午後のサスペンス「さすらい署長風間昭平7 つがる弘前城殺人事件」 2015.03.27


〜オーライオーライ…はいストップ!〜
(水越紀男)動くな!動くな!青森県警だ!中国からの輸入食品だな!
(西舘)はい…。
(池田)ニンニクだ…。
(坂崎)他にもあるだろう!
(西舘)な…なんのことだか…。
おい調べろ!〜
(浩美)ありましたっ!〜間違いありませんね。

(パトカーのサイレン)2kgが10個…末端価格で10億円になります。
10億円!?しかしわざわざ署長が現場にまで…あっいや。
こうして署長と現場をご一緒できるのは感激であります。
(風間昭平)署長室にじっとしていられないタチでね。
おかげですっかりりんごの実すぐりがうまくなったよ。
私もこの特命捜査のおかげで津軽漬けが漬けられるようになりました。
(船木)でも北畠君には漬物を食べてもらう相手が…。
失礼したっ!
(笑い声)風間署長…それと弘前北署の皆さんほんとにお世話になりました!あとは我々県警本部がこれを突破口に一味を根こそぎ叩きます!それじゃ…。
(船木)こういうのを「骨折り損のくたびれ儲け」っていうんですかねぇ。
コツコツと情報を集めて外堀を固めても結局犯人はもっていかれる…。
県警本部はいつもいいとこどりじゃないですか!
(坂崎)そうボヤくなって。
覚せい剤密輸入の本丸は暴力団山下組だ。
残念ながら一所轄の手に負える相手じゃねえっぺ。
いやぁ諸君!今日の働きはお見事!ごくろうさん!〜
岩木山からの風にのってほのかなりんごの香り…。
いやぁ実にのどかだ!たったいまの摘発が嘘のようじゃないか。
私は10日前本庁から覚せい剤摘発という特命を帯びて青森弘前北署に赴任してきた。
例によってワンポイントリリーフである
〜おい!おいおい…!おい待て。
お前ここはりんご園でねぇ。
警察署だ警察署。
お前の来るところじゃねえ帰れ。
ごくろうさん。
なにがごくろうさんだえらそうにお前!とっととうせろ!
(外岡)署長!
(外岡)お疲れさまでした署長!こいつが署長!?黙れっ!この方は今回弘前北署に赴任された風間署長だっ!!しょしょしょしょ…署長!失礼いたしました!!署長そのような扮装までなされて誠に申しわけない。
あ〜気にしない。
署長っ!失礼しましたっ!!あのスタイル…ずいぶんと気に入ってるみたいだな。
しかしな前の署長の急死で特捜事案を引き継ぐハメになったんだ。
なんともお気の毒というか…。
それも逆みたいです。
(外岡)逆?りんごの実すぐりを楽しんでました。
りんごの実すぐりっていったいどういう署長なんだべかね。
(江坂)全国のよ警察署を転々とさすらい署長といわれてるみてえだ。
(山鼻)さすらい署長ってか?なしたってそんなにまたさすらいたがるんだべな?わけわかんねえな。
しかしよ困ったもんだで。
署長室には寄りつかね。
嬉々として現場さ行ってしまうんだ。
いつでも使ってけれってよ重要書類を入れる机のキーまで預けてった。
副署長が署長代理ってわけですな。
その2文字取れればいいんだがよ。
その前にほれ…定年だ。
いえまだまだ!
(ドアの開く音)署長!おかえりなさい!
(山鼻)お疲れさまでした!いやいやいや…この度は着任早々の本部長賞ものだそうでおそれいりました!外岡さん…あんたんとこの警備課の機密捜査は百も承知だども今回ばっかりは石ころよりも硬かったやないの。
機密が守れんようじゃうちの課の仕事はやってられねえ。
なんだばその言い方よ…。
山鼻さん言っときますけどうちの課とおたくの刑事一課とではわけが違う!やめれって。
一課の情報管理がなっとらんから俺たちに気をつけろってそう言っとんのかおめえは!よくわかってんじゃないの。
なに〜!この…!刑事一課は猿のどんずだ!署長明日のご予定ですが津軽巡りのコースは私にまかせていただけますか。
いや頼む!なにしろ土地勘はまったくないからねひとまわりしておかないと…。
いやそれにしても津軽弁ってのは…難解だねこれ…。
(津軽弁で口論する声)〜いやぁ〜見事なりんご園だ…!さすが日本一のりんごの産地だけのことはあるね。
生産高は四十数万トンで全国の2分の1だそうです。
日本のりんごの半分は青森産ですか。
手入れのしやすいように背丈を2mほどに揃えて特に剪定の技術が優れているそうです。
ずいぶん詳しいようだけど北畠君の実家もりんご農家ですか?いえ。
私は下北の浜の生まれです。
父親は大間で漁師をしてます。
大間っていうとあの…黒まぐろの一本釣り?はい。
署長…。
はい?漁師の娘が刑事なんておかしいと思われませんか?別に…どうして?大間は本州最北端の厳しいところなんです。
なにがなんでも大間から抜け出したい…べつだん私は刑事になるつもりなんてこれっぽっちもなかったんです。
でも今は刑事になって本当によかった!この職業が大好きですし誇りにさえ思ってます…。
ですから署長!ふつつかものですがよろしくお願いします!北畠君。
思いっきり鍛えてやってください。
ではお言葉に甘えて…思いっきり鍛えさせてもらいます。
津軽三味線会館…。
(浩美)この金木町は津軽三味線の発祥地なんです。
ほぅ。
ちなみにあちらが太宰治の斜陽館です。
(津軽三味線)いやぁ…迫力あるな。
弾くというよりも叩く。
津軽三味線ならではの叩き奏法です。
(津軽三味線)叩き奏法…びんびん迫ってくるねぇ…。
(津軽三味線)仁太坊…。
(浩美)津軽三味線の元祖だといわれています。
1857年…金木神原村に生まれ21歳で叩き奏法を生み出した…。
現在の津軽三味線のルーツはここにあるんですね。
私もそれほど詳しくはありませんがもともとは門付け三味線だと。
門付け三味線?家々の前で演奏してなにがしかの金品をもらう。
この津軽では20年ほど前までそういう門付けの風習が残っていました。
へぇ…厳しい風習ですね…。
はい北畠。
署長と一緒ですが…了解しました。
署長本部長からです。
はい風間です。
あぁどうもどうも…。
元気?…うん相変わらず各署を転々とね。
うん…あっそうだね。
一度どこかでゆっくり。
うん…でなに?なにか捜索要請?
(坂崎)鍛治町のクラブのママ…立花美奈子錦織征勝の女です。
風間署長…申しわけありません!うちの若手が張りついていたんですが察知されてマークを外されてしまいました。
なにをやってるんだ!荷受人の線から一気に叩くどころか肝心要の男に逃げられてたんじゃ話にならんよ!坂崎さんのおっしゃるとおりです。
面目ない。
で錦織の容疑は?はい…山下組の覚せい剤の密輸入を取りしきってます。
今回の食品加工工場を使った密輸入の新ルートを開拓したのもこの男です。
錦織の素顔はわかってますんで自分も女の張り込みにつきます。
これはまたずいぶんと早いご出勤だな。
〜ラトビア…立花美奈子がその店を持ったのは4年前なんですね。
鍛治町でもトップクラスのクラブだ。
開店資金は錦織から出てんだろうな。
あっお前か…仕事入ったすまない。
奥さんですか?あぁ…。
例の特捜事案がケリついたんで久しぶりにかみさん孝行でもなんてな…。
ほんと申しわけない!
(坂崎)店じゃねえって…あの女どこ行くんだ?〜どうもあの店営業しているようには見えないですね。
弘前の飲み屋街も不景気でドミノ倒しのように潰れてるっていうから。
〜錦織!
(美奈子の悲鳴)錦織よせ!やめろ!
(錦織)どけ…どけ!
(美奈子の悲鳴)錦織やめろ!〜錦織!〜坂崎さん!おぉ。

(坂崎)錦織!〜坂崎さん。
坂崎さん!坂崎さん!!錦織を…。
鍛治町で坂崎さんが撃たれました。
至急救急車…救急車!いやぁ夢が叶って津軽三味線聴いたよ。
すごいねぇもうビンビン胸にくるよ。
えっちょっと待って蕎麦茹でてる。
いやぁ聴かせたかったね!それどころじゃない?どうしたんだよ?康平が大学に行かない?家の中に閉じこもりっぱなし。
そりゃなぁやっと念願の大学に入ったんだ少しはほっとしたんだろう。
大丈夫大丈夫。
心配するなって。
うんあとでねちゃんと話し合うから。
しばらく自由にさせとこう。
あっちょっと待って電話入ったから。
はい風間です。
え?坂崎巡査長が撃たれた?
(外岡)ロクさん…。
(江坂)署長…。
山下組の錦織追い詰めて殺られました。
(浩美)署長坂崎さんの奥さんです。
風間です。
(民子)あなた…。
(外岡)奥さん…なんと申し上げれば…。
あなた〜…!
(民子の泣き声)坂崎さんはここで…。
錦織はあの階段の上から。
(サイレン)坂崎さんどうか助かってくれ祈りながら緊急配備につきましたが残念ながら坂崎さんは…。
(外岡)昨夜から未明にかけての緊急配備は空回りでした。
(船木)主要幹線の検問でも錦織の車は引っ掛かりませんでした。
厳重な緊急配備の網をどうやって…。
錦織はどこへ潜り込んだんでしょう。
あいつは必ず!奥さん今日はお通夜明日は告別式。
どうか署のみんなで送らせてけれ。
こんなことでご主人に報いることはできませんが二階級特進が決定いたしました。
主人は同期の人が出世されて現場を離れても自分は生涯現場を通すんだって昇任試験も受けようとしないでずっとこれまで…。
ですから巡査長のままで送ってやりたいと思います。
〜何もいらないから主人を返してほしい。
奥さんの心がそう叫んでいるようだったね。
実に気丈な奥さんです。
だから余計この胸さ詰まってきて。
部下を亡くすことがこんなにつらいことだとは。
警備課に配属になってから教えられたことは山ほど。
まがりなりにも今こうして仕事ができるのは坂崎さんのおかげです。
(山鼻)署長。
ロクさんが好きだった津軽の地酒です。
〜今回の張り込みと尾行は自分が坂崎さんを助っ人に指名しました。
自分が指名さえしてなければこんなことには…。
鉛弾をくらうのは自分のほうが自分が…。
水越君君のせいじゃない。
そこまで自分を追い詰めるのはよせ。
風間さん…。
〜昇進も望まず黙々とひと筋道を生きてきた…。
人生の裏側ばかり見せつけられてそれでもこの仕事にしがみついてきた。
私はそういう男の生き様好きだ。
自分もそういう刑事でありたい。
そういう意味があって坂崎さんを…。
名刑事がまた一人…。
たまらんですよ。

(江坂)黙とう!
(江坂)着席!では捜査会議を始める。
まず解剖所見から。
(山鼻)坂崎巡査長は右胸部被弾。
これが致命傷となりました。
鑑識さん。
(遅沢)はい。
これが摘出した9ミリ弾です。
線条痕から拳銃の前歴はありません。
次!先般の覚せい剤密輸入ですが中国の貨物船にて運び込まれ荷受け人は平賀の西舘食品加工工場。
この密輸入を仕切っていたのが山下組の錦織征勝です。
それほど重要な男を警備課は野放しにしておいたのか!お言葉ですが同人に関しましては…。
県警本部がマークを外したんだ!本部の尻拭いをさせられたうえ坂崎巡査長まで殺られてよ!やってられんよ!この程度じゃ済まねえ!こっちは身内を亡くしたようなもんだ!
(山鼻)なんだってこの!やめろこのだくらんけ!
(田所)どうせまた本部との合同捜査になるんでねえべか!
(吉塚)冗談じゃありませんよ!
(山鼻)署長!やっぱり本部との合同捜査ですか?いやウチでやる。
おいみんな聞いたか!このヤマはウチでやる!しかし署長よく本部がOKしたもんだなや。
県警本部長とは同期でね。
ウチの事情を話したらよくわかってくれたよ。
署長!署長!おいおい…どうしたんだ。
ロクさんの弔い合戦だ!ドブの中這いずり回ってでも捜しだせ!
(一同)はい!ヤマ!ソト!はっ!はい!いいか署長のもと北署員一丸だ。
一課も警備課もねえからな!もちろんだ!わかっております。
それで錦織の足取りは?それがプッツリと。
立花美奈子がマークされていたのは錦織もわかっていたはずだ。
そのリスクを冒してまで弘前に来たのはなんだったのか。
(江坂)署長どこさ…。
ちょっと確かめたいことが。
警備課長おたくの北畠君お借りしますよ。
あらら…行ってしまっただ。
わいも40年やってるけどあんな署長初めて見たよ。
現れたと思ったらすぐ消えてしまう。
ヤマお前どう思う?訳わかんねえな。
んだべ。
(津軽三味線)錦織とはいつから?こちらは全部調べてわかってるんです。
6年前青森市内のクラブ順子でホステスをされてたときに知り合ったんですよね?だったら私に聞きに来ることないじゃない!あなた!北畠君。
事件当日錦織から連絡が入った。
それで出向かれたんですね?そうよ。
その後錦織からの連絡は?そう10時頃電話があってしばらく身を隠すって。
身を隠す…他には?あっ…。
何か?立佞武多の館の場所聞かれたけど。
立佞武多の館?ほほぉこれが五所川原の立佞武多か。
すごいね。
(浩美)署長!事件の翌日錦織と思われる男が目撃されています。
館内でもう一人の人物と接触したと思われます。
接触した相手は?それが…。
ご覧のとおり暗いところですし相手の方は見通せませんでした。
ねぷた見学のために館内の照明は暗く人目を避けて会うには絶好の穴場だと思いますが署長錦織はいったいここで誰と何の目的で会っていたのか。
ん〜。
〜〜
(山鼻)署長!
(外岡)署長!指名手配の錦織征勝です。
現場検視官の見立てによると死因は頭蓋骨骨折および脳内出血。
殺害後に遺棄されたと考えられます。
せめてロクさんの仇はとなんてことだ。

(サイレン)〜錦織の逮捕によって覚せい剤密輸入の全貌にメスが入る。
敵はその前に手を打った。
組織を守るためのいわゆるトカゲの尻尾切りかと。
泥のなか這いずり回ってでも地の果てまでもなんとしてもあの錦織だけは…。
坂崎さんの仇は討ちたかったです。
ご霊前に犯人逮捕を報告したい。
水越君私もその一念だった。
風間さんこのヤマどんな事があっても自分が!
(山鼻)錦織征勝の肺には水が入っておらず殺害後に遺棄されたと考えられます。
なお同人は拳銃を所持しておらず弘前城址のお濠からも未発見。
だば聞き込み情報から。
(田所)はい。
錦織の愛人で鍛治町のクラブ「ラトビア」の立花美奈子の身辺捜査からもう一人の男が浮かびました。
もう一人?相原宏次郎45歳です。
相原宏次郎?ヤクザ者か?あぁいや組関係の者ではなくリンゴ園を持つ弘前の男です。
津軽三味線の奏者もしています。
津軽三味線…。
もしもしもだ錦織に美奈子との関係がばれてしまったら…。
それこそ錦織に半殺しにされかねねんじゃねえんですかね?相原宏次郎はそのことをいちばん恐れていたんでねえのか?邪魔な錦織を排除するには願ってもない。
この機に乗じてうまいこと錦織を殺った。
(江坂)しかし相手は根っからのヤクザ者だかんな。
(江坂)事件の背景にはやはり覚せい剤が絡んでいるんでねえべか。
(津軽民謡)〜弘前にはこうした蕎麦屋や居酒屋で行う津軽民謡のライブハウスが5軒ほどあります。
津軽三味線奏者は三味線一本で身を立てている者は少なく相原宏次郎のように副業を持つケースも多いそうです。
(外岡)本名相原宏次郎。
宏加寿は芸名ですな。
宏加寿。
吉本流一門に属しています。
津軽三味線の世界では流派があって家元制度になってますから。
(船木)平成2年の津軽三味線大会のチャンピオンになってます。
チャンピオン?優勝者のことをそう言うようですけど。
あの相原宏次郎は4年前に交通事故で亡くなった兄のリンゴ園を継いでます。
それこそにわか農園家で本気でやる気はねえようですがね。
にわか農園家…。
相原さんラトビアのママの立花美奈子との関係だが。
(宏次郎)関係って。
ラトビアにはちょくちょく飲みには行ってたけど。
ママとは特別な関係ではなかったというんですか?ねえ。
この男のことだが山下組の錦織征勝だがわからねえかね?知らねえ。
あんたリンゴ園もやってるそうだね。
まあやっとるにはやっとるけど割に合わない商売でさ。
台風がくればおじゃん。
採れすぎれば値崩れまったく割に合わねえ。
ライブコンサートやるんだね?ああ。
いつ?1週間後だ。
よかったらみんなで聴きにさ来い。
唄付けじゃなく曲弾きだからね。
津軽三味線の演奏だけを聴かせるんだね?そうだ。
やっぱりこれ一本で勝負しねえとね。
(美奈子)冗談じゃないわよ!まるでこの私があの錦織を殺したとでも!?まあまあ落ち着けってママ。
落ち着けって。
錦織が殺されたことで思い当たることはねえか?なして私が?錦織と相原宏次郎この二人を天秤にかけていたんじゃないのかね?正直錦織との仲は冷えたものになってたわ。
でも下手に別れ話なんか持ち出したらこっちが殺されかねないわよ。
錦織がおっかなかったんだな?体張ってる男よ。
そういうところに惚れたんだべさ。
そりゃいいときもあったけど。
最近はめっきり冷めてた。
もっぱら相原宏次郎と付き合ってたわけか。
だから彼とはそういう仲なんかじゃないって。
錦織と相原宏次郎はこの店で知り合ったのかな?ううんもっとずっと前からよ。
何?ずっと前から?
(山鼻)署長!錦織征勝と相原宏次郎の接点が見つかりました!二人は青森市内の中学校が一緒でした。
去年の暮れ宏次郎がヤクザ者といさかいを起こしましてそのときに錦織がケンカの仲裁役を買って出たんだ。
その錦織を知らねえだと。
奴めまあぬけぬけと。
おはよう。
署長。
相原宏次郎の評判よくねえっきゃ。
女子関係の噂が多くいわゆる女子癖が悪いタイプです。
立花美奈子との関係は?
(外岡)本人たちは否定しても二人の関係は疑いようもありません。
はい。
何?わかった。
署長錦織の車が発見されました。
場所は?相原宏次郎の自宅です。
課長!お!こちらです!こっちが母屋。
錦織はあの納屋に隠れていたと思われます。
課長錦織の車に間違いありません。
組関係のところでは足がつくべ。
錦織にとっても絶好の隠れ家だったんだべ。
相原宏次郎にとっても錦織のこの潜伏はまたとない好機到来だったんではねえべか?匿った錦織を殺して弘前城址のお濠に遺棄した。
で宏次郎は?ゆうべから戻った様子はありません。
何?戻ってねえ?相原宏次郎の身辺をくまなく洗いましたが行方も足取りもつかめません。
ライブ演奏は19時からですが宏次郎は姿を見せません。
(外岡)連絡は?何もねえそうです。
ライブ演奏まですっぽかしていち早く逃げたんでしょうか?てばやはり錦織殺しは相原宏次郎の仕業か。
(サイレン)〜
(船木)相原宏次郎45歳です。
(外岡)錦織殺しの疑惑の渦中の男が…署長。
(遅沢)死後硬直から推定して死亡推定時刻は昨夜の8時前後と思われます。
死因は?
(外岡)右側頭部こめかみの銃創によるもの。
それ以外の外傷は認められません。
拳銃自殺。
死体の状況はそう物語ってます。
拳銃自殺…。
〜〜
(遅沢)坂崎巡査長と相原宏次郎二人の体内から摘出された弾丸の線条痕が一致しました。
(山鼻)やっぱり拳銃は錦織征勝のものだったか。
指名手配中の錦織を殺して拳銃を奪った。
その拳銃で自分の頭部を撃ったということですか。
硝煙反応は?相原宏次郎の着ていたものですがこの胸前と袖から採れました。
(新村)課長!おう。
相原宏次郎の解剖結果です。
覚せい剤の成分が検出されました。
なんだって?
(江坂)恐らく覚醒剤は錦織のルートから手に入れたんでねえべか。
錦織と相原宏次郎二人の関係は相当濃いものがあったようですね。
したかんで自分の家の離れさ匿っただべさ。
ほんで奴を殺った。
相原宏次郎はリンゴ園の自宅納屋に錦織を匿った。
錦織は気を緩めていただろう。
そのスキをついてまそこまではいいとしてではなんで相原が死を選んだのかだ。
錦織殺しが発覚すればそれこそ山下組に血まつりにされてしまうべや。
あと心理的に追い詰められた末の自殺。
死体の状況死因からもそう考えられますな。
しかし1週間後に津軽三味線のコンサートが予定されていた。
ココンサート?これだほれ。
(外岡)ちゃらんぽらんで女子癖の悪い宏次郎だがこと津軽三味線は命だったようですからな。
相原にとってライブ演奏はひのき舞台に立つようなものじゃなかったのかな?それを目前にして果たして自殺するか…。
それにコンペイトウ。
ココンペイトウ?署長!鑑識に調べてもらいました。
この血痕は相原宏次郎のもの。
しかもほぼ垂直に落下した滴下血痕です。
垂直に落ちた滴下血痕…。
(浩美)飛沫血痕の場合はこういうコンペイトウ型にはならないそうです。
相原宏次郎は立っていた…。
現場のこの血痕がそれを証明していますね。
つまりその…。
座っていれば飛沫血痕になるはずが立っていればこその上から下への滴下血痕だった!?
(浩美)こういうコンペイトウ型の形状は高さ約1〜2mからの落下でできるそうです。
(外岡)被弾したときは立っていたはずの宏次郎がいつの間にか木にもたれるように座っていた。
何者かが移した。
その何者かが…宏次郎の手に拳銃を握らせた。
自殺ではなく他殺…。
署長!
(美奈子)いい音出してたのよ。
(美奈子)そんな宏次郎さんの津軽三味線に惚れて…。
(浩美)相原宏次郎とあなたとの関係は錦織にはバレてなかったんですか?
(美奈子)だと思うけど…。
幸いなことに…錦織はもっぱら本部のある青森市内にいてめったに弘前に来ることはなかったから。
錦織が最後に店に来たのは?そう…あれはいつだったかひょっこり現れて…。
一人で?ううん…若い男と一緒に。
(浩美)誰とですか?名前まではわからないけど…。
錦織からチャンピオンだって紹介されたけど…。
何のチャンピオンですか?さあ…。
とにかく私は何も…。
神に誓って何もしてないんだから!いやぁ…。
見事な花菖蒲だね。
(浩美)日々人間の裏側ばかり見ているとなんだかホッとしますね。
本当にきれい!はぁ…命の洗濯だ!津軽三味線もたしか…チャンピオンといったね?津軽三味線大会の優勝者はチャンピオンと…。
ラトビアで錦織と一緒だった若者がそのチャンピオンということも…。
何度も申し訳ない…これを確かめてほしい。
ここ10年の津軽三味線大会の優勝者ですがあなたのお店で錦織と一緒だった若者がいるかどうか確かめてください。
なんだってそんなこと…。
お願いします。
どうですか?この人よ!間違いありませんか?間違えるわけないでしょ!あのときの…署長!北畠くん身元を…。
(浩美)この吉本加寿也さんが一昨年のチャンピオンなんですね?
(寺山)ええ。
(浩美)どういう経歴なんでしょう?
(寺山)紀加寿さんのお孫さんです。
(浩美)紀加寿さんといいますと?
(寺山)津軽三味線の名手です。
(寺山)だいぶ前に亡くなられましたけど…。
お仕事中どうも。
あの…加寿也というのは芸名ですよね?でしょうね…この「加寿」というのは吉本一門の家元「紀加寿」から付けられていますから。
…で加寿也さんの本名は?署長!吉本加寿也の本名…水越拓郎。
父親は水越紀男。
県警本部警備課のあの水越さんです!水越紀男…。
なんだって!?父紀男…母昌枝…長男拓郎…。
拓郎は現在…母親の昌枝と一緒に昌枝の実家に住んでいます。
母親の実家?りんご園を営んでいるんですが父親の水越さんとは別居してます。
署長…これはいったいどういうことなんでしょうか?錦織征勝と水越拓郎の接点…。
ヤクザと刑事の息子ですが…。
接点なんて考えられない…。
やあ!三味線会館で聴かせてもらったけどいやぁ…実にすばらしかったよ!弘前北署の者ですが…。
演奏のない日はこのりんご園を手伝ってるんですね。
(拓郎)津軽三味線だけじゃ食べていけないんで…。
あの…何か?山下組の錦織征勝を知っているね?鍛治町のクラブラトビアでも一緒でしたね?僕の津軽三味線をえらく気に入ってくれて…。
(拓郎)なんならスポンサーになってやろうと誘われて…。
あとで山下組だってことがわかったけどでもそんなことはどうでも…。
津軽三味線の愛好家にヤクザがどうとか関係ないから…。
お父さん…青森県警に勤めてるんだね。
別居してるんですね。
はい。
なんでまた?親父は僕が津軽三味線やるのに反対で…。
(昌枝)拓郎!
(津軽三味線)拓郎くんのお母さんですね?
(昌枝)はい…。
こちら…ウチの風間署長です。
(昌枝)署長さん!
(昌枝)あの…ウチの息子が…。
拓郎が何か?息子さんの演奏はよく聴きに行かれるんですか?はい。
ご主人の水越さんは息子さんの津軽三味線に反対だそうですね?拓郎はおじいさんの紀加寿の血を引いてか父親にどれほど反対されても津軽三味線をやりたいと…。
(昌枝)私は息子のそんな夢を叶えさせてやりたくて…。
でもあの人は拓郎の夢に理解を示そうとしないばかりかそれを取り上げようとして…。
津軽三味線の名手紀加寿さんの家に生まれたご主人がどうしてまた…そこまで反対なんでしょうか?あの人は…。
一度言い出したら聞かない人で…。
津軽のじょっぱりの見本のような人ですから。
津軽のじょっぱり…。
(浩美)署長!水越拓郎の恋人の村岡容子さんがこちらに…。
津軽塗りをやっているそうです。
ほう…これが津軽塗り。
たしかばか塗りとも…。
(容子)何度も何度も繰り返して漆を塗り重ねることからそうよばれてます。
水越拓郎くんのことでちょっと…。
おつきあいなさってるそうですね?すみません。
あちらでお話聞かせていただけませんか?拓郎くんの津軽三味線に感動したんですかぁ…。
はい。
技巧的なことはわからなかったけどでも心に訴えてくるものがあって…。
そのことを手紙に書いて送ったんです。
それがきっかけで交際するようになったんですね?はい。
津軽三味線ひとつで身を立てたい…。
拓郎の夢が叶うことを願ってた。
だけど…。
…だけど?拓郎とはもう別れたから…。
別れた!?なぜ別れたのかもしよかったら聞かせてもらえないかな?仕事があるので。
津軽三味線と津軽塗り…。
郷土芸能と郷土工芸に打ち込む若い二人の恋…。
周囲の仲間たちはてっきり二人は結婚すると思っていたようです。
拓郎くんの夢が叶うことを願っていたんですよね?結婚しようとも思っていたんでしょ?なのにどうして拓郎くんと別れたんですか?私がしゃべったことは…。
(浩美)秘密は守ります。
大丈夫。
話してください。
お父さんに津軽三味線を取り上げられて…。
拓郎:容子…。
俺…家出ることにしたよ。
…え?親父にいくら反対されても津軽三味線は捨てられないよ。
それがよくわかったんだ。
だから…父親にどんなに反対されても津軽三味線だけは捨てられない…。
(容子)決心して家を出てしばらく私のところに…。
(浩美)同棲までしたのになぜ別れたんですか?あんなバカなこと…。
〜覚せい剤!?私がしゃべったことは内緒にしてください!
(浩美)署長!
(江坂)やもめのひとり暮らし…。
実にシンプルだな。
(江坂)署長!ちょっとキッチンお借りします。
イタリアンでもねスパニッシュでも得意なんですがね…。
あの…署長の食べ物わからなかったからいろいろ買ってきたの。
りんごからね…ほれキャベツからね…。
いろいろあんの!ほれブロッコリーからね…。
今日はでも…あれだ。
カルめのソース焼きそば。
これ署長…自腹で買ってまいりました。
これちょっと運んできて…。
(浩美)はい。
(外岡)署長…今日は何か署内では話せないまずいことでも?いや実は…。
本部の水越くんの息子さんに覚せい剤疑惑があるんだ。
覚せい剤!?まさか!
(浩美)覚せい剤汚染の実態には想像以上のものがあります。
市民の生活のなかにまで入り込んでますがこの場合は疑惑の当事者が警察官の息子です。
(江坂)しかしな…。
自分の息子が覚せい剤に手を出した。
もし本部の水越くんがそのことを知っていたら…。
もしも山下組の錦織がその事実をつかんだら…。
署長…めったなことを口にしないでちょうだい。
そんなことはありえません!
(外岡)あの水越くんにかぎってたとえ…我が子が覚せい剤に手を出してしまったとしてもそれを見逃したりましてや…内部情報を流すようなことは考えられねえことだべ!
(浩美)私もそう思います。
現にあの…食品加工工場の荷受け人の摘発も成功したじゃありませんか!もし水越さんが内部情報を洩らしたとしたらあの摘発は空振りに終わっていたはずです。
(江坂)署長!これは何かの間違いです。
確証を得るまでは絶対に守秘を守ってほしい。
課長!
(外岡)はい。
そういうことだ…。
(江坂)わかったな?
(外岡)はい!
(江坂)おめえさんもわかったな?
(浩美)はい!〜風間さん!やあ。
今日はなにか?ちょっと話が…。
息子さんの拓郎君のことだが…。
覚せい剤をやっていた…そういう疑いがあるんだが。
風間さんあの…おっしゃってることが…。
山下組の錦織と一緒のところも確認されてるんだ。
だからといって…。
息子さんにそういった事実はないと?当たり前じゃないですか。
もしそれが事実だとしたら自分はこの仕事を続けてませんよ。
(汽笛の音)水越君奥さんとは別居してるそうだね。
事件から事件に追われて正直家族のことまでは…。
家は寝に帰るところ…。
そんな自分が愛想尽かされたんだと…。
息子さんの津軽三味線に強く反対していたそうだが…。
君のお父さんの紀加寿さん大変な名手だったとか。
そういうお父さんをもっているのになんでまた反対したのか…。
だからこそですよ。
だからこそ?風間さん門付けをご存じですか?20年前までそういう風習が残っていたそうだね。
親父の紀加寿は門付け三味線をやってました。
(門付け歌)親父は仁太坊の再来とまで言われて門付け三味線にそれこそ命を懸けてました。
歓迎されることもあれば逆に小石を投げつけられることも…。
オホーツクの海を渡って冬の北海道を巡りました。
そのときのつらさというのは例えようも…。
(津軽三味線)寒さにうち震え体の芯まで凍えて…。
とうとうおふくろは倒れました。
満足な手当ても受けられずに旅の途中でおふくろは亡くなりました。
なんでこんな門付けなんか…。
普通の暮らしが本当にうらやましく思えて正直子供心に親父を恨みましたよ。
親父からも津軽三味線からも逃げ出したかった。
津軽三味線なんか二度と聴きたくなかった。
高校を卒業して全寮制の警察学校に入りました。
親父からも津軽三味線からもようやく解放されました。
しかし今度は自分の息子が津軽三味線をやりたいと言い出して。
自分としてはとても応援する気持にはなれませんでした。

(浩美)拓郎君はどうやって覚せい剤を手に入れたんですか?
(容子)もうそのことは…。
どうしてそんなものに手を出したのかもし私が恋人だったら私は確かめると思う。
(浩美)村岡さんあなたとの約束は絶対守ります。
だから話して。
誘われてつい軽い気持で手を出してしまったって…。
誰から誘われたの?兄弟子からだって。
兄弟子?吉本流の宏加寿本名相原宏次郎です!
(浩美)もしあの水越さんがそれを知ったらすぐにでも宏次郎を逮捕したいところでしょうが自分の息子のことがあってそれはできない。
父親と刑事のジレンマだったんでしょうね。
(津軽三味線)拓郎君どうか正直に話してほしい。
錦織征勝との関係だが覚せい剤絡みではなかったのかね?
(浩美)覚せい剤は兄弟子の相原宏次郎から手に入れていたのね。
お父さんはそのことを知っていたのかね?拓郎君君を連行するようなことはしたくない。
だから君の口から正直に話してくれないか。
拓郎君!!署長!〜いやいやまいったもんだなや。
水越の息子拓郎が覚せい剤やってるのは決定的がや?警察官の息子が覚せい剤に手をつけた。
錦織がそこに目をつけないはずがないだろう。
最大限に利用しようとする。
まあこっちが弱み見せてしまったらもうどこまでも貪りついてくる。
ヤクザの本性だな。
問題は今回のふたつの殺しだが…。
(ドアの開く音)署長!なんともまずいことになりそうです。
相原宏次郎が殺された18日ですが水越君は重要な捜査会議を欠席しております。
(江坂)なんで?出なかったってか?どうしても調べたいことがあるとそれも一人で。
通常の捜査ではありえない単独行動です。
まさか…あの水越さんが!?法の番人が法を犯したらより厳しく追及すべきです。
理屈では十分にわかっています。
したばってん現実となると…。
うん同じ警察官。
身内を暴くということはどういうことなのか…。
署長こんなつらいことはないです。
〜いや私が…私がやります。
(津軽三味線)拓郎君の覚せい剤使用…。
水越君残念ながらこの事実は否定できない。
兄弟子の相原宏次郎に誘われてやってしまった。
(浩美)その相原宏次郎が殺された日捜査会議を欠席されたそうですね?水越さんこんなことを聞くのは失礼ですがその日の行動を説明してもらえませんか?この事件の根っこにあるのは拓郎君の覚せい剤使用だ。
この事実を錦織征勝に握られてしまった。
ここにこの事件の秘密も隠されている。
このままだと逮捕状をとって拓郎君を調べることになる。
事件解明のためには避けられない。
そんなことになる前に君の口から本当のことを…。
水越君。
風間さん…妻の昌枝からの電話で息子の拓郎の部屋から覚せい剤を発見したと聞いたあのときのショックは…。
〜昌枝:あなた!この野郎!〜拓郎!!拓郎いつからだ?誰から買った?答えろ!!なんで…なんでこんなものに手出したりしたのかお父さん…ごめんなさい。
どうしたら…ねえお父さんどうしたら!?初めは覚せい剤だとは知らずに兄弟子の相原宏次郎から気分がスカッとすると誘われて…。
私に津軽三味線をやることを反対されていたそんなこともあってつい…。
息子には罪を償わせようとしました。
当然自分は警察官を辞めなければならない。
それもしかたのないことだと思いました。
拓郎はもう二度と…。
ねっねっ!だから今回だけは…。
あなたあなた!俺に見逃せっていうのか!母親の私にも責任が…。
あなたにだって!なに?父親としてどれほど立派だったんですか!仕事にかまけて子供のためにどれだけ!ねぇお願いだから今回だけは…。
それでも我が子に手錠を打つっていうんですか!我が子に手錠を打つのか…昌枝のあの言葉に心が揺れて…。
今まで仕事ひと筋で家庭を顧みなかったツケがそれも取り返しのつかないようなそのツケが…。
自分にも責任があるんじゃないか。
自問自答して心が揺れました…。
お父さん。
二度ともう絶対にやらない!拓郎。
今のその言葉証明してみろ!言葉なんかじゃ駄目だ。
お前のその体で証明してみせろ!いいなわかったな!その日から拓郎を部屋に閉じ込めました。
あいつの目の前に覚せい剤を置いて覚せい剤依存から立ち直る特効薬はない。
必要なのは立ち直ろうとする強い意志。
それを骨の髄からわからせるために…。
自分と昌枝も交代で立ち会って約束の10日間その試練を乗り越えることができました。
拓郎…。
もう絶対にやらない!お父さん!これで息子は立ち直れる。
そう思ったときあれはまるで悪魔のささやきでした。
錦織:水越さん。
息子のことは黙っててやるよ。
その代わりわかってるよな?簡単なことだよ。
情報を提供してくれりゃいい。
貴様!いいのか?あんたはクビ。
息子はブタ箱だよ警察官の息子が覚せい剤をやった。
連中はけっしてそれを見逃さない。
とことん利用しようとする。
まるで蛇ににらまれた蛙でしたよ。
だけど錦織の言いなりになって捜査情報を流したことは一度もない。
あの日錦織を追って…。
あのときほんの一瞬ためらってしまった。
(銃声)坂崎さんが撃たれてしまった。
あのときためらわずにあいつを撃っていればこんなことには…。
翌日息子の拓郎から電話があってなんと…あの錦織と一緒だと。
錦織が…。
あいつにとってどう安全に逃走するかが最大の目的だったんです。
そのために拓郎君を利用しようとしたんですね。
拓郎を使ってこの俺をおびき出す…。
この俺に対する復讐ですよ。
復讐…。
食品加工工場の摘発で末端価格にして約10億円もの覚せい剤を失った。
捜査情報を流さなかったこの俺を恨んであいつは怒り狂ってました。
自分は錦織の潜伏先の相原宏次郎のりんご園に向かいました。
あいつの要求は安全なところへの逃走を保証しろということでした。
君から確実な情報を取って安全に逃走をはかる。
錦織は狡猾に計算していたんだな。
自分はすべてを承服して錦織に安全なところへ逃がす約束をしました。
そのうえで…。
〜錦織の死体を運び出すところをあの男に…。
相原宏次郎ですね。
ちょうどライブを終えて戻ってきたところで見られてしまいました。
もう引き返せない…。
もう後戻りはできない。
(銃声)風間さん…。
自分がやりました。

(銃声)風間さんこれですべてが…。
バカなことを言うんじゃない!〜彼はなぜここで撃たなかったのか。
錦織をここに追い詰めた。
撃とうと思えば撃てたはずだ。
あのとき錦織を撃っていれば拓郎君の覚せい剤使用も錦織との関係も完全に断てる。
しかも状況から発砲は正当なものと判断される。
(浩美)でも水越さんは撃たなかった。
(浩美)一瞬ためらったと。
その一瞬のためらいは水越君の警察官としての良心だったに違いない。
その水越君がどうして錦織を殺害したのだ…。
なぜ相原宏次郎を撃ったのか。
《一瞬のためらいは警察官の良心。
それは間違いない。
それとは別になにかが…》風間さんこれですべてが…《これですべてが…すべてが…》相原宏次郎はこの木の下に腰を下ろした。
だが実際は立っていた。
(浩美)血痕がそれを証明してます。
なぜそんなずさんなことを…。
誰かをかばってる…?息子の拓郎君!
(浩美)署長!相原宏次郎殺害の事件当夜水越拓郎には確かなアリバイがあります。
金木町の津軽三味線会館で演奏をしてます!水越拓郎ではない?水越さんがかばっているのは…。
勝手に入りこんで申し訳ありません。
いや〜。
すごいお宅ですね。
なんか押しつぶされそうだ。
我々今ふたつの殺人事件を捜査しています。
錦織征勝と相原宏次郎。
二人の殺害を実行したのは…奥さんあなたですね。
一昨日ご主人は拳銃を発砲しました。
自分に向けて引き金を引いたんです。
死をもってすべての罪を償おうとしたんです。
主人は?命に別状はありません。
今弘前の病院にいます。
奥さん。
ご主人は死をもって警察に…。
署長さん!私なんです。
錦織のところへ出向いたのは主人ではなく私なんです…。
拓郎だけは巻き込みたくないと…必死でした…!でも…あの男の狙いは主人への復讐…!息子ばかりか…主人まで…!水越は?今こっちへ向かってると…。
主人をどうしようと…?奥さん!水越のおかげで俺がどれだけのもんを失ったかわかるか?主人は何も…!ふざけるなっ!!落とし前はきっちりつけてやる。
あぁ。
なに…心配するな。
逃げてみせる…。
その前にやることがひとつある…。
どうしてもケリをつけなきゃならねえデカがいるんだ!〜
(昌枝)あの男から電話がありました…。
ウチの息子を覚せい剤に誘って…そしてそれを山下組の錦織に…!どんなことをしてでもあの二人からご主人と息子さんを守りたかった…。
私の家族が…あの男のためにどれほど狂わされたか!宏次郎:しかし…ようやってくれた!実は俺も密かにアイツをやろうと思っていたんだ。
しかし錦織もてっぺい怒ってたな!アンタの亭主八つ裂きにするってな…。
内部情報ぐらいケチケチしねえでくれてやればよかったんだ。
ウチの拓郎を陥れて…!アンタがそうするように仕向けたんでしょ!?そったらこともあったっけなぁ…。
アンタの亭主によろしくな。
本部のやり手なら俺を守ってくれるぐらいのことはできんだろ?そんでねばアンタを刑務所に送ることになるよ…〜主人が死をもって罪を償おうとした…。
署長さんからそれを聞いたときこの胸がつぶれそうに…。
署長さん…主人は何ひとつ…。
罰を受けるのは…この私です!北畠くん。
昌枝…。
あなた…。
〜昌枝…昌枝!!
(サイレン)まさか…自分の妻が…。
息子から聞き出しました。
あの錦織から立佞武多の館に呼び出されたこと。
この俺を連れてくるよう昌枝に連絡したこと。
でも昌枝は俺には伝えず自分で出向いたこと…。
そして相原宏次郎からの電話で昌枝は志賀坊森林公園に向かったと…。
自分には昌枝が何を考えているのか手に取るようにわかりました。
なんでもっと早く気づかなかったのか…。
止めなければと車を飛ばしました…。
(銃声)昌枝…!〜硝煙反応をつけるためにもう一発発射して拳銃自殺工作を…。
君は母親として妻としてたぎる思いを抑えきれなかった奥さんの行為をそのまま自分のことに置きかえていたんだね。
風間さん。
妻をかばうために自分も罪を犯しました…。
自分も出頭します。
妻にどんな罰が下されようと妻の実家のりんご園で働いて待ちます。
息子の拓郎にも覚せい剤の罪を償わさせます!
(津軽三味線)子供の頃の思い出したくもないあの記憶…。
(津軽三味線)おふくろの命を縮めた門付けの忘れることの出来ない記憶…。
自分の息子だけには津軽三味線だけはやらせたくありませんでした。
それほどまで好きならば…なんでそれを…わかってあげられなかったのか。
なんで思う存分やらせてあげることができなかったのか…。
水越くん。
今のその思いを素直に君の口から拓郎くんに…。
〜拓郎…。
お前はまだ若い。
必ずやり直せる!それとお前のその津軽三味線もお父さんもう反対しないよ。
お父さん…僕が…こんな僕のせいで…。
何も言うな…。
拓郎。
母さんの帰り…一緒に待とう。
お父さん…。
(津軽三味線)《あの津軽三味線の響きは水越親子三代の歩んできた息づかいのような気がする。
きっと雄大な岩木山があの家族を見守ってくれるだろう…》
(津軽三味線)2015/03/27(金) 13:00〜15:00
テレビ大阪1
午後のサスペンス「さすらい署長風間昭平7 つがる弘前城殺人事件」[字]

現職刑事が被弾!堀に浮かんだ容疑者が握っていた秘密とは…!?

詳細情報
番組内容
全国各地を渡り歩くさすらい署長・風間昭平は、覚醒剤摘発の特命を帯びて青森の弘前北警察署に赴任。着任早々、密輸入現場の摘発に成功する。そんな中、密輸入を取り仕切る山下組幹部・錦織を追跡していた刑事・坂崎が錦織の銃弾を受け殉職する。数日後、逃亡中の錦織が弘前城のお堀から撲殺体で発見されて…。覚醒剤密輸入事件に隠された驚愕の真実が明らかになる!!
出演者
風間昭平…北大路欣也
北畠浩美…宮本真希
水越紀男…布施博
江坂了介…ケーシー高峰
紀加寿…寺田農
水越昌枝…一色彩子
外岡四郎…河原崎建三
山鼻俊平…鈴木正幸
坂崎民子…斉藤とも子
相原宏次郎…春田純一    ほか
原作脚本
【原作】中津文彦
【脚本】峯尾基三
監督・演出
【監督】関本郁夫

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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