
ひつじのショーンです。
ニックさんが生み出したキャラクターを基に「ひつじのショーン」がスタート。
監督を務めたのはこちらのゴリーさん。
歩みの中では悲しい出来事もありました。
2005年アードマンの倉庫で火災が発生し「ウォレスとグルミット」シリーズの小道具やセットなどが焼け落ちてしまったのです。
不幸に見舞われたアードマンでしたが翌年「ウォレスとグルミット」の最新シリーズがアニー賞全部門制覇。
更にアカデミー長編アニメ賞を受賞。
スタジオ設立から30年を経てアードマンは世界的なアニメ制作会社へと成長したのです。
メ〜!取材陣がブリストルを訪れたのは2013年の夏。
この時町の中には人気キャラクターグルミットの彫刻がさまざまな場所に置かれていました。
アードマンの本社前にもこのとおり。
その全てがカラフルなペイントを施されたものばかり。
実はこれチャリティーの一環で行われた「GromitUnleashed」というイベントなのです。
企業やアーティストに依頼して自由にペイントしてもらった80体ものグルミット像。
1か月間街頭に展示したあとオークションにかけてその売り上げを寄付に充てるというものです。
こちらの大型ショッピングモールには…。
期間限定のアードマンショップが。
ここでしか買えないオリジナルグッズを販売し売り上げを寄付に充てる。
キャラクターの人気がチャリティーに一役買っている訳です。
このチャリティーを主催しているニコラさん。
アードマン作品の人気は日本にも届いています。
2013年5月に名古屋で行われた「ひつじのショーン」アードマン・スタジオの世界展には6日間で3万人が詰めかけました。
ショーンとの撮影会には…。
なんと30分待ちの長蛇の列。
みんなどんなところが好きなんでしょう?ショーンね大好きだもんね?せりふとかが少ないんで体の表現とかで分かるんで結構言葉が分からないちいちゃい時から見てても理解できて結構笑ってたりとか…。
普通のアニメよりも何か結構興味があるみたいで平面よりもちょっと立体っていうか…。
大好きです。
かわいいのひと言ですね。
ひつじのショーン。
好きですか?好き。
好きなの?恥ずかしい。
かわいかったよね。
すごかったです。
言葉を話せないけどポーズとかしぐさがすごいかわいくて。
結構ウイットに飛んでて面白いなと。
僕はストーリーがそうだと思います。
いつもテレビで見てる。
すごく撮影大変だろうなって…。
人形を動かすのとか大変だろうなと思って見てます。
こちらの女の子は粘土で作ったひつじの人形でアニメ作りに挑戦。
誰にでもストップモーションアニメが作れるんです。
本当にアニメで出してるような感じに動かせてすごくうれしかった。
国や世代を超えてみんなを夢中にさせるアードマンのアニメーション。
まるで人形が生きているかのように動くその一コマ一コマに作り手の熱い思いが込められています。
子どもたちの笑顔のために今日もアニメーションを作り続けているアードマンのスタッフたち。
彼らの妥協を許さぬ努力によって生き生きと動き回る愛らしいキャラクターたち。
「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」「こひつじのティミー」を愛してくれる皆さんもアードマンの大切な仲間です。
メ〜。
(笑い声)2015/03/28(土) 02:00〜02:25
NHKEテレ1大阪
アードマンの仲間たち[字]

イギリスのアードマン・スタジオを紹介したドキュメンタリー。「ひつじのショーン」や「ウォレスとグルミット」などのクレイアニメは、どのようにでき上がるのか?

詳細情報
番組内容
イギリスのアードマン・スタジオを紹介したドキュメンタリー。「ひつじのショーン」や「ウォレスとグルミット」などのクレイアニメは、どのようにでき上がるのか?メイキング映像やスタッフへのインタビューを通して楽しく紹介。
制作
〜東北新社制作〜

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
アニメ/特撮 – 海外アニメ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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