「空き家を持っていると損をする」ウラで誕生する「中古住宅マフィア」に「リフォーム利権」

2015年03月19日(木) 伊藤 博敏
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また中古住宅の活用のための市場環境整備を図るため、「流通支援」「金融機関との連携」「流通市場の動向把握」「戸建賃貸市場の活性化」などを予算化した。

国交省役人の有力な天下り先

舵が切られ、新たな法律の枠組みのなかで中古を軸とした住宅事業を推進させる以上、新築市場とは別の族議員が誕生、それと業界が結びつき、仲介を果たす官僚OBなどが「中古住宅マフィア」を形成する。

また、中古住宅流通・リフォーム市場が20兆円に倍増するというのだから、これまでのリフォーム市場は業態を変えて発展、新たな「リフォーム利権」が誕生しよう。

政策の大転換に伴い、新たな利権構造が生まれるのは宿命である。また、利権を先取りしようという動きが、競争となって変化を促進する側面もある。

ただ、政治家や官僚が、新市場を“食い物”にする危険性があり、監視の目は必要だ。

例えば、中古住宅を購入する際、「瑕疵保険」というものがある。リフォーム時の検査と保証をセットにしたもので、国交省指定の住宅瑕疵担保責任法人が取り扱う。各法人は、今後、国交省OBの有力な天下り先となっていくだろう。

国交省担当記者が言う。

「制度や法律に強い政治家や官僚が、まず優位なポジションを得るのは避けられません。それが、今、中古住宅やリフォーム業界で起きていることです。その行き過ぎは正すべき。最初が肝心ですからね」

これまで、あまり知られていなかった「住の世界」で起きている変化に、目を凝らす必要がありそうだ。
 

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