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2015.3.27 FRI
TEXT BY SANAE AKIYAMA
ケガなどで運動ができなくなったり、ギプスをしたことのある人は、再び患部に筋肉を付けるのがどれだけ大変かがわかるだろう。
スポーツで捻挫や骨折をしたあとなどは、R.I.C.E(「Rest」〈安静〉、「Icing」〈冷却〉、「Compression」〈圧迫〉、「Elevation」〈持ち上げておくこと〉)で腫れや痛みをやり過ごしながら、回復にかかる時間とたるんでいく肉体を思って暗鬱たる気分にさせられるものだ。また、高齢者の場合、骨折などにともなう不活動は、筋力低下による寝たきりを引き起こすことも少なくないだろう。
このたび米オハイオ大学の研究グループは、ケガなどによる固定治療期間中に、筋肉の萎縮を抑える方法を発表した。使うものは「脳」。そう、イメージトレーニングだ。
筋力の強弱というのは、解剖学的(形態・構造的側面)、生理学的(機能的側面)、そして神経学的(脳・神経組織的側面)な因子によりコントロールされている。なかでも自分の意志でコントロールできる骨格筋(随意筋)には、神経学的因子が大きく関わっているとされ、今回の実験の対象にもなった。
米オハイオ大学の筋骨格・神経学研究機関のブライアン・クラーク博士は、神経学的因子が及ぼす筋肉への影響を探るため、ギプスで固定された腕の筋肉を使うことを「想像する」、という画期的な実験を行った。
通常、固定することにより萎縮してしまう筋肉は、脳から神経系への「想像する」という刺激だけで、その構造や機能をある程度維持することができるのだろうか?
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