今月24日午前9時ごろ、ソウル市江西区禾谷1洞の低層集合住宅に、43歳の男が空き巣に入ろうとした。窃盗罪で4回の前科がある男は各部屋のドアノブを回して不在かどうか確かめたが、2階でドアに鍵がかかっていない部屋を見つけた。すぐにドアを開けて室内に侵入し、中年の女性が寝ている部屋で、たんすやハンドバッグなどを漁ったが、現金や金目のものは見つからなかった。男は「盗みに入ったのだから、何か一つでも盗もう」と思い、女性のシルクのパジャマを持ち出した。
男が玄関を出ようとした瞬間、朝の運動を終えて帰宅した世帯主の男性(63)と鉢合わせした。男性の視線は、男が手に持っていた女物のパジャマに向いていた。見慣れた妻のパジャマだったからだ。妻が性的暴行を受けたのではないかと思った男性は、男ともみ合いになった。隣の部屋に住む40代の夫婦は、玄関で2人が声を上げてもみ合っているのを見て、一緒に男を取り押さえた。
男性は隣の夫婦に男を押さえるよう依頼し、妻の様子を見に行った。男は諦めた表情を浮かべ、隣の夫婦に「たばこだけ吸わせてほしい」と頼んだ。隣の夫婦が男をベランダに連れていくと、男は高さ4メートルのベランダから飛び降りた。だが、男の悪あがきもそれまでだった。飛び降りた際に腰の骨を折ったからだ。通報を受け出動した警察は、地面に倒れたままうめき声を上げていた男を逮捕した。男は全治20週と診断された。
江西警察署は26日、男を住居侵入や窃盗の容疑で立件した。警察の調べに対し男は「酒に酔って、自分が何をしたのか記憶にない」と容疑を否認しているという。警察の関係者は「まず腰の治療を優先しながら、調べを進めていく方針だ」と話した。