さいたま地裁で6日、行われる予定だった、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)などの罪に問われた男の判決公判に、被告が出廷せず、期日が延期になった。期日の延期は昨年12月末の初公判に続き2回目。
出廷しなかったのは、客を乗せたタクシーを運転中、男性をひいて死亡させるなどしたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた川口市西青木、元タクシー運転手で韓国籍の金龍浩被告(64)。金被告は1月29日の論告弁論公判で、検察側に懲役3年を求刑されていた。
この日の判決公判は午前10時50分開廷予定。金被告が現れず、11時から同じ法廷で別の公判が入っていたことなどから、正午まで様子を見ることになった。しかし、事態は変わらず、午後0時10分すぎ、松岡幹生裁判官が「裁判所からも召喚状を送達するが、弁護人からも出頭するよう働き掛けてほしい」と告げ、閉廷した。
同日午後、男性弁護士が金被告の自宅を訪ねたが電話にも応答せず、会うこともできなかったという。男性弁護士は「面会できていないので、今回どういった理由で欠席したのか分からない。こちらとしては電話連絡するなどして公判に出るよう働き掛けるしかない」としている。
金被告は昨年12月26日の初公判期日に欠席。1月21日に行われた検察側からの反対尋問で「経済的に破綻状態で電車賃もなかった。拘束してもらう方がいいと思い、意図的に出なかった」などと述べていた。
起訴状などによると、金被告は昨年9月6日午前0時25分ごろ、客を乗せたタクシーで川口市末広の市道を走行中、酔って路上で寝ていた山盛榮三さん=当時(73)=をひいて、救護措置などを取らないまま逃走し、山盛さんを死亡させたとされる。