キッチンワゴンがやってきたのはやおよろずの神が集う神話の地島根県出雲。
旅は波乱含みで始まります。
来たぞ〜!出雲〜!よっしゃ!今回はスペシャル!なのになぜかシェフが一人しかいません。
シェフがまだ1人来てません。
来てないですねはい。
あの…今出雲に向かってるという事なんで。
まだ僕らしかいないんでとりあえず僕らだけで行きますか。
何とシェフが遅刻?太陽君本当に大丈夫?はるか昔ここから数々の神話が生まれました。
大黒様として親しまれる大国主命を祭る出雲大社。
古くから豊かな食材にあふれています。
奈良時代に書かれた「出雲国風土記」。
この中に当時の食材が詳しく記されていました。
かつてこののりは朝廷にも納められたといいます。
日本海に面した楯縫郡。
今の十六島地区に向かう事にしました。
旅をするのはフレンチの新星浜田統之シェフ。
おととしフランス料理の世界大会で日本人初の銅メダルを獲得。
今最も注目される料理人の一人です。
食材を生かす。
どう生かすか。
どう生かすかですね。
そこに尽きると思います。
あら地元の方かな。
お母さんたちいましたね。
この山の上で何してんだろう。
お〜すっごいな風が。
風が…風がきつい。
この日出雲地方に吹いたのは春一番。
おはようございます。
おはようございます。
すごい風ですね。
すごい風で。
この強風の日に何してるんすか?何してるかって今ね風が収まるの待ってね…島?うん島。
のりを取りに。
のり取りに?そこに住んでるわけじゃなく?
(洋子)ないない…。
島にのり取りに行くんですね。
そうそうそうなんです。
のりですって!どっから行くんですか?今ここから入るところなんです。
ここここずっと。
島へ行くのに山登るんですか?
(洋子)山登るんです。
山を登ってあんな坂こんな坂登ってそれから下りますわ。
ついていってもいいですか?いいですけえ。
行かれますか?
(浜田杉浦)はい。
海なのに山登り?一体どんな所にあるのでしょう?これつえですか?
(洋子)そうつえなんです。
それ用?そんなに険しいの?
(洋子)険しい。
そんなに険しいの?そんなとこ?
(洋子)そこの方も全部ねのりが生えますよ。
怖っ!ここ崖じゃないですか!まじか!まだまだ高いっすね。
(洋子)そうですね。
まだまだ。
これを徐々に下りていく?
(洋子)徐々に。
出会ったのはのり摘み漁師の南木洋子さんと娘の淳子さん。
どこまで行くんすかあれ。
まだまだ向こう?こんな場所に来るとは…。
いや〜日本海が近い!
(洋子)これを摘みたいわけだけど。
お〜!これですか?2月から3月にかけて取れる幅のりです。
(浜田)え〜!こっからどうやって下りるの?浜田さんこれロッククライミングですよね。
のり摘みの岩場に到着。
のり島の神様が祭ってあります。
神…ホントだ!神様がいる!神様がいるよ。
のり島の神様。
かつてこの地方にのりをもたらしたと伝えられる十六善神。
大切な守り神です。
(洋子)ほんなここまで下りてねこうすると取れるけん。
ホント手で摘む感じなんですね。
(洋子)そうそうそうそう…。
ちぎらないけんわ…。
結構しっかり生えてるんですね。
(洋子)生えてるが。
力がいるが。
お母さん攻めますね。
(洋子)ああ?攻めますね!
(洋子)ああ。
この波が大事なんですね。
のりに大事。
これ生でいけないですか?
(洋子)生で食べてごらん。
しゃぶしゃぶもいいけどね。
どげだ?硬いでしょ?結構かみ応えありますね。
(洋子)そうそうそうだべ。
塩味?塩味。
島根県の隣鳥取県で生まれ育った浜田さん。
子供のころの思い出がよみがえりました。
これ島ですか?これ。
(洋子)はいはい。
経島経島よ。
島というのはのりが特に多い岩場の事。
漁師それぞれに決まった島があります。
行かんわけにはいかん!南木さん途中で大きな籠を手にしました。
(洋子)持って。
行きましょや。
海を挟んで南木さんの島があります。
籠に乗って渡るのが唯一の手段です。
太陽君乗ってみる事に。
どうやって進むの?これ。
(洋子)それでね…。
あ〜!進む!こういう事?こういう事?更に強まる風。
島に渡るのは断念しました。
こうやってみんないつも渡ってるんですか。
(洋子)そうなんですよ。
うわ〜これは…。
知恵といえば知恵なんですけど怖い!
(洋子)怖かった?いやでもちょっといい経験。
(洋子)怖いと思うと怖いけん。
僕らすごい体験してますけど皆さんでもこれ日常なんですよね?そうだわ。
仕事だもん。
いや〜島根の力。
すごいと思うよ。
そっか毎日ここ来んの大変じゃないですか?大変だと思います。
女性パワーだわね。
主に女性が多い?
(洋子)そうそうそうそう。
心うきうき?そうそうそう。
かつては150人近くいたのり摘み。
後継者不足で減ったものの今も50人ほどが漁を続けています。
彼女たちは一人一人加工場を持ちのり作りも自分たちの手で行っています。
(杉浦浜田)お邪魔します。
失礼します。
あ磯の香りがする!
(浜田)あ〜すごい!干した幅のりを食べさせてくれました。
あ〜色が!
(浜田)色が変わった!
(洋子)すごい変わるが。
青くなった!基本もみのりなんですか?
(洋子)もみのり。
天然のね。
どうですか?お味は。
(洋子)お味どうですか?のりと比べてみて。
あ!口の中で香りが広がりますね。
乾燥してるんで余計に風味と香りが…。
(洋子)出てくるから。
(浜田)出てますねはい。
こんだけ摘むのも…。
(浜田)大変ですね。
(洋子)大変でしたが?あと指も結構あれ軍手ないとぼろぼろになりますよね。
(洋子)そうそうそう。
昔の人はあれ…。
昔の人はね素手でね。
いうても磯ですもんね。
洋子さんがもっとおいしいのりがあると取り出したのが…。
11月から1月に収穫する十六島のり。
幅のりに比べきめが細かくかむと口に広がる甘みが特徴。
100g1万円で販売される事もある高級のりです。
こうして2種類ののり入れて…。
洋子さんおすすめの食べ方を教えてくれました。
合わせる。
合わせる。
じゃあ両方ともおいしいとこがいいとこが食べられる?コラボで食べて下さい。
ミックスしたのりにしょうゆをかけ御飯にのせて頂きます。
いただきます。
(洋子)はいどうぞ。
めちゃくちゃおいしいです。
ホントですか?いただきます。
これはやばいっす。
うん!めっちゃおいしい。
のりとは思えないこのレベルですね。
これはおいしい!
(浜田)これはおいしい。
(洋子)良かったです。
ちょっと料理人泣かせなのりですね。
これだけでもう完結するんで。
僕ら何もする事がいらない…。
(洋子)ほなこれ食べますか?女性たちに受け継がれる十六島ののり摘み。
洋子さんが母の美代子さんから託されたのは40年前。
そして今年子育てが一段落した娘の淳子さんが手伝うようになりました。
どうですか?今年初めて手伝ってみて。
いや〜大変です。
やっぱきついっすか?もう重たくて…。
普通に歩くだけならまだいいですけど。
おんぶ…おって…。
(洋子)のりはねやっぱりね摘むほど成長が早いですわ。
ほったらかしておくとね長くなってそんでまた抜けてしまうけど人手で摘むとねまたすぐ成長が早くてまた次次次…といかないけんようになりますわね。
摘んであげないといけないんだ?摘んであげないといけないわ。
のり摘みを続けられる原動力って何ですか?
(洋子)原動力何だろうね。
食べて「あおいしいな」と思った瞬間の幸せね。
今日のあなたのように。
いや幸せでした。
ホントびっくりしましたね。
(浜田)びっくりしました。
神話の時代から女性たちが守ってきた十六島ののり。
分けて頂きました。
いやまさかのりと出会えるとは。
そうですね。
びっくりしました。
めっちゃおいしかったですね。
おいしかったですね。
あれ自体がホントおいしいんでどうフランス料理にしていくかっていうのは逆に混乱しましたね。
フランス料理のオリンピックと称される大会で日本人初の銅メダルを獲得した浜田シェフ。
フランス料理の技法と和の食材を使って新たな料理を作り出す。
その信念から生まれた1品がフレンチでありながらフレンチを超えたと世界をうならせたのです。
もう一人の料理人は中国料理の古田等。
孤高の天才料理人とも呼ばれ料理は独創的であり常に挑戦的です。
食材を一度味わえば一瞬で料理がイメージできるという古田シェフ。
店には世界中から一流の料理人がお忍びで訪れます。
古田シェフ首藤アナウンサーと一緒に到着しました。
やっと来たぞ!どうもよろしくお願いします。
杉浦太陽です。
お世話になります。
よろしくお願いします。
僕らもう食材探してきましたから!何か先乗りしたかったですよ僕も。
4人そろったところでまずは出雲大社に食材とのご縁をお願いする事に。
今回お二人のこの…ね。
ジャンルが違うから生産者に対する料理も役割がちょっと違うのかなって僕は感じるんですけど。
相当違いますね。
僕も…中華料理毎日食べれるなとは思う。
フレンチは何かの時のとっておきのごちそうになるっていう。
そういうね何か賄い的なものとハレの日の料理。
何かねそういった感じしますね。
フレンチと中国料理?全く違う何かイメージがあるんですけど。
(首藤)一皿に仕上がるものなんですかね?恐らくできると思いますけどね。
私はずっと髪形が気になってるんですけどもうお話しされたんですか?いや言ってなかったです…。
何かそのこだわりはあるんですか?海外の人大概がサムライって知ってるんですよ。
どこ行ってもサムライは知ってるんですよ。
だから昔のサムライが刀を包丁に持ち替えて今料理人してたらこういうふうになってたんじゃないかと思って。
今ちょっと自分なりに。
サムライヘアなんすね。
そうするとみんなが「サムライの浜田だろ」って言ったらすぐ分かるんです。
(杉浦首藤)は〜!浜田シェフ髪形でも日本をアピールしてるんですね。
4人が最初に向かったのは宍道湖。
宍道湖は日本海の海水と26の川の水が混じり合う汽水湖。
古くから出雲の人々に豊かな魚介類をもたらしてきました。
その中でも代表的な7種は宍道湖七珍と呼ばれ宍道湖の豊かさの象徴とされてきました。
船ありますよこれ。
何か取ってんのかな?すいませんこんにちは。
(一同)こんにちは。
何か取ってるんですか?
(熱田)今ます網上げて帰ったところ。
何ですか?
(熱田)向こうに竹が見えるでしょ。
ずっと向こうに。
滝?
(熱田)竹。
あそこに定置網があるんです。
小さい。
宍道湖の定置網があるんですか?ます網といって小さい定置網があります。
ます網?え?細いのがいるんですけど何ですかこれ。
(熱田)これねワタカとかセイゴとかね。
(浜田)あセイゴ。
これセイゴ?スズキのちっちゃいの?
(熱田)そうそうそう。
この白い細いのは何ですか?
(熱田)それはシラウオです。
シラウオ。
この時期ならではの魚が取れたというので見せてもらう事に。
いいうろこしてますね。
冬の味覚を代表するふな。
宍道湖で育つふなは臭みがなく地元では昔から親しまれているんだそうです。
これふなも地元では食べるんですか?そうですね。
あ〜刺身!いいっすね。
いい顔されてますね。
「うまいよ」って!おいしいですよ。
漁師の熱田辰政さん。
一日に一度必ずここにやってくるといいます。
やっぱこう…宍道湖に出ないとやっぱ体が?
(熱田)そうですね。
出ない日も毎日ここまで来て今日はどうかいな〜とこうしてね。
大好きですね宍道湖が。
熱田さんは宍道湖で漁を始めて35年。
10月から3月に行うのがます網という定置網漁です。
常に15種類ほどの魚がかかりますが冬のこの時期はふなを一番楽しみにしています。
古田さんも浜田さんもふなは食べた事がありません。
夫婦で料理をしてくれる事になりました。
作るのは昔から食べられている郷土料理。
宍道湖のふなは泥を吐かせる必要はなく取れたてをさばきます。
脂のってます?のってますよ脂が。
(首藤)速い!
(熱田)こんな感じで。
骨まで余す事なく使うんですね。
(熱田)そうです。
全部使います。
澄子さんが作るのはあら汁。
ホントにあらだけですね。
身は一切入れず?
(澄子)入れず。
だしに強く興味を示す浜田さん。
煮立たせみそを溶かしたら完成です。
おいしい。
大丈夫です。
大阪育ちの澄子さん。
結婚するまでふなは一度も食べた事がありませんでした。
初めて食べた時の衝撃はどんなでした?最初に食べた時はね脂がすごくのってて甘くてこりこりしてて他の…すごくおいしいです。
今一緒にこうやってやられてさばいてますけどね。
そうなんですよ。
もう仕事です今は。
熱田さんが作るのはこの時期しか食べる事のできない郷土料理だといいますが…。
うお〜!緑の卵って…。
(首藤)え〜!春の産卵を前にぎっしり詰まった卵。
塩水でゆでる事5分。
これめっちゃおいしそうな色なりましたね。
(熱田)そうですね。
おいしいですよ。
かにの卵みたい。
ゆでる事でプチプチ感が生まれる卵。
さっきの緑の卵には思えないですね。
最後に卵を刺身にまぶすとふなのこまぶりの出来上がり。
歯応えで驚きですねこれ。
こりこりいいますよ。
こりこりいいますか。
うん。
うわホンマや!口に入れた瞬間パッとこう散るんですね卵がね。
だけど最後まで卵は口の中に残ってんの。
古田さんが驚いた伝統料理。
ここから何が生まれるのか。
そしてあら汁。
豚汁かっていうぐらい脂浮いてますね。
あおいしい!味出てますね。
だしが。
浜田さんこの時だしのうまみを更に引き出すひらめきがあったといいます。
またこいこくとはやっぱ違いますねこれね。
(熱田)だけどもうちょっと煮込むともっとおいしいですけどね。
(古田)おいしいですねこれ。
ます網の楽しいとこってどういうとこ魅力ですか?網を上げた時に魚がぐわっと中でね踊ってますよね。
ホントに…手に力が入りますよ。
宍道湖って何かどうかな…。
大きなね生けすのような気がするんですよ私は。
何かねそんな感じですよね。
ちょっと取ってくるわみたいな感じで1時間ぐらいで行ってから帰ってこられますからね。
天然の養殖場みたいな気がします私は。
それでも住んでみないと分からないですよね。
そうなんですもうホントに。
びっくりしましたよ。
宍道湖が育む郷土の味。
ふなを分けて頂きました。
夜。
古田さんに十六島のりを味わってもらう事に。
これ1枚500円です。
じゃあ100円分。
大変!貴重なのり。
更にしょうゆをかけたミックスのりを食べると…。
うん!もうしょうゆはホントに出会いのもんやね。
間違いないでしょこれ。
(古田)しょうゆがうまくまとめてくれるっていうね。
(首藤)おいしい!ソースができますね。
しょうゆとのりで。
(首藤)ソース?ふ〜ん…。
新しいソースのイメージが2人の間で湧き上がったようです。
2日目は二手に分かれて食材探し。
古田さんと首藤アナウンサーはこちらの即席のキッチンワゴンに乗って出発です。
(首藤)あ〜宍道湖ですよ!
(古田)朝もやみたいなね。
(首藤)ちょっと今日…今朝幻想的ですね。
前日ふな漁師の熱田さんが宍道湖の生き字引のような人がいると紹介してくれました。
(古田)船着き場ですよね。
(首藤)ですよね。
(首藤)あ何かされてる。
(首藤古田)おはようございます。
(首藤古田)おはようございます。
(首藤)何をされてらっしゃるんですか?
(古田)あ〜シジミですか。
(首藤)シジミ!やっぱり宍道湖といえば…。
(古田)宍道湖といえばシジミですよね。
今はね一番寒シジミいうてね一番うまい時期なんですよ。
シジミ漁師の原俊雄さんです。
早速船に乗せてもらう事に。
原さん格好いいです。
ね〜海の男。
湖の男ですね。
湖の男。
(古田首藤)おお〜…。
(首藤)わ〜!すごい!風が一気に。
結構スピード出ますね。
ね〜!速い!速い。
原さんはシジミを取り始めて46年。
漁師仲間誰もが認める名人です。
(首藤)持ち場があるんですか?今日はこの辺がいいんじゃないかと。
風もないし。
お!籠!使うのはさおの先に籠の付いたじょれんという道具。
船を進めながら湖の底にいるシジミをかきとります。
(首藤)足で舵をとって器用ですね。
5分ほど船を操りじょれんを引き上げると…。
(首藤)あ〜すっごい!
(古田)あんなに入るんだ。
(首藤)うわ〜!
(原)これがシジミです。
(首藤)シジミ!これおっきくないですか。
つやつやしてきれい!
(古田)あさりサイズの大きさぐらいね。
大きなシジミが集まる場所を見つける技があるといいます。
さおに耳を当てる原さん。
こうする事で籠に入る大小さまざまなシジミの音を聞き取っているのです。
ザーッという音の中にチカチカチカチカというような感じの音がする。
(首藤)チカチカ。
漁の時間が決まっているシジミ漁で効率良く大粒を取る技。
原さんが編み出しました。
古田さんも聞かせてもらう事に。
お〜…。
(首藤)何か分かります?何かねゴーッというようなカサカサカサっていうような音がねするんだけれどそれが果たしてシジミが入ってるのかっていうのは分からんわ。
補聴器いうね聴診器ちゃうか。
お医者さんのような…。
原さんはシジミ漁を支える数多くの漁師を育ててきました。
(首藤)こんにちは。
取れましたか?あ!すごいいっぱい!その一人錦織淳さん。
4年前家業のシジミ漁を継ぎ原さんのもとで修業をしています。
(原)粒が大きいのが多いよね。
(首藤)粒おっきいです。
おっきい粒。
まだこういう深いとこの経験がないから今その…
(首藤)師匠ですか。
やっぱ違います?原さん。
違いますね。
全く。
どこがどう違うのかまだ分からないです。
人を育てるのはシジミと同じ。
焦らずじっくり時間をかけて。
原さんはそう考えています。
いつものみそ汁を作ってもらいました。
鍋いっぱいにシジミを入れるのが宍道湖流です。
(首藤)きれいな白濁。
(古田)ね〜。
まずはだしを味見。
うん!濃厚。
続いてみそ汁。
(首藤)こんなに?
(古田)これ食べ残した殻入れ状態じゃないですか。
(首藤)一人分ですよね?さすが宍道湖流。
豪快です。
(古田首藤)いただきます。
重い!これ。
あ〜…。
ホントみそ汁っていうよりお吸い物の感じでね。
おいしい!うん!いくらでも食べれるぐらいの。
おっきいですよね。
(首藤)この大ぶりの…。
(首藤)ホントプリプリ。
何か夢中になってた。
もうなくなっちゃいました。
早い!やっぱりシジミのいいシジミをね皆さんに食べてもらって喜んでもらう事が一番の目的であって。
それでまた宍道湖が救われてまたずっと宍道湖のこのシジミがね後世に伝わればなと。
漁師の技とプライドをかけた大粒のシジミ分けて頂きました。
いや〜たくましかったですね。
原さんたちはホントに。
あんな苦労して取って頂いたシジミはおいしかったですね。
宍道湖の恵みがね人の輪を作ってるような感じですよね。
何かそんなところもお料理に生かせそうですか?ん…頑張るしかないですね。
頑張って。
一方太陽君と浜田シェフ。
宍道湖を見下ろす山あいで食材を探していました。
山々と宍道湖と…。
お〜…高いな〜。
結構農地ありますねでも。
すごいきれい。
何か重機がゴロゴロなってますよ。
あそこ畑か…。
畑の横で…何だあれ。
何か掘ってる。
掘ってますね。
降りちゃいますか。
何だ何があるんだ?重機を使いこなしてますね。
(浜田)はい。
こんにちは。
こんにちは。
(清水)太陽さん!どうも杉浦太陽と申します。
耕してるんすか?これ。
今ゴボウ掘っちょるとこですが。
ゴボウ?ゴボウ掘り?重機でやらないとゴボウって掘れないんですか?
(清水)重機でやらんとねここまでスコップで掘らかと思うと大変。
そら大変だ。
あ!これ?
(清水)これこれ!これゴボウ。
ゴボウの上はどうしたんすか?上。
(清水)これが一番上。
これ一番上なんすか。
ゴボウって上ないんすか?葉っぱはもう枯れた。
あ枯れた…。
重機でないと掘れないって一体どんなゴボウなんでしょう。
(清水)持ちやすいようにがわの泥を落として…。
持てた?持てた?おいけるか?よっ…お〜…。
お〜…太い!立派なゴボウ!すごい。
立派じゃないですかこれ。
にんじんぐらい太いですよこれ。
折るの。
真っ白中。
(清水)このゴボウの香り。
(浜田)あもうここまでしてます。
お〜すがすがしい!あすごい!おいしい。
生で大丈夫なんですか?全然おいしいです。
あ!しかもすごいみずみずしいですね。
ホントにこう滴る。
うわわわ…めっちゃ出ますやん。
こんな水吸うんだ。
すごいみずみずしいです。
何でこんなみずみずしいんですか?やっぱりね泥。
泥?泥がいいんだ。
だけん泥はね財産。
出会ったのは山芋のように太い秋鹿ゴボウ。
この地域でもほんの一部でしか育たないという幻のゴボウです。
おいしさの秘密はこの土にあるといいます。
泥と砂が絶妙に混ざり合う事でミネラルを多く含み水はけの良い特別な土が生まれたのです。
こんだけ土地があるんだけどね畑が。
ゴボウができるのはほんに限られとんに。
やっぱ粘土質じゃないと駄目なんすか?そう…ここはできるんだけどもここはできない。
こっちできない?あだからここまでしかないんすか?ここまで。
ここが境界線で。
何が違う?やっぱ土?そうこれから下下りるとね泥のきめが細かくなりすぎる。
また駄目なんすか?駄目。
ゴボウ農家の清水秋廣さんです。
清水さんが一念発起。
秋鹿ゴボウ作りを始めたのは20年前。
初めは育て方も分からず手探りの挑戦でした。
もともとは葉タバコの栽培農家だった清水さん。
時代とともに生産量は減り続け作物の転向を余儀なくされます。
そして出会ったのが江戸時代から明治時代にかけて栽培されていた幻と呼ばれる秋鹿ゴボウでした。
最大の問題は土。
先祖から受け継いだ畑にかぎらずこの地域に点在する肥沃な土を探し歩きました。
今では秋鹿一のゴボウ農家になったのです。
地元のゴボウ料理を振る舞いたいと清水さんが農家仲間と連絡を取ると…。
どうも。
三島さん?
(三島)太陽さんですか?はいそうです。
三島さん。
来てくれたのは三島ミエコさん。
格好いい!バイクで来て…。
作るのは秋鹿の人たちの食卓に欠かせないというゴボウの煮しめ。
しょうゆ砂糖みりんで味付けします。
(清水)正月ゴボウだけん。
(杉浦浜田)正月ゴボウ?正月の煮しめにこのゴボウを使う。
それとこれ中がすが空いとうでしょ?で縁起がいい。
見通しがいい。
レンコン以外にもあるんですね。
見通しがいいって。
ゴボウで見通しがいいって初めて聞いた。
(清水)冷めて味がしみるだ。
ぎゅっとしみたのが…。
(浜田)いい香りしてますね。
いい香りしてます?肉厚ですごいおいしいです。
何かゴボウとは思えないホクホクして。
はい。
見通しがいい。
レンコンじゃないですけどこれが縁起がいいって事ですよね?いただきます。
あやわらかい!うん!ゴボウなんだけど新感覚。
何だこれ。
(清水)料理名人が作ったんだけん。
そうですねミエコさん。
さすが!さすが!12月の10日過ぎぐらいになるとねゴボウ掘ってきょうだいとかいとことかが都会に出ておりますので送りますね。
都会組がやっぱ欲するわけですね。
(三島)そうですね。
ふるさとの味だって喜びますね。
ふるさとの味がするんだ。
山里の暮らしに欠かせない幻のゴボウ。
分けて頂きました。
宍道湖を離れキッチンワゴンは標高1,126メートルの三瓶山に向かって走る事に。
あ何か建物がある。
あ牛が…。
牛います?牛いますよ。
お!お!ホントだいた!また元気な牛さんが。
お〜何牛だ。
何かカラフルな家ですね。
うわ〜…。
(浜田)こんにちは。
おはようございます。
これえ何牛ですか?これ。
これは黒毛和牛ですね。
あ〜…この牛ちゃんえこれ今何中ですか?今ちょっとね調子悪いから見てるんです様子を。
あ何か調子悪いんですか?脚がちょっと悪そうだったんで見てたんだけど…。
きれいに歩いてるんでオーケーですね。
こうやってちゃんと体調チェックもして。
(川村)そうですねこれから放牧出さなきゃいけないんで。
放牧してるんですか?
(川村)放牧してます。
そうなんですよ。
この冬の寒い時期に?
(川村)いやもうあと1か月くらいしたら。
そっか。
もう春ですからね。
(川村)もう春ですね。
これからですね。
じゃ冬の間は…。
そう全部中に入ってて。
あ!いますね。
(浜田)何頭ぐらいいるんですか?
(川村)今…全部で300頭ぐらい。
結構いますね。
(川村)結構いますね。
元気に動き回りますね。
(川村)うん。
(浜田)放牧してるから元気。
(川村)よしよしよしよし。
牛舎の中に入れてもらいました。
お父さん!唯一のお父さん!
(川村)そうお父さんです。
子牛ちゃんもいます?
(川村)いますいます。
お〜…ちっちゃい!めっちゃちっちゃいですね。
かわいい…。
(浜田)これ何か月?ちっちゃ〜い!
(川村)これ1か月ぐらいですね。
(浜田)1か月ぐらい。
かわいいな…。
まだ生まれたばっかりやん。
(川村)こっちのがもっと若いですよ。
もっと若いのいるんですか?
(川村)2週間ちょっとぐらいです。
え生まれたてや。
うわ〜…。
この時期はもうペットみたいな感じですね。
やっぱ手かかりますか?
(浜田)ヒーターが上に付いてて…。
出会ったのは畜産農家の川村拓郎さんです。
飼っているのは母牛80頭とその子220頭。
繁殖から飼育まで全て川村さんが行っています。
畜産を始めたのは両親の孝信さんと千里さんです。
元は稲作農家でしたが40年前に転向。
最初は10頭の牛から始めました。
大切にしているのは母牛を自然の中で伸び伸びと育てる環境づくり。
畜産仲間と力を合わせて三瓶山の中腹に開かれた広大な放牧場を守ってきました。
拓郎さんは今年両親から経営を任されました。
しかし厳しい試練が待ち受けていたのです。
今年ちょっとねはやり病みたいなのがちょっと入っちゃって。
寄生虫みたいなのとあとはちょっと病気が入って。
併発しちゃって…。
もう下痢が止まんなくてちょっと3頭ほど。
いや〜手間かけて手間かけてもやっぱ死ぬ事はあって。
やっぱショックですね。
悲しい。
牛への感謝の気持ちを決して忘れず最後まで大切に育てる事が牛飼いの使命。
拓郎さんはそう教えられてきました。
中でも母牛に対する思いは格別です。
出産できない状態まで年がいくじゃないですか。
そのあとどうなるんですか?普通だと市場にそのままもうホントに出されちゃうんだけどうちはそこからもう一手間かけて。
ちょっともう一回飼ってあげるんですよ。
大きくして。
太らせて。
あもう一回太らす事可能なんですか?できます。
母牛ってやっぱ強いんでまだそこからどんどん食えるんで。
そのまま太らせてあげて普通に出すよりもちょっと価値を上げてあげて。
でも手間暇かかるでしょその分。
う〜ん…まあ当たり前ですよね。
牛飼いとして?そうですね。
僕ずっとそうやって育ってきてるんで僕はそれが当たり前だと思ってるんで。
自宅にお邪魔しました。
今では孝信さんと千里さんが牛舎に足を運ぶ事はありません。
いい色してますね。
最後まで大切に育てた母牛の肉。
ごちそうになる事に。
おお〜…おいしそう!これは食べ応えありそう!
(孝信)お好きなとこから。
かみ応えある。
あ〜…何か肉をかみ締めてるという感じがね。
それですそれです。
分かるわ。
それが一番感じてほしいですね。
全然脂っこくないですね。
(川村)そうなんです。
筋肉はやっぱ運動なんで運動してるやつがうまいですね。
ずっと食べられる。
(川村)でしょ!一晩いけるんす。
しゃべりながら。
いい食いっぷりっすね。
うまいっすね。
もちろん塩だけでも食べれるんですけど…。
(川村)肉食いてえってなった時に是非食べてもらいたい。
かつて放牧場は三瓶山の山頂にまで広がっていました。
孝信さんはその当時の光景を今も忘れる事がありません。
まあ1,200頭とか1,300頭とかいうぐらいな牛が三瓶山に放牧されてた時代が昭和30年代いっぱいぐらいまではあったんですけど。
機械化に取って代わって牛がいらなくなった。
まあ今三瓶山の放牧する人は5軒ないし6軒なんですわ。
昔はもっと多かったんですか?昔はもっと700〜800戸ぐらい…。
そんないっぱいあったんですか。
牧場の春を告げる野焼き。
毎年放牧を前に畜産農家が総出で行ってきました。
今年から川村家の代表は拓郎さんが務めます。
そうしたら放牧頭数が1,000頭いるとかいったら1,000頭用意するか?みたいな。
いけっか?みたいな。
そっか。
頭数用意したらそれが可能なわけですね。
可能です。
可能です。
任せたらやっぱ違いますか?楽になったですよね。
やっぱ責任感湧きました?恐らくそれはその気でやってるでしょう。
後継ぎがいて良かったですね。
おかげさまで。
いや〜いい言葉出ましたね。
いい言葉出ました。
拓郎さんが三瓶山に抱かれる放牧場に案内してくれました。
4月から12月にかけて母牛と子牛は大自然を満喫しながら育っていきます。
こんだけ広いと集めんの大変じゃないですか?牛。
(川村)呼べば来ますね。
呼ぶんすか?何て呼ぶんすか?やりましょうか?やってもらっていいですか?いいですよ。
ちょっと恥ずかしいですけど。
牛いないですけど。
いると想定していきます。
(牛を呼ぶ声)
(やまびこ)やまびこが…。
うわダイレクトにやまびこが。
(牛を呼ぶ声)
(やまびこ)っていうとあそこの隙間とかから出てきたり向こうから走ってきたりします。
へえ〜。
(牛を呼ぶ声)
(やまびこ)あいけますね。
やっぱ牛飼えますよ。
いけますいけます。
うれしいこれ。
それだけ声が出ればいけますよ。
浜田さんちょっと気持ちいいですよ。
これ。
どうぞどうぞ。
(牛を呼ぶ声)
(やまびこ)
(川村)あいけますね。
めっちゃ響きました。
放牧できますね。
はあ〜。
拓郎さんと牛たちが待ちわびる三瓶山の春はすぐそこにきています。
シジミを堪能した古田さんと首藤アナウンサー。
次は宍道湖の東中海に浮かぶ大根島を目指します。
(首藤)晴れてきましたね。
空が明るく…。
(古田)何かやっぱり景色がちょっと先ほどの宍道湖とは水の色も違うような気がしますよね。
あ何か変わった。
(首藤)変わった。
お!景色が変わってこれは…。
(首藤)え〜何ですか?ここ。
屋根があるような畑に屋根が。
畑に見慣れない屋根?一体何を作っているんでしょう。
(首藤)こんにちは。
(古田)こんにちは。
え〜何…何を今作業してみえるんですか?
(首藤)雲州にんじん?はい。
これが去年種をまいて…
(古田)また植え替える?そうです。
雲州にんじんとは一般でいう朝鮮にんじんの事です。
収穫するには手間と時間がかかります。
こちらが5年もの。
(首藤)うわ〜!立派!
(古田)この根がさっきの1年もののがいっぱい…。
(卓也)これがめが一緒ですよね。
(首藤)一緒ぐらい。
あ…においがすごい!土のにおいの奥ににんじんが。
あやっぱり薬のにおいっていうかねそういうにおいしますね。
150年続く雲州にんじん農家の渡部好美さんです。
嫁いでくるまで農業の経験はありませんでした。
(首藤)渡部さんいつから栽培されてるんですか?私はねお嫁にきてからです。
(首藤)それはご主人がされてたって事ですか?そうですそうです。
家族全員でねしてまして…。
ちょっと病気で亡くなりまして。
(首藤)ご主人が?それでこの畑私一人でやってけませんのでもう若い者はみんな勤めになってますので。
好美さんの夫俊さんは雲州にんじん作りの名人でした。
しかし5年前病気で亡くなりました。
後継者もなく好美さんは畑をやめようと考えたといいます。
そんな時俊さんの友人渡部卓也さんが島に伝わる雲州にんじんを一緒に守っていこうと申し出たのです。
ご主人がちょうど病気の時に私どもホントに一から教えて頂いてこうやってみんな若い人とこうやって作れるようになったんですよ。
絶やさないために。
ですからこの耕法も全てやっぱり昔の伝承の技術だと思います。
雲州にんじんの出来を大きく左右するのが1年ものの選別です。
商品としてその形が値段に影響する雲州にんじん。
まっすぐ伸びた太い苗を厳しい基準で選んでいきます。
その数は2万本。
選別に漏れた苗だけを好美さんたちは食べる事ができるのです。
こういったのですよ。
3等。
今選別漏れですがこれはね。
こういうやっぱりいいのは使えますからいくら子供の時とは…生活がかかってますから。
にんじん作ってそれで1年間にほとんど1回ぐらいしか収入がないですからそれでやってますから。
やっぱりこれしか頂けませんね。
うん。
一度は諦めかけた雲州にんじん。
今は好美さんの生きがいです。
畑も使ってもらってるし多分主人も見てると思います。
喜んで。
(首藤)きっとそうでしょうね。
雲州にんじんを使ったおやつを作ってくれました。
砂糖水で煮たにんじんの苗に更に砂糖をまぶします。
うん!食べた事あるような料理の…いやにんじんはないですよ。
この砂糖をまぶした素朴なお菓子だけど確かにホントにんじん。
(卓也)昔こういうの食べよったですわ。
(古田)おいしいおいしい。
(首藤)すごいおいしいです!
(古田)苦みがあるからおいしいよねこれ。
(首藤)この苦みがいいです。
亡き夫が託した雲州にんじん。
分けて頂きました。
日が暮れてもまだ食材探しを諦めない人たちがいました。
太陽君と浜田さん再びゴボウ畑に戻っていました。
(清水)これがいい?
(浜田)はい。
実は浜田さんがどうしても欲しいものがあったのです。
(浜田)それぐらいあれば…。
(清水)いいですか?これで。
(浜田)すいません。
この粘土層のあるこれで…。
これ頂くんですか?
(浜田)頂きます。
少しだけ財産を頂きます。
幻のゴボウを育てる土が料理には欠かせないというのです。
これで食材探しは終了。
お披露目会の朝。
重要文化財旧大社駅前の広場で調理開始です。
出会ったのはいずれも生産者の思いがこもった出雲ならではの歴史ある食材ばかり。
巨大な赤肉。
和の食材を使ってフランス料理界に嵐を巻き起こす浜田シェフの1品は肉料理。
すごい塊だ。
(浜田)ちょっと表面だけ固めるために。
うわ厚い。
三瓶山に放牧された母牛の肉。
放牧結構長い間…8か月ぐらい放牧するからほぼ野生に戻る。
(古田)あそうなんだ。
そん中で自然の中で子供産むんですって。
ぎりぎりの環境の中でね食べたい時食べ…。
拓郎さんの牛舎から分けて頂いたわら。
これを缶に敷き詰め春目前の放牧場を再現しました。
スモーク!わらスモーク!これはどういうイメージでやったんですか?野焼き!放牧には欠かせない野焼き。
ここで登場したのがあのゴボウ畑の土。
浜田さん肉のおいしさを更に引き出すのは山の香りや土地のにおいだと考えました。
(浜田)この前の辺が放牧地ですね。
なるほどね。
(浜田)この辺にスキー場があって…はい。
オーブンで2時間。
ゆっくり火を通します。
ソースはのりとしょうゆをベースに。
どんな味になるんでしょう。
白ワインと玉ねぎとのり。
そしてしょうゆ。
白ワインで煮てやわらかくなったのり。
そこにバターを混ぜると果たしてどんな味になるんでしょう。
ねっ太陽君。
(浜田)太陽さんちょっと海藻バターができたんですけど。
うん!あのりの風味する。
あでもバター。
お!お!のりの風味全開なんですけどもバターですね。
はいそうなんです。
はは〜こんな変化が起こると思わなかったな。
やりましたね。
続いてゴボウに塩を加えてスパイス作り。
(浜田)うん…ちょっとゴボウの香りのする…。
ホントだ!これを牛と…。
(浜田)牛と合わせてみます。
ちょっとアクセントで。
最後の盛りつけはお披露目会で。
じゃあシジミのスープをとります。
(首藤)はいこの大量のシジミ。
(古田)大量!古田シェフ始めたのは漁師から教わった濃厚なだしとりでした。
シジミ入れすぎじゃないですか?それ。
これがだしです。
きのうもこんなに入れてたんですか?
(首藤)きのうもたっぷりでしたよね。
できた濃厚だしにしょうゆや砂糖を加えシジミの身を再び戻した古田シェフ。
煮込む事でシジミのつくだ煮とタレを作ろうと考えました。
漁にもね一緒に同行させて頂きましたもんね。
(古田)寒かったですね。
(首藤)寒かったですね…。
(古田)岸が遠いし。
(首藤)岸が遠い…。
ありがとうございます。
あいい香り。
(古田)いい香り…ねえ。
おいしい!ところがこのタレ煮込み続けると古田シェフも予想していなかった新しい味に生まれ変わっていたのです。
お〜いしい!オイスターソースになっていってる感じね。
もうこれ御飯にかけて…。
うんおいしい。
これだけで御飯が何杯もいけそうです。
この瞬間古田シェフの味の想像力がフル回転。
そのおいしさをつくだ煮以外の料理にも生かせないかと思いつきました。
そこで考えたのが2種類のタレ。
(首藤)宍道湖のシジミのおかげでアイデアがどんどん。
おいしくなってく。
つくだ煮には煮詰めに煮詰めた濃厚タレを使います。
(古田)シジミに戻れ!
(首藤)戻れ!続いて作るのは4種の付け合わせ。
雲州にんじんはさんしょうと炒めその辛みがにんじんの苦みを引き立てる1品。
しょうゆで味付けしたふなは油で揚げカリッとした食感を楽しみます。
(首藤)お〜ふなクルトン。
(古田)ふなクルトン。
みそと甘酒で味付けした牛肉はしっかり炒めかむほどに味が出てくる1品に。
そしてゴボウは甘辛の味付けに。
これで付け合わせの完成です。
そしてチャーハン。
米が踊ってる。
ここで加えるのが第2のタレ。
シジミのだしを薄めに煮込みました。
チャーハンの味により深みを与えるといいます。
全ての素材を一つにまとめ多彩な味や食感を楽しむ。
シェフの遊び心も加わりました。
いよいよ生産者を招いてのお披露目会です。
そして放牧牛の川村さん親子が来てくれました。
はいできました!お待たせしました。
さあ…きました。
・え〜?塊がやって参りました。
拓郎さんこれ何に見えます?
(千里)三瓶山の土…。
おピンポーン!三瓶山もつるつるなんで野焼きした状態…。
そうですね…。
(浜田)野焼きした状態を…。
この中に肉が入ってます。
(川村)お〜見たい見たい!
(浜田)この土はゴボウの…。
(千里)はあ〜すごい!
(浜田)こんな感じで…。
(千里)うわ〜出てきた!出てきた〜。
うわ〜!いい色。
(千里)うわ〜!すごい!・一気におなか減りましたね。
この赤身ね。
洋子さん!洋子さんとこののり。
(浜田)のりのバターを…。
(川村)いいっすね!
(浜田)のりのバターと一緒に…。
(川村)いいっすね!わらと土の三瓶山で肉を包んだのは畜産農家を受け継いだ拓郎さんへのエール。
そこにのりを組み合わせる事で出雲の豊かで歴史深い海と山を表現しました。
そして細く切って揚げたゴボウをわらに見立てた付け合わせに。
おしゃれになりましたねのりが。
おしゃれになりましたね〜。
大変にお化粧して頂いて。
厚塗りして…。
厚塗り…バターがね。
(川村)いただきます!
(川村)合いますね。
(洋子)こういう料理になるとは…。
まさか肉と合体するとは…。
(洋子)合体するとは…楽しみにしてきたかいがありました。
(清水)あゴボウに香りがある。
幻のゴボウですよね。
幻っちゃあ幻かも。
なかなか作るのは大変だけど。
・ゴボウの塩もいい…。
(川村)土の香りがすごくするんでホントおいしい。
私あまりゴボウがね好きじゃなかったんです。
でもこうして頂くとねなかなかいいもんがありますよね。
今回ちょっと好きになりました。
(清水)ありがとうございます。
あの三瓶山の姿どうでした?いやそれはやっぱりすぐ分かりました。
すぐ分かった?良かったですね浜田さん。
生産者としてはこういう肉食べるとやっぱうれしいもんですか?うれしいです。
めっちゃ豪華になったじゃないっすか。
将来のあの三瓶山の姿シェフからのメッセージ。
めっちゃプレッシャーかかってますね。
おいしい肉のためにも。
何度も遊びに来てください。
2品目はシジミを主役に出会った食材を一つに結ぶ…4つの付け合わせの真ん中に2種類ののりも置かれています。
自由に組み合わせる事で味の変化を楽しめる1品です。
(浜田)いいですね〜これ。
・いろんな味がいっぺんに楽しめる。
・ねえいいわこれ。
(川村)変わる変わる。
変わります?一個一個変わりますねおいしい。
(千里)この…ふな?ふなの揚げた…これってすごく変わった味だけどおいしい。
ねえびっくり。
ふな変身してますよ。
チャーハンのトッピングになるという。
そうですね。
6年もかけて作ったものがこういうふうにねこんな食材になるとは思ってませんでした。
最後はシジミのだしをかけておじや風に頂きます。
(清水)これうまい!おじや。
これいいよ。
どうしてこういう力強いシジミの香りがね出るのかなと思ってね。
原さんのシジミがこれ大活躍です。
ありがたい事です。
(千里)良かった〜幸せだ〜。
ホントにね皆さんとこうしてねいろんな食材で。
どれが勝った負けたないですね。
みんな同じ。
縁があるからこの味。
縁結びね。
まさに縁結びや。
3品目ふな料理を一緒に堪能した2人が中国料理とフランス料理の共演をする事に。
ふなを主役に宍道湖を凝縮したひと皿。
浜田シェフはスープを。
古田シェフは刺身で具を作ります。
熱田さんの家でひらめいたあら汁を更においしくするひと味。
浜田さんシジミを使う事に。
(浜田)更にコクとうまみを。
あ〜ふなのあらと…だから宍道湖だしですね。
(浜田)宍道湖だしです。
宍道湖コンソメ。
(浜田)宍道湖コンソメですね。
ふなのあらだけですね。
お〜出ましたね〜。
ふなのあらの味とシジミの風味とうまみ。
スープの具を担当する古田さんにもひと工夫がありました。
(古田)細切りでふなのコンソメに入れる。
衣を…。
(古田)刺身感を残しつつ表面だけうまみを閉じ込めるっていう…。
宍道湖に浮かぶ島は雲洲にんじんを揚げて作ります。
水あめを絡めにんじんの苦味に甘さをプラス。
大根島で食べたおやつをヒントにしました。
みんなでほぐして下さい。
浜田さんも味見。
(古田)香ばしいですよね。
香ばしいですね。
最後のこのほろ苦い感じ…。
ええほろ苦い感じがね。
古田さんの味付けに何かひらめいた様子。
スープに加えるふなのミンチ仕上げに入れるのは…。
さっきの朝鮮にんじんの苦味と中華料理を合わせるようにちょっとうまみの補強をちょっとオイスターソースも少しだけ隠し味でみそとオイスター入れて。
合作で相性が…。
(浜田)相性がいいと思うんで。
最後に鍋で加熱しこれをこすとスープの完成。
いよいよ盛りつけです。
雲洲にんじんで作った皿にふなの身と卵をのせ甘く味付けしたにんじんを添えます。
そしてスープを注ぐと出来上がりです。
恵みをいただきます!
(一同)いただきます。
どうやって食べれば…。
これ一番最初に上にのった根っこみたいなのこれはにんじんです。
先ににんじんを味わって下さい。
甘ほろ苦のね。
(千里)朝鮮にんじん?朝鮮にんじん。
・ほっくりとした…。
(古田)にんじんの苦味が…。
(清水)これでまた100年長生きができるわ。
長生きできますか。
(卓也)最初のにんじんの甘みから混ぜてピリ辛でなかなか…おいしいです。
(清水)こういう食べ方があるとは知らなかったな。
ふなはホント捨てるところないですね。
(熱田)シジミのスープが最後まで残りますね。
シジミ汁の感じしますね。
宍道湖のスープですね。
シジミっていうのは結構癖がありましてね好き嫌いもあるんですよね。
みそ汁何かを混ぜるとあまり感じないんですけどもマッチするっていうんですかね。
でも今回のこの料理についてはホントにうまみだけが表れてるようないい料理じゃないかと大変うまく頂きました。
ありがとうございます。
驚きと満足感に満たされたお披露目会。
ホント何か皆さん何ていうかプライドを持って仕事されとるな〜と思っていろいろ話を聞きながらやっぱ俺ももうちょっとまだまだ年を重ねてって頑張っていきたいなと思いました。
山はですね海の恋人と昔からいわれて…。
大切な山ですから。
なるほど海の恋人は山か。
こうして料理へつながってつながりができたんでこれからずっと末長くおつきあいをできたらなという。
今日は出会いを楽しまさせて頂いて島根県すごいなと。
どれもこれもやりたい食材だったから最終的にはみんなでねこうしようああしようって決めた今日は最高のコースになったと思います。
作られてるものに対してすごい情熱を注いでますしホントに皆さん品物と思って作ってないんですよね。
ホントに命があるものを育ててるっていう感じが僕はして今日作った料理っていうのはすごい気持ちが入ってますしあの〜やっぱりそれを皆さんに召し上がって頂けたっていう事はすごいうれしく思います。
出雲フレンチ。
島根フレンチ。
すごいプレッシャーだったんですけど。
世界大会より大変でした。
まさに縁結びの土地だなと思いました。
出会いがおいしい笑顔を生む。
どうも皆さんありがとうございました。
ごちそうさまでした。
(拍手)やおよろずの神々が集う島根県出雲。
古くから受け継がれたふるさとの恵みを守り伝える。
素朴で心豊かな生産者と出会う旅でした。
2015/03/27(金) 19:30〜20:45
NHK総合1・神戸
キッチンが走る!「春スペシャル 出雲の国 豊じょうな大地と海は古の恵み」[字]
「キッチンが走る!」春のスペシャルは、幸せの国・出雲。日本海や宍道湖の豊かな漁場や豊穣な出雲平野で個性豊かな食材を探して走る。二人の天才料理人が創作料理に挑戦。
詳細情報
番組内容
春うららかな日差しに包まれ、キッチンワゴンが訪ねるのは、幸せの国・出雲。神話のふるさと出雲大社から魚の宝庫・宍道湖を通り、自然あふれる出雲路で伝統の食材を探して走る。旅をするのは独創的な中国料理で知られる古田等さんと、フランス料理の世界大会で日本人初の銅メダリストとなった浜田統之シェフ。悠久の歴史ある出雲の伝統食材と生産者の声に触れ、古の旅人に思いをはせ独創的な料理を仕立てる。
出演者
【出演】中国料理…古田等,フランス料理…浜田統之,杉浦太陽,首藤奈知子,【語り】高橋克実
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
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