死ねないですね。
一度自分らしく軸っていうものを作る作業をやってみようかなと思ったんです。
だから赤羽に行こうと思ったんです。
赤羽で生きていこうと思ったんです。
1Kなのかなこれ。
お揃いの自転車だね。
15からよお前一生懸命やってきた答えがこれかよ。
劇を作りたいなと思っていて。
一応出てもらいたい人たちはいて一般の人たちです。
俳優さんたちじゃない人たちです。
ベースにしたのは『桃太郎』です。
お前なんか芝居以外生きてる価値がねえんだよくらいなテンションで桃太郎にお前は鬼を倒すこと以外は何の存在意義もないんだ。
(山下)でってことは今ブルーの…えっとなんだっけ。
ブルー暗転があってちょっと暗めの青ってことですよね。
(古屋さん)はい。
暗めの青からえっと山田君がそのときどこにいたんでしたっけ?真ん中にいて清野さんがはける。
(山田)勉強もちっちゃい頃は好きな科目とかあったんですけどだいたい先生がきっかけで嫌いになっていってほとんどいろんな科目を結果的にほぼ放棄するようになって。
でまあ部活も全然続いたものとかなくてほんとに夢も趣味も何もなかったんですよ。
高校も結局何か専攻しなきゃいけないじゃないですか。
でも何にもやりたいことがないから何も別にどこにも惹かれないというか。
どうしようと思ってて姉ちゃんたちを見ててあなんかだったら俺も東京行って芸能人でもなれたらいいなみたいなぐらいな感覚でしたね。
芸能人だって楽そうだし。
楽でカネいっぱいもらえてモテんだろみたいなそんなぐらいな感覚でしたね。
そしたら運よく今の会社がスカウトしてくれて。
ほんとに。
はい。
なんかほんとに…。
(悦子さん)やっぱりチャンスね。
(ジョージさん)だから人間なんてほんとねどこにチャンスがどういうふうに転がってるかなんてわかんねえからな。
でもいざ入ってオーディションとかいっぱい行っても落ちまくってたけど会社もまずは何がしたいの?って言ってきたんですけど歌が歌いたいとか芝居がしたいとかっていう気持はなかったからわかんないですわかんないかみたいな感じで。
まあじゃあとりあえずがっちりじゃないくらいでボイストレーニングやったりとか芝居はオーディション行ったりとか。
一応何回か事務所でやってる演技のレッスンも行ったことあるんですけど楽しくなかったし意味がわかんなかったですね何を言ってるのかが。
「俺はお前だ!」って言われるとうわ〜!みたいになると思うんですけど「俺はお前だ。
」みたいなのでくるとぶわ〜っとこっちのテンションも…。
アクションつけてもいいんですけど。
こっちのテンションも「俺はお前だ。
」って言われてうわ〜ってなんかこうぶわ〜ってテンションがず〜っていくような。
そこにいるのはキミじゃなくてこの人なんだ。
キミは今違う。
キミじゃないキミはいない。
(山下)それがだから1516のときに言われてるわけでしょう?そうですね。
その演出をされてるわけだよね。
そうですねだから何言ってんだこの人みたいな感じでしたけど。
3年…3〜4年してその当時レッスンで先生が言ってたことが理解できるようになりましたね。
お互い敬語気持悪くないですか?うんそういるんだってなって。
いや気持悪いからいいんじゃないかなと思って。
顔も見たことない人たちが大勢の人が僕のこと知ってて。
そういう人たちから結構こうなんだろうな…。
よくも悪くも好きだ嫌いだとかも言われたりとかっていうのってやっぱまあそういうので…。
あありがとうございます。
成り立ってはいるんだけどやっぱりたまにめんどくせえなって思うことはあるんで。
僕人に知られたくてやってるんじゃなくて芝居が楽しくてやってるだけだから。
でもそこは結局伴ってくるわけじゃないですか。
でもやりたいことをやるってのはそういうことだろうなって自分の中でやっぱ納得させてずっとやってきたけどそれがちょっと上回っちゃったんでしょうね。
精神的にちょっとやばくなった時期が結構長いことあったんですけど20代の前半からほんと何年か前まで。
作品のその役を作り出したところから自分のこの…僕でいうと山田孝之という人間のことよりも役のことを考えてる時間のほうが圧倒的に1日中で多くなるんでそれがずっと続くとそれはやっぱわかんなくなりますよね。
鬼とは己自身。
(山下)ズサッ!不安で不安で飲んでも飲んでも酔わないしでも明日もあるから早くなんとかしなきゃって最終的にコンビニでウイスキーと栄養ドリンクというか…を買ってきて。
混ぜて?混ぜてホテルで一気飲みしてぶっ倒れてで1〜2時間後にもう起きて出発して行ってみたいな。
またそうなっちゃうんじゃないかってすごい怖くなって。
これはよくないなって。
まあ話してなかったですけどそういうこともいろんなことが混ざってこれはもうできないなって思いましたね。
だいぶこういう話ができるようになったっていうのはすごく赤羽に来てよかったのかなっていうか。
そうですね。
変わった気がすごい今してるなっていう。
いや山下さんと映画やってたときも今思うと危なかったなと思いますほんとに。
己斬っちゃいそうでしたからねほんとに俺。
いやだから止めたんだよ俺。
この人ほんとに斬るなって思ったから。
でもあのときはほんとにそうじゃないとムリだって思ってましたねたぶん視界がこんくらいしかなかったかも。
うんそれもすごいそういう感じがしてた。
閉鎖しすぎてましたね視界も心も。
本日はご来場くださいましてまことにありがとうございます。
本日の上演時間は15分を予定しております。
開演に先立ちましてお客様にお願い申し上げます。
携帯電話はマナーモードにするか電源をお切りくださいませ。
その他の音の鳴る機器のご使用はお控えくださいませ。
客席内での飲食はお断りいたします。
まもなく開演いたします。
最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。
「桃太郎さん桃太郎さん」「お腰につけた黍団子」「一つわたしに下さいな」で桃太郎旅にはいつ出るんだ?グズグズしてないで早く仲間連れて倒しにいきなさいよ。
桃太郎にだってタイミングってのがあるんだからさ。
桃太郎が鬼倒さなくてどうするんだよ。
あなただけじゃないのよおじいさんとおばあさんの肩身だって狭くなるのよ。
お前を信じてるからこそ言ってるんだ。
お前は選ばれた者なんだから鬼ヶ島に行ってくれなきゃ困るんだ。
桃太郎として生まれてきたやつの気持を考えたことあるのかよ。
悩んでる時間なんてないのよ。
船ときび団子だってとっくに用意できてるのよ。
どうせ鬼退治くらいしかできねえんだろうがよ!
(ざわめき)わかった!俺が鬼ヶ島へ行こう。
ワンワンワンワンかわいいでしょワンワン。
おい犬!きび団子やるからついてきてくれ。
お前さ今どききび団子じゃ俺たちは動かねえよ。
戦後の食糧難だったらわかるけど。
それに犬にものを頼むときは肉肉持ってこい肉な。
それも松阪牛のA5。
小池栄子じゃない河島英五でもない松坂慶子でもない松阪牛のA5。
わかったもういいお前には頼まん!おい何すんだやめてくれよ。
絶好調!おい猿!食え行くぞ。
バーカ死ねばいいよ絶好調!うめえ。
おいしいね。
雉お前たちはついてきてくれるか?え?ちょっとめんどくせえな。
ちょっとそんなこと言っちゃダメよ食べちゃったんだからさ。
じゃあきび団子を食べちゃったお詫びに歌を歌うよ。
〜「世の中すてたもんじゃねえぜ」「もんじゃ焼き」「ギリギリでもいいんだぜ」「だせだせだせだせ」実は鬼を倒すために旅をしてるんですが犬猿雉に会っても仲間になってくれないんです。
そうでしょうね。
この村の動物たちは自由なんですよ。
自由?そう。
みんな動物らしく人の言うことに縛られず自由にやってるんですあなたと違って。
僕のことを知ってるんですか?もちろんですよ桃太郎さん。
あなたは仲間を連れて鬼ヶ島に行くんですよね。
でも本当にそれでいいんですか?周りに言われているから旅に出なければいけない。
そう思い込んでるんじゃないですか?ちょっとこの村で考えてみるのはどうでしょう?あなたにとってもきっといいことだと思いますよ。
とにかくこの村は自由なんですから。
おいみんな凧できたぞ!わあすごい!桃太郎さんこの村に慣れましたか?もう慣れるどころか最高だね。
よかった。
絶好調。
絶好調!よかったねフフフ。
おい。
お前何しに来たんだよ人間のクセによ。
え?俺たちの気持がわかるのかよ?わかるよだってこの村すげえ楽しいもん。
冗談じゃないよお前。
ちょっと一緒に暮らしたぐらいで俺たちの仲間になったつもりでいるの?俺はこの村に来て初めて自由を感じたんだよ。
ふざけんなお前な俺たちはお前にそんなこと望んじゃいないよお前にはもっと大事な目的があんだろ鬼ヶ島に行くっつう…。
鬼ヶ島に。
とっととこの村から出ていけよ!
(波の音)あのすみません。
ここは鬼ヶ島ですか?ああ鬼ならこの先にいますよ。
あなた迷ってますね?僕も以前鬼と戦ったことがありますよ。
え?そうなんですか鬼を倒すための助言をください。
いや僕は僕の戦い方をしただけですよ。
ところであなたどんな姿の鬼が現れると思っていますか?赤くてツノがあって大きい。
なるほどあなたらしい。
でも僕が戦った鬼とはちょっと違うみたいですね。
どういうことですか?鬼の姿はあなた次第ということですよ。
ついに鬼ヶ島まで来ちゃいましたか。
どうしてあなたがここにいるんですか?当たり前じゃないですかあなたがここにいるからですよ。
お前は誰だ?俺はお前だ!
(雷鳴)
(地響き)うわ〜!
(鼓動の音)おい桃太郎また一緒に映画作ろうぜ。
頑張れ!また家に遊びに来てね!お〜い桃太郎頑張れ絶好調!お〜い桃太郎お前はそんな程度で倒れるような男なのかよ早く立ち上がれよ!
(鼓動の音)鬼とは己自身!俺は己の軸人間らしさそんな言葉に惑わされて鬼の姿を見失っていた。
鬼は自分の中にいた。
その大きさは自分次第。
俺はこの旅で俺の考えを超える自由な生き方をする人間たちに会い己に気づくことができた。
そして今後どんな鬼が現れようとも俺は桃太郎として新たな道へ歩き出す。
〜ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
疲れた?
(綾野)おお疲れたよ。
見やすかった15分。
これからじゃないですか?何がどうなっても僕は見続けていきますよ彼を。
応援し続けますよ。
俺はまだまだ終わんねえみたいなパワー感じましたしね。
アイツ今いちばん生きてんじゃないっすか?はい。
(赤澤さん)手に汗握りましたよ。
ありがとうございました。
(村山さん)赤羽に住まないで元へ戻ってよ。
はいわかりましたそうします。
(山下)どうもこれを機にまた戻るみたいなので。
戻るんでしょ?戻ってくれないと困るの。
(大和田さん)お疲れさまでした。
まあ私個人としては寂しい部分は当然持ってますけれどもただ彼はここでね留まることなくもっとね世界にも目を向けてやっていただければと思いますので。
すばらしかった動きがすごいねやっぱりね。
若いから。
山田君のそのすばらしい演技ね今後の活躍を期待しております。
(大根さん)これまだ何か回ってる?一応。
山田君が何かをつかみかけてるんだなということは芝居の表情を見ててわかりました。
あんなに愛のある人だったかなというところでは新しい発見だったなっていう気はするんですよね。
逆に僕なんかが知らない顔である山田孝之をきっと赤羽の皆さんはともに知ったんだと思うんですよね。
そういったところでアイツ自身がいろいろさらけだせるようになったっていうことが結局吸収する力を倍にしてきたっていうことだと思うのですごくいいことだったと思いますけどね。
お疲れさまでございました。
(一同)ありがとうございました。
(悦子さん)お疲れさまでした。
〜
(ワニダさん)絶好調!〜「がんじがらめのマリオネット俺を笑う俺がいる」「それを見てる俺もいる」「彼にライトを当ててくれ」「観客のいない盲目のダンシングボーイ」「yeah諦めの境地で生まれ育ちwoo」「虚無感さえも喰い尽す」「ここはTOKYONORTHSIDE」「偽りよ首を吊れ孤独よ引きこもれ」「探せTOKYONORTHSIDE」「地図が忘れた幻の街」「見つけてみせるREDWING」「REDWING」「背徳の炎が悪意と善意を焼き尽くす」「燃やすものなど何もない」「弦のないギターをかき鳴らす」「俺にはまだ聞こえないシャイボーイ」「yeah真っ暗な闇で目を閉じてwoo」「真っ白な紙を純白に染める」「笑えTOKYONORTHSIDE」「イエロ−マウスとの逃走遊戯にはもう飽きた」「暮らせTOKYONORTHSIDE」「獣の皮で作ったブーツ」「俺から羽ばたけREDWING」2015/03/28(土) 00:52〜01:25
テレビ大阪1
山田孝之の東京都北区赤羽 最終話「山田孝之、赤羽を出る。」[字]
2014年夏に俳優・山田孝之が赤羽で過ごした様子を記録。“本当の山田孝之”を求めて葛藤する“誰も見たことのない山田孝之”を映し出す。
詳細情報
◆ストーリー
俳優として苦悩していた時期に赤羽に出会い、自分自身を見つめ直し、再び芝居に取り組む決意をした山田。その芝居は「桃太郎」をベースにした物語で、山田が赤羽で出会った人々にも出演してもらうこととなった。山田は本番前日まで、クライマックスシーンの稽古に励んでいた。そして遂に公演当日、山田が招待した赤羽の住人や、友人・先輩たちが駆けつけ会場が熱気に包まれる中、作・演出、山田孝之「桃太郎」の幕が開ける。
◆出演者
山田孝之
綾野剛、大根仁、やべきょうすけ ほか
◆監督
松江哲明、山下敦弘
◆音楽情報
【オープニングテーマ】
「中庸平凡パンチ」スチャダラパー
(ZENRYO RECORDS/SPACE SHOWER MUSIC)
◆関連情報
【番組公式ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/akabane/
【番組公式Twitter】
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【番組公式Facebook】
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドキュメンタリー/教養 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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