所得税法違反容疑:株取引利益申告漏れ 投資家告発 大阪

毎日新聞 2015年03月25日 07時00分(最終更新 03月25日 11時52分)

 ◇大阪国税局が大阪地検に

 株取引で得た約30億円の利益を申告せずに脱税したとして、大阪国税局が大阪府門真市の水野新投資家(43)を所得税法違反の疑いで大阪地検に告発していたことが24日、分かった。「アベノミクス」による株価上昇の恩恵を受けて多額の売却益があったとみられる。約30億円の申告漏れは、大阪国税局が摘発した所得税法違反事件で過去2番目に多い。

 関係者によると、水野投資家は2012〜13年の2年間にインターネットを利用した株取引で約30億9000万円の所得があったにもかかわらず、故意に所得税の確定申告をせずに約2億1000万円を脱税した疑いがもたれている。無申告加算税を含めた追徴税額は約2億6000万円となる見込み。

 水野投資家は約15年前から個人で株の売買を始め、国内の上場銘柄を中心に年間約2万回の取引を繰り返していたという。水野投資家は「株の投資資金をできるだけ多く確保したかった」と話しているという。

 12年に8295円(最安値)だった日経平均株価は同年12月の第2次安倍内閣発足後、経済政策「アベノミクス」によって円安・株高が進み13年末には1万6000円台まで上昇した。国税庁によると、13年は全国で前年の3倍の約66万人が株の売買などで利益があった。【向畑泰司】

最新写真特集