目次
はじめに
最も身近で全ての人に関わる食事。食べたものが私たちの心と身体を創り上げます。
しかし不思議な事に、私たちは最も大切である食事についてほとんど学びを得る機会がありません。
そこには経済優先の原理が働いている事が大きな原因です。
そして私たち一人一人が社会を営んでいるように、食の乱れが心と体の乱れを生み、社会の乱れが生まれます。
そんな思惑もあるようです。 また諸説様々あり、誤った栄養学も氾濫している現代社会。それと共に加速する飽食の時代。
食べるものに困らないありがたい時代であると同時に、欧米人並の体格を得ようと、牛乳や卵、肉製品といった蛋白質を大量に摂るようになりました。
また、輸送や栽培方法の技術発達から一年中いつでも世界中の様々な食べ物が手に入るようになりました。
見た目を良くする為や日保ちを長くする為に農薬・化学薬品などの汚染物質にまみれた食品がスーパーに並んでいます。
そうした食品が多くの健康不具合を作ってしまっています。
カナダの研究グループでは、母親から出産後の臍の緒を調査したところ、全部で287種類の汚染物質が発見されたと発表されました。
赤ちゃんはお腹にいる時、全ての栄養をへその緒を通して母親から与えられます。
また母親の食べ物が赤ちゃんの好き嫌いに繋がっている事も確認されています。
私たちは親となる前から、しっかりと食について学び、心掛けて行かなければならない時代にあるようです。
そして幼少期に食べたもので創られた身体が、その後成人以降の健康に大きく作用します。
正しい食育の知識に乏しい私たち大人の価値観で判断せずに、これだけは控えたい・意識したい食育10選を考えて行きましょう。
①牛乳は体に良い?
牛乳は完全栄養食と教えられ、学校給食でも牛乳は必需品のようになっています。 しかし牛乳は、特に日本人には不向きな飲み物です。
牛乳には乳糖という成分が含まれており、乳糖はラクターゼという酵素で分解されます。
日本人の多くは体質上、乳糖分解酵素であるラクターゼが少なく、消化不良を起こしやすくなっているのです。牛乳を飲むとお腹が下ったりゆるくなるのはその為です。
戦後学校給食で牛乳が推進されるようになり、消費量の増加と共に子ども達の骨折や骨粗しょう症が増えています。
また、ぜんそく、鼻づまり、アトピー性皮膚炎、アレルギー体質、骨粗しょう症、糖尿病、白内障、貧血、精神的不安定などなど、いろいろな病気、症状が長期にわたる牛乳の摂りすぎによって引きおこされると言われています。
そもそも人が牛のお乳を飲む事は、自然の摂理から考えれば異常な事です。他の動物はもちろんの事、牛乳はお乳ですから「子牛」しか飲みません。
牛乳でしか摂れない栄養分はありませんし、むしろ嗜好品として飲むならばまだしも、健康促進とはならないのです。 もちろん子どもには禁物です。
②豆乳ならば体に良い?
豆乳が体に良いとの情報が溢れ、スーパーやコンビニも多くの豆乳商品が並びます。牛乳の代用に飲まれる方も多いと聞きますが、それも注意が必要です。
大豆の含む植物性たんぱく質は必須アミノ酸がバランスよく含まれており、自然のバランス食と言えます。
大豆と言えば味噌・醤油・納豆・豆腐などと言った和食の基本であり、日本人にとってなくてはならない万能食品でもあります。 しかし植物は本来、不用意な外敵から身を守るために、生物毒と呼ばれる天然毒素を持っています。
未発酵の大豆には、フィチン酸塩、酵素阻害物質、ゴイトロゲン(甲状腺腫誘発物質)、またレクチンやサポニンと言ったたんぱく質があります。
フィチン酸は玄米や小麦などの多くの穀物にありますが、大豆のその含有量は高く、未発酵の大豆を取りすぎるとそのフィチン酸によりミネラルが奪われてしまいます。
そういった諸々の阻害栄養素によって健康に悪影響を与えてしまう可能性があります。 しかしこれらは、大豆を発酵させる事により分解され、摂取可能な状態になります。
そうした発酵させた大豆は、一気に完全栄養食品となります。 ですので、豆乳は発酵されていない状態となり、摂りすぎは注意が必要です。
③玄米は体に良い?
玄米は白米に比べ、ビタミン・ミネラル・食物繊維など、栄養価が豊富で、人間が健康上必要とされる栄養素がしっかり補える為、完全栄養食とも言われます。
しかし注意点があります。 玄米の胚芽(生命の宿る種の元)や表皮には、フィチン酸という強力な排毒作用の高い物質を多く含んでいます。
毒素を出して体内環境をきれいにしたり、病気の改善などにも効果的ですが、同時に大切なカルシウムやリンなどのミネラルも一緒に解毒してしまいます。
玄米菜食はがんなどの病気にも大きな改善が見られる事も多々ありますが、健康な人が継続的に玄米食を続けると、不具合が生じてしまいます。
自然界の中で生き残る為に、鳥や害虫(人間の視点から見れば)から身を守る為にそう言った環境毒素が作られているようです。
そんな玄米ですが、実は発芽させた玄米は、フィチン酸を分解してくれるフィターゼという玄米がもともと持っている消化酵素が活性化され、除去してくれます。
そして他の栄養素もさらに高まり、文字通り完全栄養食となります。 しかし完全にフィチン酸を除去できるわけではありませんので、お味噌汁やお漬物などの発酵食品を取る事で、ミネラルを補充する事が大切です。
もうおわかりでしょうが、和食の基本である、玄米・漬物・味噌汁がセットなのは、このような昔からの知恵の結晶なのです。
④肉食は健康的?
腐るという字は、腑に肉が入ると書きます。 腑とは五臓六腑の腑を表しており、胃や腸などの消化器系の内臓を指しています。
いわゆる動物性タンパクは、腸内に入ると腐敗発酵し、アンモニア・インドールなどの活性酸素や有害物質を作り出します。そして分解して排出するために消化酵素が大量に使われ、体に負担をかけてしまいます。
腸内環境を汚してしまいやすくなり、腸内環境の悪化は血液をドロドロの酸性となります。それが万病の原因とも言われ、近年増え続ける大腸がんなどは、動物性タンパクの過剰摂取が原因とも言われています。
「肉を食べなければ元気が出ない」「力がつかない」と言われる事もありますが、確かに肉食には瞬発力の向上が見られます。
しかし、ライオンなどは狩や必要な行為以外はほぼ寝ているように、持続力が低いのです。逆に草食動物は常に走り続ける事が出来るように、植物からの摂取であれだけの体と体力を見につけています。
私たち人間は必要以外な時に寝ているわけには行きません。そう考えると、持続力を高める必要があります。
そして良質なたんぱく質は、穀類・豆類・魚介類・海藻類・木の実・きのこ類・イモ類・野菜類・果物類に豊富に含まれています。
また発芽玄米や発酵大豆食品で必須アミノ酸などは十分補えます。テレビや雑誌などでは動物性タンパクにしか存在しない栄養素があると言われますが、そんな事はありません。 もちろん肉食はしてはイケナイという事ではありませんが、食べすぎには注意が必要です。
⑤減塩は本当?
これは半分本当であり半分は誤りです。
戦後日本では、アメリカGHQの統治政策により古来から作られてきた良質な天然の塩を作ることが禁じられました。
それにより化学的に精製された塩となり、ほぼ塩化ナトリウムで構成されたものが塩と扱われました。
電気分解によって精製されたその塩は、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどの大切なミネラルが取り除かれてしまっています。
さらに保存や旨味をつける為に、添加物の使用も大きくなります。 本来の天然製法の塩は、ミネラルが豊富に含まれており、少々摂りすぎても尿や汗などでしっかりと余分なものを排出してくれます。
そういう意味では、食卓塩などの化学的に精製された食塩などはむしろ万病のもととなりやすくなる為、減塩の必要があります。 しかし現在では心ある業者さんたちのおかげで、天然塩を作ることが出来るようになりました。
こうした塩を出来るだけ使い、摂りすぎれば何でも弊害は生まれますが、過度な減塩に流されずに摂取する事が大切なものになります。 天然塩でしたら、高血圧の原因にもなりません。
⑥ヨーグルトは健康食品?
毎日の健康に役立つと言うヨーグルト。腸内環境を整え、お通じを良くし、風邪知らず。そして美容効果にも最適。
テレビCMも賑わい、今では数百種類の製品が存在すると言われています。 確かに発酵させているので栄養価も高く、乳酸菌により善玉菌を増やし、整腸作用があります。
腸が整えば病気にはならないとまで言われているように、その効果は大切なものではあります。 しかし牛乳から作られるものであり、菌もビフィズス菌やブルガリア菌、サーモフィラス菌・ガゼリ菌などと複数種類存在し、人によって合う合わないがあります。
また乳酸菌は酸に弱く、腸に届くまでに胃酸でほとんど死滅してしまうのです。近年の研究ではその死滅した死菌であっても、腸の免疫システムを刺激して免疫力を上げるとも言われます。
しかしその反面、不具合も多数報告されているのです。乳がんの原因の一つとも発表されています。 結論としては、ヨーグルトには高い栄養価があり、免疫を上げる効果もありますが、
食べるならばメーカー表示にもあるように、5日から2週間位様子を見ながら食べ、自分に合う商品を探す必要があります。
しかし考えるべき事は、わざわざ日本人はヨーグルトを食べなくとも、納豆や漬物などの日本古来の発酵食品があります。
そしてそれは日本人であれば不具合が出る事はありません。 また、何かを食していれば大丈夫というものはありませんので、バランスよい食事を心掛ける事が大切です。
⑦トクホの真相
健康そうに人がバンザイをしているトクホマーク。コンビニやスーパーできらびやかに並び、あたかも国のお墨付きの「特定保健用食品」として売られています。
健康ブームと共に加熱して盛り上がりを見せたこの商品シリーズは、現在1000種類前後存在するとも言われ、その市場は数千億円にも上ります。
花王の高濃度茶カテキンを銘打ったヘルシア、その茶カテキンによる肝障害が多数報告され、スペインやフランスでは販売禁止処分となりました。
同じく花王の食用油エコナクッキングオイルにより、体内で発がん性物質であるグリシドール脂肪酸エステルが多量に含まれている事が問題となり、「自主的」な販売停止を行いました。
このトクホの認可は厚生省が行っており、この厚労省は医療薬の認可も管轄しています。これまで安心だと認可した非加熱製剤により薬害エイズ事件を起こすなど、製薬会社などの利権構造により、危険な薬害の疑いのある薬剤も多く承認しています。
しかし問題が起きても責任は一切取らず、企業責任で終わらせてしまうのです。 案の定このトクホでも、審議の議事録さえ十分に取らない杜撰な審査しかしていないことも判明しています。
さらに複合的にその他の薬品や添加物が混ざり合う危険性も検証する事無く、認可が下りるという全く安全性に信用性がありません。
もちろん一口や一本飲んだところで、健常者であれば問題は出にくいものですが、健康促進の効果ははっきりないと言えます。むしろ嗜好品として飲むにしても、こう言った事実がある事を頭に入れて飲む必要があります。
⑧カロリーゼロ食品の危険性
こちらも同じくカロリーゼロを謳うドリンクやシュガー製品。コンビニやスーパーでずらりと並び、ダイエット志向の方々や健康維持の為に飲まれている方も多いかと思います。
しかしこれら商品も注意が必要です。いえ、むしろ注意と言うよりは避けるべきだとお伝えさせて頂きます。
白砂糖の危険性は有名ですが、ノンシュガーなどを伝えるこれらの商品。砂糖より数百倍もの甘みを感じさせる人口甘味料が使用されています。
サッカリンをはじめ、チクロ、ソルビトール、スクラロース、キシリトール、パラチノース、エリスリトール、アラビノース、アセスルファムK,マルチトール、トレハロース、ステビアなどなど、商品の表示には必ずこれらの甘味料が表示されています。
中でも最も多く使用されているアスパルテーム。開発もとのアメリカでは、FDA(連邦食品医薬品局)が認可する前からかなりこの添加物についての危険性が議論されてきました。
そしてその議論はいまだ決着の見ないまま、これだけ製品化されてしまっているのです。 その危険性は様々な研究機関で健康被害が報告され、摂りすぎると肥満や糖尿病につながるほか、うつや腎機機能低下、血管系疾患のリスクが増大するようです。
そして白砂糖やこの人口甘味料には強烈な中毒症状もあり、まさに「甘い罠」と言われています。 特に子どもには味覚障害にも繋がる事が近年では確認されており、百害あって一利なしと言わざるを得ません。
⑨市販の野菜ジュースは要注意
野菜の摂取量が著しく低下されていると言われる日本。特に農薬や化学薬品漬けの野菜を本能的に拒否する子どもが増えているとも言われています。
そんな中、お手ごろで手軽に野菜の栄養を補充できるとして、市販の野菜ジュースがうなぎ上りに売れているようです。
しかし「添加物の神様」とまで言われ、食品添加物の専門商社に勤務し、多種多様の食品添加物を加工食品業者に販売していた安部司さんによれば、野菜ジュース1本で、本当に「1日に必要な野菜」が取れるのか。「消費者は声を疑問を持って欲しい」と声を上げます。
「その数字を基に、1日に必要な野菜350g分を計算上、入れたということであって、野菜350gを取った場合の栄養素が入っているわけではない」とし、
さらにあるメーカーの野菜ジュースからは水道水の10倍以上の硝酸態窒素が検出された例もあります。
硝酸態窒素は化学肥料によって生産される作物から発生しやすくなり、大量に摂取するとチアノーゼ(ヘモグロビン血漿)を起こします。
また濃縮還元などと表記される野菜ジュースなど、消費者としては安心・安全で健康的なイメージを抱いてしまいそうですが、この製法ではほとんど栄養素は阻害されてしまい、多量の添加物で調整します。
さらに飲みやすさが重視されている為、様々な甘味料も使用されています。 その他残留農薬の問題なども考えると、健康促進どころか、かえって体の負担にしかならないようです。
⑩ノンオイルドレッシングの落とし穴
油分や脂肪分がカットされたノンオイルドレッシング。カロリーは低く、ヘルシー食品として人気のヒット商品となっています。
生野菜を摂る習慣が薄れたと言われている私たちは、この落とし穴を見過ごしてしまってはせっかくの大切なサラダを食べると言う事が台無しになりかねません。
一般的な市販のサラダドレッシングも、ノンオイルドレッシングも、多くの食品添加物が使用されているという問題はありますが、ノンオイルドレッシングは油の代わりに果糖ブドウ糖液糖が使用され、糖類で作られています。
そしてこの果糖ブドウ糖液糖は、トウモロコシなどのでんぷんを原料とする天然甘味料です。別名コーンシロップとも呼ばれるそれは、欧米では、肥満や高血圧、糖尿病などの原因と分かり、大問題となっています。
そしてこの果糖ブドウ糖液糖には遺伝子組み換え作物が使用されている可能性が高いと言われています。
また精製塩分も多く含まれており、問題は複雑化しています。 そして油分がないと、ビタミンなどの吸収率が低くなり、せっかくのサラダが台無しにもなりかねません。 出来る事なら、良質で天然由来のドレッシングをご使用する事をお奨めします。
最後に
食品の問題を追及していくと、市販製品は多くの問題だらけだと言わざるを得ません。
その根本的な理由は、最初にお伝えしたように、経済優先の原理が私たちの生活の上に位置しているからです。
競争により商品コストを下げ、価格競争となり、商品は化学物質まみれの「安かろう、悪かろう」というものになってしまいました。 安くておいしいものにはそれだけのリスクが存在する事を頭に入れておかなければなりません。
そしてそれを求め続けてきた、私たち消費者がそれを作り上げてきてしまったという事実もあります。
何より、子どもの食事については、現在の社会の環境や常識ですすめてしまうのは非常に危険です。
正しい食育を受けてきていない私たちは、今一度少しの努力で学びなおす必要があるのかも知れません。そして様々な問題を知ると私たちが食べる物、子ども達に提供する食事に困惑されるかも知れません。
しかし少しの手間隙をかける事で多くをカバーできます。 そして子ども達の飲み物などを例にとっても、牛乳も清涼飲料水などもダメであるならばかわいそうではなく、子どもにとって本来は良質な水が最良であるのです。
それは昔の元気な先人達が証明してくれています。 化学的に強烈な甘味をつけられたり、添加物で味をつけられた食品になれてしまうと味気ないものと思いがちですが、それは現代社会の大人たちの都合である事を理解する必要があります。
今後そんな食についてをシンプルに皆様と共有していければ幸いです。
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