朝鮮の歴史第7回 朝鮮時代後期の社会と文化
T、国家財政の変容
逼迫する国家財政
- 日本軍(侵略)・清軍(援軍)の侵入の影響で混乱。国家財政は深刻な状況。
- 農地の荒廃、農民の死亡・逃亡で農地・農民の把握困難。支配システム(徴税など)機能せず。
- 17世紀の朝鮮政府は 14世紀以来の 田税・貢物・賦役を財源として運営されていた。
- 田税 = 農業生産物 農地所有者が生産高に応じて米・大豆で納入していた
- 貢物 = 各邑が特産物を政府に納入。 政府が行政機関運営に必要なものを現物で徴収していた。
- 賦役 = 成年男子(数え年16〜59歳)に賦課される義務労働。
- 1611年時点で政府が把握できた農地 戦乱前の四分の一。税制改革が必要不可欠と考えられた。
大同法の実施
- 税制改革の第一歩が大同法。 農地の広さによる課税。米と銭で納める、地代的税制。
- 貢物の現物徴収は、納めるために漢城まで運搬するための負担が大きい。
- 代行業者が現れるが、その手数料負担も馬鹿にならない。
- 貢納 生産条件の変化による規定税額が不足 買い入れねばならない 運搬の負担 貢納代行人 手数料高い
- 取り扱い官庁として宣恵庁(せんけいちょう)に一元化、米と銭で取り扱いの簡素化。
- 実施に100年ほどかかった。1608 京畿道から順番に実施。咸鏡道 平安道を除く六道全体に施行されたのは1708年。
- 各官庁 貢人に必要物品購入の代行をさせる。 流通経済の活況。
- 御用商人としての貢人の利益莫大 参入者入り乱れ 組合制 物品独占納入権 権利の売買も行われた
軍役の変化と均役法
賦役の代表的なもの軍役も軍布という名称で税へと変化していった。
- 徴兵制度は早くから形骸化。軍隊の基礎は雇兵に変わっていた。
- 綿布二匹(年)で軍役を免れた。高額のため納められない貧しい農民に軍役賦課が片寄った。
- 1750年均役法、年間一匹に改革 不足分は米・魚業・塩業・船舶などに課税。
運搬と納業
- 財政悪化は進行。
- 解決策として各官庁に自助努力要請、一種の独立採算制を導入。
- 特産品の生産と販売などの努力。しかし経営は必ずしもうまくいかず不足。
- 対策
- 還穀=農民に穀物を貸付け、一割の利息を取る。凶作時の非常用の制度を常時高利貸付に変更して財政たてなおしを図る。
- 還穀 食糧不足時期に貸し付けるものであった 18世紀 常に貸し付け利子をとる 財政改善 農民増税
- 納粟=官職を売るために政府に穀物を納める官職販売制度。
- 穀物をもって官位官職の売買 宛名のない官位官職任命書を撒く 応募者に官職を売る 官職インフレ。
2、経済の変動
商品流通の発展
- 17世紀半ば、水利施設の発達と農業技術の改良。農業生産力は戦前の水準を超え始めた
- 水稲耕作の発展、田植え法が全国に普及
- 三南地方の二期作
- 商品作物の栽培
- 綿花・麻・薬用人参・タバコ(1492年のコロンブスがアメリカ大陸から持ち帰ったと聞いているが、1600年代には東アジアに普及している!!→1543年にはポルトガルが種子島に鉄砲を伝える)
- 農村手工業の発達 綿布 麻布
- 大同法とあいまって商業の発達
- 漢城の流通経済、全国の農業発展に伴う商業の発展。
- 場市(じょうし・露天市場)=地方住民が必要物資を入手する場。ネットワークが拡大し、定期市(5日)となり19世紀には1000箇所に開かれた。
- 露天市 五日ごとに開かれるようになる 褓商(ほしょう) 負商(ふしょう) 褓負商
- 場市で活躍した行商人(褓負商)であった。
- 生産物を並べて売っている農民を、風呂敷包みを下げ、荷を負って売り歩く商人。
- 旅閣・客主=倉庫、宿 財を成し実力者となるもの現れる。
- 政府の奨励策では普及しなかった貨幣が、流通経済の発達で急速に普及する。
- 「常平通宝」 (銅銭)
- 手形の一種「於音(おおん)」が高額紙幣として使われた。金貨などは作られなかった。

漢城の商業
- 常設テンポ 市廛(してん) 商品ごとの組合 政府の認可 政府への各種義務 首都以外にはほとんどなくホフショウ中心
- シテン ロクイテン 外交使節と中国に行き商取引が出来た
- 私商と市店の対立
- 乱店 私しょう
- シンガイツウキョウ
3、身分と社会
領民と賎民
- リョウ民とセンミン の階級
- リョウミン市民権と国家への義務 士大夫の族 簡易官職 一般リョウミン センミン
- センミン 奴婢 主人を介して国家との関係
- 士族 家系と科挙試験合格で尊敬された
- ユウの支配 シレイ 士族の強力必要 キョウチョウ キョウリ(管理体制 シュレイ 士族 キョウリ)
社会の変容
- 身分的流動性の高い社会 センミンの減少 領民に身分上昇 政府の思惑 課税
- 奴婢を課か会えていることの経済的メリットがなくなった
人のつながり
- ケイヅ 族譜 結束 祖先の出身地 アントンキンシなど ホンガン セイ 士族ノ中に入り込む
4、新しい文化
学問の新傾向
- 学問の世界
- 儒学者の改革
- 実学者 リスイコウ 政治改革
- 印刷教材忠を参照
- リュウケイエン
- アンジョンモク
- テイジャモン
- 官界で挫折し農村部に帰り農村の矛盾を目の当たりにする
- ハチョンブ 清をモデルとする考え
- 西洋の科学 地動説
-
新しい動き
芸能文学絵画