まずは結果を。
今日、前橋育英戦が行われ2-3で敗戦。初戦敗退で、野洲の総体が終わりました。
試合の様子↓です。
第一試合がPKに突入したため、試合開始時間が遅くなった第二試合。いよいよ野洲の登場です。ユニホームに着替えて出てきた選手たちの表情は、いつもよりすこし固め・・・・・・。緊張もあったようです。
メインスタンドはほぼいっぱいでした。「観客、多いなー」と驚いていた選手たち。アップの様子も、地元のサッカー少年たちが見ている中で行われていました。
「両ワイドがどれだけ攻めあがれるかがポイントになる」と山本監督が話していたように、一点ビハインドで迎えた前半7分。右サイドを駆け上がった上田君のすばらしいシュートが決まり、固かった選手たちに笑顔が生まれました!
「調子はよかってんけどな」と試合後に肩を落としていた松永君。背中には何重ものテーピングが貼られていて、まさに満身創痍。後半、すごく惜しいボレーを放ち「あれが入ってたら・・・・・・」とバスへ乗り込んでいました。
前半12分、PKを与えてしまいました。「関東と関西ではジャッジが微妙に違うから、そのあたりも難しい」と大会前に話していたのを思いだします。野洲は仕掛けていくからファウルとなる境界線が重要にもなってきます。もちろん、劣勢を跳ね除ける強さがあるチームだからこそ、厳しいのも覚悟の上ではあると思います。
厳しいマークがついていた坂本君(上)と潮入君(下)。ボールを持っても、2人、3人に囲まれ、激しいぶつかり合いもありました。思うようにプレーができなくても、やっぱり野洲の生命線。苦しい中でも惜しいチャンスを作り続けていました。
右CKを蹴るのは中川君。セットプレー時には、応援席から端山コールが起こっていました。
途中交代で出場した2年生の卯田君。松永君がボランチに下がり、藤野君が左ワイドへ。抜群のパスセンスを持つ卯田君の投入もあり、ボールが動き始めます。後半、一気に流れが野洲へ傾きました。
試合後と余談を少し書こうと思います。
いつもならば、少し時間がたつとポツポツとお話を聞かせてくれる選手たちですが、この日は、口を開く選手はほとんどいませんでした。心配になり「大丈夫?」と声をかけても返答はないままでした。
目を真っ赤にし、うつむいて歩く選手もいれば、悔しさをにじませている選手もいます。この敗戦は、予想以上に選手たちには大きいショックのようでした。監督、スタッフもまた、同様です。
「頂点を狙う」
まずこの総体で、一番高い場所へ挑みました。
野洲は、5,6月に落ち込んだ時期を抜け、中断明けのプリンスリーグと高円宮杯出場決定戦まで公式戦負けなしという、いい状態でこの総体に突入していました。7月20日の大阪桐蔭戦では、選手たちの表情も明るく、楽しそうでした。
「初戦を乗り越えられたらいけるかもしれない」。彼らを見ていて、そんなことを思いました。ですが、やっぱり全国大会。開始早々の失点で、歯車はぎこちなくなってしまいました。
それでも、緊張感も漂う中で、彼らなりの精一杯を見せてくれたように思います。3失点で迎えたハーフタイム。応援席で3年生と少し話しをしました。
「テンション落とさないで。前橋育英は思っていたより上手いし、強いけど、でもうちだって負けない。絶対に取り返すから、ちゃんと見てて。だけどこのピッチに立ちたかったなぁ」
十数人の3年生応援団が、一生懸命に声を出して、ピッチの選手たちを励ます姿が、そこにはありました。ピッチに立てない悔しさもある。だけど、一緒に頑張ってきた仲間を信じる力もある。
その思いに応えたかのように後半。目の色が変わったように、ゴールを目指した彼らの35分は、野洲らしさがたくさんつまっていました。
今、選手たちが背負っているのは、ピッチに立てない選手たちや下級生、多くのファンの人や支えてくれる家族への思いもあります。だからこそ、やっぱり自分たちらしく戦おうとしていました。
敗戦は、敗戦です。この結果を受け止めて、次につなげていけばいい。そしてこれを乗りこえて行く。その力が、野洲にはあります。取材を続けていて、そう思う一戦でした。
前後してしまいますが、試合前の様子は、後日アップしたいと思います。
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