ニュース詳細
噴火前の予兆捉える新手法 活用を検討3月27日 18時52分
k10010030201_201503271929_201503271932.mp4
去年、御嶽山が噴火する前の地殻変動の観測データを、専門家が特殊な手法で改めて分析したところ、噴火のおよそ1か月前から山頂付近が膨張する変化が始まっていたことが分かりました。気象庁は、同じ手法を全国各地の火山の監視に活用できないか、検討することにしています。
去年9月、御嶽山では噴火の2週間余り前から一時、火山性地震が増加しましたが、気象庁は、山が膨張していることを示す地殻変動など、噴火につながる明確な兆候を見いだすことができず、警報を発表したり、噴火警戒レベルを引き上げたりすることができませんでした。
気象庁気象研究所の宮岡一樹主任研究官は、複数のデータを重ね合わせて僅かな変化を際立たせる「スタッキング」と呼ばれる手法を用いて噴火の前の地殻変動を改めて分析しました。
その結果、御嶽山の山頂付近が膨張する変化が、噴火のおよそ1か月前の去年8月下旬ごろから続いていたことが分かりました。
8年前の平成19年に御嶽山が噴火した際の地殻変動も同じ手法で分析したところ、噴火の2か月ほど前から山の深いところで膨張する変化が始まっていたことが分かったということです。
宮岡主任研究官は「スタッキング解析では地殻変動が強調されるため、変化を今までよりも早く、明瞭に捉えることができるのではないかと期待している」と話しています。
気象庁は今後、各地の火山で活動に変化があった場合、「スタッキング」の手法で地殻変動を分析することにしていて、日常的な監視にも活用できないか、検討することにしています。
気象庁気象研究所の宮岡一樹主任研究官は、複数のデータを重ね合わせて僅かな変化を際立たせる「スタッキング」と呼ばれる手法を用いて噴火の前の地殻変動を改めて分析しました。
その結果、御嶽山の山頂付近が膨張する変化が、噴火のおよそ1か月前の去年8月下旬ごろから続いていたことが分かりました。
8年前の平成19年に御嶽山が噴火した際の地殻変動も同じ手法で分析したところ、噴火の2か月ほど前から山の深いところで膨張する変化が始まっていたことが分かったということです。
宮岡主任研究官は「スタッキング解析では地殻変動が強調されるため、変化を今までよりも早く、明瞭に捉えることができるのではないかと期待している」と話しています。
気象庁は今後、各地の火山で活動に変化があった場合、「スタッキング」の手法で地殻変動を分析することにしていて、日常的な監視にも活用できないか、検討することにしています。
スタッキング解析とは
火山の周辺では、地表に設置されたGPS観測点の間の距離を測ることによって、噴火につながる地殻変動を捉えています。
例えば、観測点の間の距離が長くなった場合、地下からマグマやガスが上昇して山が膨らんでいると考えられます。
反対に、距離が短くなると、山の地盤が沈んでいると考えられます。
御嶽山の周辺でも主に5か所の観測点を使って、地殻変動の観測が続けられていましたが、それぞれの距離の変化はごく僅かで、噴火につながる兆候を事前に見いだすことはできませんでした。
今回の分析に活用された「スタッキング」は、複数のデータを重ね合わせることで僅かな変化を増幅させる手法で、東海地震の前兆を探る地殻変動の監視にもおととしから導入されています。
気象研究所は今回、御嶽山周辺の4つの距離のデータを重ね合わせた結果、山が膨らむ変化が、噴火のおよそ1か月前から続いていたことが分かったということです。
例えば、観測点の間の距離が長くなった場合、地下からマグマやガスが上昇して山が膨らんでいると考えられます。
反対に、距離が短くなると、山の地盤が沈んでいると考えられます。
御嶽山の周辺でも主に5か所の観測点を使って、地殻変動の観測が続けられていましたが、それぞれの距離の変化はごく僅かで、噴火につながる兆候を事前に見いだすことはできませんでした。
今回の分析に活用された「スタッキング」は、複数のデータを重ね合わせることで僅かな変化を増幅させる手法で、東海地震の前兆を探る地殻変動の監視にもおととしから導入されています。
気象研究所は今回、御嶽山周辺の4つの距離のデータを重ね合わせた結果、山が膨らむ変化が、噴火のおよそ1か月前から続いていたことが分かったということです。