北陸新幹線開業で活気に沸くＪＲ金沢駅周辺では２２日、新幹線客だけではなく、近県から車で訪れる観光客も目立った。付近の駐車場は軒並み満車状態となり、渋滞で車が動かず、その場で降りるタクシー客の姿も。注目の高さが裏目に出た形の“新幹線効果”に、週末の駅前対策が迫られそうだ。（佐々木香理）

　金沢駅のもてなしドームに面した交差点では、複数の警察官が交通整理に追われていた。観光客で満員の路線バスが次々とターミナルを出入りする中、信号待ちの乗用車やタクシーが列をなした。

　東京からの客を乗せたタクシーの男性運転手は「なかなか駅に進入させてもらえなかった。客は新幹線に間に合わないと不機嫌になり、おつりも受け取らずに降りていかれた」と困り顔。不本意なもてなしが続くことを不安視した。駅西側の交差点でも、しびれをきらしたタクシー客が信号待ちの車列から降りる姿がしばしば見られた。

　同駅付近の大型駐車場は、朝から軒並み満車状態となった。駅東駐車場によると午後二時ごろピークに。県内だけではなく、富山や福井など近県のナンバープレートが目立つ。新しい商業施設の袋を提げた家族連れやカップルも多く、駅前利用客の増加をうかがわせた。年末年始やお盆を除いた三月下旬での満車はまれだという。

　岐阜県大垣市から中学時代の友人とレンタカーで市内を観光していた女性（２３）は「大きな駐車場はどこにあるのか分からなかった。電光掲示板も小さくて見えづらかった」とも。車を利用する県外観光客にも分かりやすい表示を注文した。