「原発大国」仏アレバが経営危機
「夢の原子炉」EPRの建設費が3倍に膨れ上がり、債務超過に転落。提携先の三菱重工も危うい。
2015年4月号
フランスの原子力大手アレバが経営危機に陥っている。3月4日に発表した2014年12月期の連結決算は最終損益が4年連続の赤字でその額は48億3400万ユーロ(約6400億円)と前年の約10倍に膨張。フィンランドでの最新鋭の原発建設が難航しているのに加え、福島第一原子力発電所の事故以降、日本のみならず世界で原発需要が落ち込み、有力な収益源だった核燃料事業も低迷。同社の危機を「原発ビジネスの終わりの始まり」と捉える向きもある。
「日本で原発が稼働していないことや燃料のウランの価格低迷が影響した」
パリの本社で同日記者会見したアレバの最高経営責任者(CEO)のフィリップ・ノシュは世界の原発市場の窮状を強調した。14年の売上高は83億3600万ユーロ(約1兆900億円)で前期比7・2%減。バランスシートも惨憺たる有り様。資産合計299億2千万ユーロに対し、負債合計301億6500万ユーロ。す ………