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 ▽関電と規制庁 府・30キロ圏首長らに

 府は26日、関西電力高浜原発(福井県高浜町)の30キロ圏の舞鶴市、綾部市などの首長らも参加した「地域協議会」を開き、関電と原子力規制庁の担当者から、再稼働に向けた安全対策や新規制基準による審査内容の説明を受けた。府は今後も協議会で繰り返し安全性の議論をする考えだ。

 関電側は原子力事業本部長代理の森中郁雄常務執行役員のほか、高浜発電所長や原子力技術部長らが出席し、同原発で起こりうる最大の地震の強さを見直し、設備の耐震性向上を約830カ所で実施したことや風速100メートルの竜巻対策をしたことなどを報告した。

 また、外部電源がなくなっても重大事故の収束に必要な容量を持つ発電機と電源車を

配備したことや、事故時の運転員の対応訓練を繰り返していることなど、再稼働に向けた安全性向上の取り組みを説明した。

 規制庁側は山形浩史安全規制管理官らが出席。原子炉を冷やす対策や炉心溶融後に放射能を閉じ込める対策では、最も厳しい想定を関電側に求めて審査したことなどを説明した。

 規制委の田中俊一委員長が九州電力川内(せん・だい)原発の審査書案の公表後に「(審査すれば)安全だということは私は申し上げません」と発言したことについて、山田啓二知事は「国は何を保証しているのか」と疑問を呈した。山形管理官は「もうこれで事故は起こらない、絶対だとは言わないという意味だ」と説明。高浜原発について、「炉心が溶けるようなことは1万年に1回よりも低いレベルは確保できた」と強調した。

 協議会後、知事は「震災前に比べると様々な面で安全確保の措置が講じられていると思うが、内容は説明を受けたばかりで十分な回答も得ていない」と述べた。