旅客船「セウォル号」沈没事故の当時、テレビ局のインタビューで虚偽の主張をしたとして逮捕・起訴されたホン・ガヘ被告(27)が、自分を批判したインターネットユーザー約1000人を一斉に告訴し、物議を醸しているが、これに対し大検察庁(日本の最高検察庁に相当)は、侮辱罪についての新たな処罰基準を検討する方針を固めたことが、26日までに分かった。
性的な侮辱などを含む露骨な非難のコメントに対しては、これまで通り厳罰を科す方針だが、社会問題に対する単なる批判的なコメントについては告訴があっても却下し、また児童・生徒や初犯の場合には起訴猶予とするというわけだ。単なる批判は最大限寛大な対処をし、無分別な告訴・告発を防ぐという趣旨だ。
大検察庁の関係者は「現行法の規定があいまいな上、無分別な告訴は検察・警察の捜査力に悪影響を与えかねないため、侮辱罪について新たな処罰基準を打ち出し、来週ごろに各検察庁に通達する方針だ。ホン被告によって告訴されたネットユーザーの多くはこの基準に基づき、寛大な処分を受ける見通しだ」と話した。
ホン被告は最近、セウォル号事故後に自分を非難する内容の書き込みをしたネットユーザー約1000人を侮辱罪で告訴した。ホン被告の弁護人側はこの過程で、告訴の取り下げを条件に数十万-数百万ウォン(数万-数十万円)の示談金を受け取っていたことが分かり、物議を醸した。
ホン被告はセウォル号沈没事故の直後、テレビ局のインタビューで「政府が民間のダイバーによる救助活動を妨害している」といううその主張をしたとして逮捕・起訴された。一審では無罪を言い渡され、現在控訴審の審理が行われている。今年1月、光州地裁木浦支部はホン被告に無罪を言い渡したが「今回の判決が被告人の行動を正当化したリ、免罪符を与えたりするものではなく、(ホン被告の行動に)適切とはいえない側面が多くあった」と説明した。