パイロット自殺行為、過去にも事例-独航空機、故意に墜落か
2015/03/27 10:43 JST
(ブルームバーグ):ドイツのジャーマンウイングス機が24日墜落し乗客と乗員合わせて150人が犠牲となった事故では、副操縦士が機長を操縦室から締め出し、同機を意図的に山中に墜落させたとの見方が強まっている。
航空史ではこれまでにも、パイロットが航空機の急降下や目的地以外への運航を選択したとみられる事例がまれながらある。
以下に、ブルームバーグの過去記事と、航空事故に関する情報を集めたウェブサイト「航空安全ネットワーク」のデータに基づいて集計した、パイロットの自殺または不正行為との関連が指摘される事故のリストをまとめた。
◎マレーシア航空370便、2014年3月: 370便は予定されていた航路を外れてレーダーから消え、消息を絶った。乗客・乗員239人が死亡したとされる。捜索活動が続けられたが、残骸は見つかっていない。パイロットの意図的な行動が一つの仮説として挙がっているものの、原因究明には至っていない。
◎LAMモザンビーク航空、2013年: AFP通信がフライトレコーダーのデータに基づく予備調査の結果として報じたところによれば、パイロットが旅客機エンブラエル190を「意図的に」墜落させ乗客27人、乗員6人が死亡した。
◎エジプト航空990便、1999年: 副操縦士が、同機を米ニューイングランド沖に墜落させ217人が死亡した。事故調査で関係者の証言から副操縦士が以前に性的不品行を非難されていたことが判明。それに対する「腹いせ」が動機とされている。
◎ボツワナ航空、1999年: 健康上の理由でフライトを禁止されていたパイロットが旅客機ATR42を離陸させ無線でさまざまな要求をした後、別の2機に衝突し、1人が死亡した。
◎シルクエアー185便、1997年: パイロットが、ジャカルタからシンガポールに向かっていた同便を意図的に墜落させたとみられている。104人が死亡。事故原因は公式には確認されていない。
原題:Cockpit Suicide in Focus After Germanwings Pilot Brings Down Jet(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:トゥールーズ Andrea Rothman aerothman@bloomberg.net;フランクフルト Richard Weiss rweiss5@bloomberg.net
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更新日時: 2015/03/27 10:43 JST