オールドテーラー
1939年秋蒸留
瓶詰は1947年春
第二次世界大戦がはじまった年に作られた
とうもろこしや麦で蒸留されて
大戦中 ずっと樽で熟成され続けました
そして
大戦終了の頃の春に
瓶詰されたバーボンウイスキーです
実はこのお酒
残量があまりに少なかったこともあり
この記事を書く時に
グラスに注いだ物が
最後の一杯となりました
また入荷したいのですが
もし入荷無ければ空き瓶だけ
店頭ディスプレイに並ぶことになるかもしれません
味はボトルの底部分にも関わらず
信じられないほど色鮮やかに生きづいています
想わず
全部注いだのを
やや後悔してしまったくらい
味がしっかりとしていました
オールドバーボンらしい
コクの強さ
香りは下手なブランデーよりも甘く
濃い木のエキスをかぐわさせ
それは
針葉樹の情景すら感じさせるほどです
揮発させた時
後味に残る 質の良い苦み
余韻を殺す苦みではなく
余韻に華を添える 苦み
たしか記憶によれば
このボトル 開けたての方が
余韻が線が細かったようにも想われます
その線の細さは
モルトウイスキーで言えば
ポートエレンのような線の細さにも例えられる
それは禁酒法時代のオールドテーラーを開けた時にも
同印象でした
しかし
今日飲んだ
この同じオールドテーラーは
残り少なった最後の部分に
モテる限りのポテンシャルを発揮し
力強い 重厚な木を余韻に響かせ
鮮烈に心にくさびを打ち込んでくる
そんな味わいでした
ボトル底からさらに揮発してるのですが
ぜんぜん味抜けしない
揮発すればするほど
より木の旨み
甘みが多層魔構造的に覆ってくる
喉の奥からも旨みが
わきあがってくる
ああ これおいしいね~
もう何度も飲んでいるはずなのに
ボトルの最後部分まで こんな声を発させるお酒は そうそうありません
最後の最後だからこそ
鮮烈に 華やかに心に刻むお酒もあるんだなー
ということを感じさせるお酒でした
「
14才の味がする
旬の味
女の旬は14才なの
感受性が多感で 繊細な14才なの
さくらの木に似ている
さくらの木は ずっと14才なの
梅の木は16才なの
17才の1年前
理性のはじまりなの
さくらの木は 感受性のピークなの
その時の香りと味がする 」
(オールドテーラー1939蒸留 1947瓶詰を飲んだ妻のティスティングの詩)
さて
ここからは
いつものように
朝から酩酊状態の
意味不明な妻のことばです
妻は酔っぱらうと
不思議な子供に戻るので
人にとって
わけわからないニュアンスでしゃべるのですが
このオールドテーラーを飲んだ時に発したことばなので
ご興味をお感じの方
長いのですが
最後まで お読みください
「
あのね
桃栗3年柿8年と言うけれど
栗も桃も3才ではなく
30才なの
柿は人間の年で言えば80才
熟れに熟れたおばあちゃんってこと
干し柿の色とか味とかも
そういう感じ
古事記の桃は梅と言われている
梅も旬の一つで
現物のはじまりの旬なの
木達のイメージ
イメージの梅は紅いでしょ?
紅い紅い実
青いんだけど食べる時紅くなる
昔
いよはまだ16だから
と言う歌があったけど
あれはその心象風景を言ってるの
伊予はね
昔のお姫さまの名前なの
歌ってる人は お姫さまじゃなかったけど
その心象風景がグッときたから
そのたった一行で
ヒットという現物を手にできた
うめずかずおもヒットした
梅の木はね
現物を呼ぶパワーがそれだけ強いの
だからただごはんに
梅干を置いただけの日の丸弁当が
あんなにも鮮烈に印象に残る
あれはお米の力じゃない
梅の木の力なの 」
「
さくらはね
卒業式 入学式
出会いと別れ
想い出に残るシーズンに咲くでしょ?
想念の記憶に残る花
だから人はあの花を見るたびに
おのおののメモリアルの物語を想いだす
さくらの木の声って
聞いたことある?
昔
井の頭公園に住んでいた時
いっぱいさくらの花が咲いていて
ねこを抱っこしながら見ていたら
みんな憂いてた
さみしい さみしい
くるしい くるしい
たすけて たすけて
って
なんだかとても弱弱しい声がした
あの華やかな姿とは裏腹に
とても憂いてた
その時ね
抱っこしてた ねこが言った
さくらの木は弱くて弱くて
感じやすいから
いつも憂いている
なんだか
14才の女の子に似ているね
って
子供じゃないけど
大人じゃなくて
一番多感な時
でもだからこそ
物語の印象に残るのかも
14才のイメージが 」
「
梅の花はさくらに似ているけれど
意外と現実を見て咲いている
現実を見てるから
実をならせる
だから現実が欲しいのならば
梅の木に聞いた方が良いのかも
さくらの花と
梅の花
似てるけれど
見てる方向が全然違う
ふたりは姉妹のようになかよしで
似てもいるんだけど
でもやっぱり違う
梅は16才
さくらは14才 」
「
昔
山に行くと
木の年齢がわかった気がする
この子はいくつだよ
この子はいくつだよって
その木が
300才だろうが500才だろうが
木のイメージの年齢が
私が
昔 すけっちぶっくに
木の年齢や性別を
熱心に描いていたら
おばあちゃんが
すごい目で見てきた
「 上手ね 」って言いながら
お菓子を持ってきて
「
これちょうだい 」って言ってきた
今見ると
とても下手くそな絵なのに
おばあちゃんは
そんな私の絵をとてもほめて
なでなでしながら
いっぱいお菓子もくれた
だから私は気分良く
おばあちゃんに絵をいっぱいかいてあげた
おばあちゃんは街の人気者だった
みんながおばあちゃんに意見を聞くような人だった
政治家とか
そのお友達の財界人も
何故だか
そんな昔の記憶の片鱗を想いだした
」
「
私が桜で一番印象に残ったのは
巣鴨のお墓で見た
大きなきれいな桜
きっとあれは文学の桜なの
夜見た時にうっとりしたから
そのまわりには
文化人の墓がたくさんあった
もしも
私が女優ならば
そこをロケ地にしたいぐらい
世界の文学というジャンルに置いては
あの桜は
他に追随を許さないくらいパワーが宿ってる
たくさんの文化人の死体を食べて咲いているんだから
」 (オールドテーラー1939-1947を飲んだ時の 妻のことば)
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