後半の様子です。
「緊張はしてなかったけど、足がつるのも早くて、全然あかんかった」と藤野君。それでも坂本君へのアシストは「試合前にマイナスに出すから入ってきてって一輝に話してたん」と笑顔でした。
フットボール定食でも触れましたが、藤野君も、この選手権予選に特別な思いを持つ選手です。去年の経験からくる悔しさ、恐怖心、不安、焦り。それを乗り越えてピッチに立ちました。「全然納得いっていない」と開口一番にそう話した藤野君。「とにかく頑張る」と力強く語ってくれました。壁を乗り越え、全国までの1カ月。チームとともに、大きく羽ばたく予感がします。
山本監督も話していましたが「前日練習の気合がすごかった」中川君と冨田君。試合に出るときには少しだけうれしそうな表情だったのが印象的です。スタンドにいた3年生たちからも「2人はすごかったな」という声が聞かれました。レギュラー争いは、また1から始まります。2人の奮闘も続いていきます。
「選手権予選決勝は初めてやし」と端山君。去年、この舞台に先発として立った2年生は9人。この日、先発をした3年生の中で「ベンチにも入れなかったからスタンドで応援していた」のは端山君だけです。
「試合の入りが悪かったというより、攻撃に連動性がなくて、単発で終わってしまった。後ろがバタついていたから(綾羽に)中盤を作られて、ちょっと怖かった。ハーフタイムに気持ちを入れなおそうって話して落ち着いた」と、丁寧に「試合を振り返ってくれます。冷静な試合分析は端山君ならでは、です。
端山君に全国の抱負を聞くと「(レギュラー争いも)サバイバルやし、本当に頑張らないと」と即答でした。
新人戦を終えてから、不動のレギュラーになった端山君。10月中旬に学校訪れたときに、Aチームが午前中で解散になっていた日がありました。Aサブの試合が夕方から組まれていたこの日が受験だった端山君は、お昼にはグラウンドに着てボールを蹴っていました。「もう4時間くらいここにいる」と笑っていましたが、一人もくもくと体を動かしていたり、他チームの試合を見ていたりしていたのを思い出します。
「今は、とにかく頑張る」とよく口にしている端山君。グラウンドから帰るのも、いつも最後です。静かな闘志を燃やしながら、端山君もずっとあこがれていた選手権が、もうすぐやってきます。
5点目を決めたのは福原君です。「決まったね!」と声をかけると「やっと決まってうれしい!!」と素敵な笑顔が返ってきました。準決勝まで惜しい場面が続き「絶対に入ったと思ったのに」と、とにかく悔しい表情だった福原君。途中出場でしたが「まず守備をしっかりして、得点を狙う」ことを心がけていたそうです。
得点後のパフォーマンスは「去年の決勝で同じことをやって(青木)亮都君からもリクエストされてたから」と教えてくれました。
本当に仲良しの2人は、そろって2得点でした。「一輝なら決めてくれる。啓太ならパスを出してくれる」という信頼が大きな武器でもあり、強い絆です。
この大会13得点をたたき出した坂本君。「去年より1試合少ない状況で13点はいいほうかな」と教えてくれました。「メンバーに入れなくて必死で応援してくれるみんながいるから頑張らないといけない」と、坂本君は言います。
ハットトリックを決めた準決勝でも、これまでの戦いの中でも「みんながいてくれるから」という言葉を口にする坂本君。全国ではマークももっと厳しくなることが予想されますが、「全国大会は去年のカリを返したい。チームが一つになって優勝したい」と、謙虚さの中に強い意志を秘めて、最後の全国へ向かいます。
チームに笑顔をもたらすために。全国での坂本君のゴール。楽しみです。
「調子があまりよくない」と前日に話していた松永君。いつも試合後は、いろいろなことを話してくれる松永君ですが、この日は、本当に悔しかったようで、言葉なく競技場を後にしていました。ケガを抱えながら調整を続けるという、決していい状態ではないのですが、松永君自身、選手権は3度目を迎えます。最後だからこそ、いつもと変わらぬ笑顔を見せてほしいなと思います。
最後は、大勢の記者さんに囲まれていた再び潮入君です。「緊張はしなかった」そうですが「相手の気持ちをすごく感じた試合だった」と教えてくれました。
自分を奮い立たせる潮入君ですが、1カ月前はケガをして不安な表情を見せていたこともありました。「選手権予選には間に合わないかもしれない」。その状態でもグラウンドに立ち、片時もボールを離そうとはしない姿がありました。
チームをひっぱり続ける中で「やってやる」という強気な姿勢を見せ続けてくれる選手でもあります。前日のミーティングでも、「あと2回しか(全員ミーティングも)ないんやから」と声をかけていた潮入君。選手権にかける思いは、口にしませんがとても強いことを感じます。その心を今度、聞いてみようと思います。
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