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2008年9月

9月21日:全日本ユース ラウンド16

野洲の全日本ユースが終わりました。

延長で1-2と惜敗でした。

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敗戦にショックを隠せなかった選手と山本監督。

試合後の様子ですが、悔しさより、呆然としていたというほうが適切かもしれません。フラフラと控え室から出てくると、ピッチを眺めたり、所在なさげにすわりこんでいたり。涙はありませんでしたが、本当に終わったの?という感じにも見えました。

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進路なども落ち着き、チームの状態も上向き中でした。先週のヴェルディ、市船と雰囲気がすごくよく、いい状態でした。アップ中の彼らを見ていて、いいゲームをしてくれそうだなと期待が持てるほどでした。

でも、この日は「あかん」という声が聞こえてきます。珍しく試合前にも、「今日はヤバイ」「調子が落ちてる」と不安を口にしていました。

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グループリーグからの一週間。いい状態で藤枝に戻れると思っていました。でも実際は、本当に苦しい時間を過ごしてきていたようです。

山本監督も心配をしていましたが、開口一番に教えてくれたのは「チーム状態が悪い」ということでした。

「水曜日くらいから急に体が動かなくなった」と選手たちが静かに話してくれます。

疲労、ケガ、コンディション不良。加えて長距離の移動と学校生活。肉体的なものもありますが、精神的なもので苦しんでいるように見えました。

グループリーグ1位通過で作陽が対戦相手に決まったとき、「ヴェルディや市船の時とは違うプレッシャーもかかってくる」と山本監督。

高校サッカーの新しい風となりつつある両チームです。作陽の組織対野洲の個。面白い対決になりそうだなと思っていたのですが、監督も選手も「難しい相手」と言っていました。

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その言葉通りに、作陽は「足元にパスを出すな!」と指示を繰り返し出していました。相手の長所を消すのが実に上手いチームです。山本監督も言っていましたが、作陽の選手たちは全力で勝負を挑んできました。そこに迷いがありません。

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後半開始から、福原君を投入し3バックに変更。攻撃モードに入りました。惜しい場面が続き「絶対に入ると思ったのに」と福原君。「ケガもよくなってきて調子も上がってきてたんやけどな」と話していました。

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この試合には、チームメイトが応援に駆けつけていました。久しぶりに会う顔ぶれです。延長に突入する時に声を掛けられました。

「あいつらいける?」「いっつもこんな感じやった?」

応援に声を枯らしながら、仲間を励ます。ピッチに立てなくても戦う気持ちは一緒なのだと言っている様な応援でした。

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そんな彼らの声を受けて、冨田君がCKを蹴りに向かいます。「頑張ってー!」という声援に思わず笑顔を浮かべていました。声は力になるんだなと改めて思いました。

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坂本君へのマークもかなりきついものでした。ほとんどフリーにはさせてもらえなかったのですが、その中でもきっちりと同点弾を放ちます。藤野君が右サイドを突破してのクロスに頭で合わせたのですが、“入るな”と分かるほど、息ピッタリのゴールでした。

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延長に突入しました。疲労困憊。満身創痍でした。頑張るしかない。そんな風に自分に言い聞かせているような選手たちの表情が印象深く残っています。

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9月15日:全日本ユース グループリーグ③試合

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この試合の先制点は潮入君でした。3試合連続弾でチームに勢いをつけてきた潮入君。「今日は調子もよかったし、ボールを持ったときに大きな歓声が聞こえてきて嬉しかった」と、久しぶりに彼らしいアイデア満載のプレーと、素敵な笑顔が戻ってきました。

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この試合の主役は、やっぱり坂本君です。ずっと調子の上がらなかった様子でしたが、ヴェルディ戦での得点で落ち着いたのか、いつもの坂本君らしい得点の連続でした。ピッチサイドでも思わず見とれてしまうほど、どのゴールも美しかったです。

試合後、開口一番に「みんなのおかげ」と言っていたのも彼らしく、「嬉しかったし、ホンマによかった」と安堵した表情でした。「これで調子があがるといいね」と声を掛けると「うん。でもまだまだやね。次も頑張って点を取らないと」と話してくれました。

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この日のもう一人の主役は「神がかっていた!!」と自分でも驚きだったという藤野君。4アシストは「これまで経験ないなぁ」と教えてくれました。ワイドから ボランチとポジションを移しても、ボールを持ったときの速さと突破力という藤野君の魅力を存分に発揮しています。「体が重かってんけどなー」と磐田戦の後には言っていたのですが、だいぶ調子がよくなったようでした。

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久しぶりに先発に戻ってきた福本君。「やるときはやる」という福本君の復帰は大きいものです。なかなかメンバーが固定されないDF陣ですが、それだけ層が厚くなっているという証拠でもあるように思います。

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上田君が獲得したPKの場面です。「誰が蹴る?」という相談に始まり「PKをはずすんちゃう?」と話していたと潮入君。5-1とリードしていたこともありますが、試合中に笑顔が見られるのは珍しいなあと思いつつ写してしまいました。やり直しになったPKを外してしまった上田君は「考えすぎた」とちょっと落ち込んでいました。

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1位通過がきまり、いよいよ決勝トーナメントです。組合せをみた選手たちの感想は「きっつぅ」でした。関西弁(滋賀弁?)では「えぐいなぁ」と口数も少なめでした。

「(勝ち進むと)また市原臨海やん!!」と思わず声をあげていた潮入君でした。

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9月15日:全日本ユース グループリーグ③試合前

9月15日、市立船橋戦、試合前の様子です。

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西が丘のアップ場はフットサルコートです。ピッチとは離れているため、聞こえてくる歓声に「FC東京が点をとったんちゃう?」と第一試合の様子が気になるようでした。

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グループリーグ1勝1敗で迎えたこの日。選手たちの表情はニコニコといつになく笑顔で、リラックスしていました。いい状態で市船戦を迎えられたようです。

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アップ会場に最初に来ていたのは坂本君と上田君。二人にに調子は?と聞くと「まあまあ」と帰ってきました。

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チャンスがありながらもなかなか得点を奪えなかったヴェルディ戦のこともあり、坂本君に「今日は点を取る?」と少し意地悪な問いかけをすると、「今日もや!!」と笑いながら一言。その答えに「この前の試合では、チャンスで外してたのに・・・・・・」と思わずつっ込んでいた上田 君。「今日も絶対、(点を)取る」と再び坂本君。その言葉通りの試合展開になりました。

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9月13日:全日本ユース グループリーグ②

3-2で全国大会での1勝目をあげましたshine

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この試合に負けてしまうと、全日本ユースでの敗退が濃厚になってします。野洲は驚きの秘策にでました。

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フォーメーションは両サイドバックが上がらない4-3-3です。先週の磐田戦での敗戦と、ヴェルディの圧勝を目の辺りにし、あえて勝つことに全力を注ぐことにしたのです。

選手たちに話を聞くと、異口同音に帰ってきたのが「最初は戸惑ったし不安やった」という言葉でした。

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この日はボ3ランチの右となった藤野君。「今日は守備を頑張った。4-3-3も、最初は上手くいかなくて本当にあせったけど、滋賀FCと試合をして大差で勝てたことが自信につながった」と話してくれました。この滋賀FC戦が、4-3-3にチャレンジしている選手たちにとっては大きな転機になったようでした。

さて藤野君は後半途中には足がつりながらも、懸命に走り続けていました。「次の試合はゴールを決めたい!」とゴールにも意欲的。得点後のパフォーマンスを考えている様子で、お披露目が楽しみです。

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この試合、よく目立っていたのがボランチの中央にいた松永君。天皇杯予選でレッドカードをもらってしまったため磐田戦には出場できなかった分を、思い切りぶつけてくれたようでした。「調子はいいで!」と元気のよかった松永君。「ユーティリティー性があるやろ?」と冗談交じりに明るく話していましたが、この日は苦しい場面でボールを奪取し、速攻の起点となっていました。

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上田君も気合が入っていて、いい動きをしていました。特にゴールへ向かう姿は頼もしく、今日は点を取りそうだなと感じるほどでした。上田君自身も「得点したかった」と言っていましたが、その言葉どうりに2点目を落ち着いて決め「嬉しかった!!」と笑顔。得点後「ヨッシャー!!」と珍しく大きな声を出して喜ぶ姿が印象的でした。珍しいね。と声を掛けると恥かしそうに「そうやね。なんとなく(声が)出ちゃった」といっていました。

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この日、最も苦しんだのが坂本君です。「本当に焦って、慌てた」とシュートを12本放ちながらも、GKやDFに阻まれたり、ワクに行かなかったりと、ゴールが遠いゲームでした。何度も決定的な場面が訪れましたが、坂本君にはめずらしいなと思えるほど。3点目となる得点を決めた瞬間は、喜びよりも「ゴールを決められて、ただホッとした」そうです。「一輝なら決めてくれる」というチームの信頼を一心に背負う坂本君。気持ちを切り替えて次に期待です。

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先制点をあげた潮入君。「まさか自分のところに来ると思ってなくてビックリした」と振り返ってくれました。調子もだいぶよくなってきた様子もありますが、「普通かな」なんだそうです。「両足がつった」と途中交代をしましたが、交代直後の2失点にダウンしていた足も思わず止まってしまっていました。3トップ気味のオフェンスには「ワイドがいない分、横に動けるし、一輝や上田と自由にポジションを変えられる。プレーの幅が広がるし、やりやすい感じはある」と手ごたえを教えてくれました。

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終盤の2失点に肩を落としていたのが横江君です。「失点をしなければ、点は絶対にとってくれるから勝てる。先に失点をしてしまうとモチベーションも士気も下がってしまうから、無失点に抑えたい」と常々、そう口にしています。「まだまだ闘争心が足りないし、みんなで協力をして雰囲気をよく戦いたい」と横江君。最後尾からチームを見ているからこそ、横江君だけに見えているものがあります。次戦は、0で抑え、自信を取り戻すキッカケになってほしいと思います。

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9月7日:全日本ユース グループリーグ①

高円宮杯全日本ユースが始まりました。

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初出場の野洲は藤枝会場で2試合、リーグ最終日には場所を東京・西が丘に移します。

初戦は磐田ユースと対戦でした。

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これまでもそぅでしたが、公式戦の初戦は「どうしても緊張し、固くなってしまう」そうで、この日も、いつになく選手たちの表情は固いままでした。

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ウオーミングアップ中は、控え室などにいることが多い山本監督も、この日は静かにピッチを見ていました。この大会で山本監督は、選手たちに「経験をつんでほしい」と願っています。

それは、3年生たちに残された野洲での時間が、あとわずかなことを感じさせながら「大学や、社会人、プロ。彼らのこれからのサッカー人生の中でも、野洲の誇りを持って戦ってほしいから」という変わらない思いがあるからなのです。

全日本ユースはその気持ちを確かなものとして残すためにも大事な大会なのです。

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ケガから復帰の福原君。「調子はまだまだ」と完全復帰まではもう少しのようですが「次も頑張るよ!」と話していました。

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3バックの真ん中を務める松原君です。控え回ることも多く苦しい時期もあったようですが、締めるところを締めることができる松原君の存在は、大きいようです。

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お水を運ぶのは染川君と卯田君のお仕事のようです。いつも一番最後に2人で片付けています。

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いよいよ試合です。ロッカールームから出てきた時の表情はとても明るかったのですが・・・

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「両ワイドが前に出られるのか」は攻撃のポイントです。この日はなかなか前に進めなかった上田君と藤野君ですが、後半、2人がポジションを変えると流れは野洲に傾きました。

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1得点1アシストの藤野君は「(潮入)啓太へのパスは、すごくよくて自分でもビックリした」と振り返ってくれました。「パスがヘタ」という藤野君ですが、いい起点となりチャンスを作っていました。

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「出足がよくないし、エンジンがかかるのが遅すぎた」と西口君。3失点についても責任を感じつつ「0に抑えれば、点を取ってくれるし勢いが出るから、次は無失点でいきたい」と次の試合へ、気持ちを切り替えようとしていました。

第一試合だったために、試合後、ヴェルディユース対市立船橋の試合を見ていた選手たち。想像していたよりは、敗戦のショックをひきずっていなかったように見えましたが、ヴェルディの圧勝を目の辺りにし「この1週間、しっかりやらないと」と気持ちを引き締めていました。

そのヴェルディの選手たちは、試合前に野洲のゲームをロッカールーム前で見ていました。

とても対戦を楽しみにしているようで、「(背番号)何番はうまい」「あいつすごい」と、真剣に見ている姿が印象的でした。

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