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素粒子で原子炉の中を透視する新装置が完成
3月27日 18時09分

東京電力福島第一原子力発電所で宇宙から降り注ぐ「素粒子」を使って原子炉の中を透視する新しい装置が完成し、公開されました。
すでに結果が公表されている1号機の調査と異なる手法で、より高い精度の結果が得られると期待されています。
福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料の状態を調べるため、さまざまな物質を通り抜ける性質がある「ミューオン」と呼ばれる素粒子を使って原子炉建屋の内部を透視する調査が行われています。
今月、結果が公表された1号機では、原子炉の中に核燃料が見当たらず、ほとんどが原子炉の底を突き抜け、格納容器に溶け落ちた可能性が強まったと報告されました。
27日は、ことしの秋以降、2号機で使われる東芝とアメリカのロスアラモス国立研究所が共同で開発した装置が、横浜市で報道関係者に公開されました。
ミューオンを捉える8メートル四方の検出器2つを原子炉を挟むように立て、ミューオンが原子炉を通り抜ける前と後でどう変化するかを観測し、内部にある物質を映像化します。
1つの比較的小型の検出器で観測する1号機の装置と比べて3倍以上の解像度が期待できるということで、27日は2つの検出器を横にして、間に置いた鉛や鉄を透視する試験が行われていました。
開発チームの東芝の宮寺晴夫さんは「解像度が格段に上がると期待され、核燃料の分布や量を詳しく把握することで、核燃料の取り出し方法などの検討に役立てることができる」と話しています。

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