王将戦:郷田、最年長で王将 4勝3敗、渡辺の3連覇阻む

毎日新聞 2015年03月27日 18時29分(最終更新 03月27日 20時49分)

渡辺明王将を降し、新王将になった郷田真隆九段=青森県弘前市で2015年3月27日午後6時38分、小出洋平撮影
渡辺明王将を降し、新王将になった郷田真隆九段=青森県弘前市で2015年3月27日午後6時38分、小出洋平撮影

 青森県弘前市の市民会館で26日から繰り広げられていた第64期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、囲碁・将棋チャンネル協賛)の最終第7局は27日午後6時18分、99手で挑戦者の郷田真隆九段(44)が渡辺明王将(30)を破り、4勝3敗で初の王将位を獲得した。残り時間は郷田19分、渡辺12分。

 郷田は2年前に棋王を失冠して以来の無冠返上で、通算タイトル獲得は5期。王将位に就いた史上15人目の棋士で、初王将の最年長記録となる。

 一方、3連覇を目指していた渡辺は王将を失ったため、今月8日に羽生善治名人を3連勝で破って防衛した棋王位だけとなった。【山村英樹】

 郷田新王将の略歴 東京都出身。大友昇九段門下で、1982年に奨励会入会。同期に羽生善治名人、森内俊之九段、佐藤康光九段ら。90年四段。92年に谷川浩司王位(当時)から王位を奪取、史上初めて四段でタイトルを獲得した。2001年九段。タイトル獲得は王将1、王位1、棋王1、棋聖2の計5期。王将戦では通算15期目のリーグ在籍で初挑戦した。

 郷田新王将の話 自分なりにベストを尽くそうと思っていた。ずっとリードされる展開だったので、王将獲得の実感は全然湧いてこない。これまで、そんなにタイトルを獲得してきたわけではないが、頑張っていればチャンスがあるという気持ちでやってきた。

 渡辺前王将の話 (最終盤で逆転した)第2局もちゃんとした勝ちではなかったし、第7局も含め後手番の時にチャンスを作れなかった。1回くらいは後手番で勝てないと苦しいと思っていた。一生懸命戦ったので、またリーグ戦から出直したい。

最新写真特集