無罪の男性:国が解決金450万円支払いで和解成立 大阪

毎日新聞 2015年03月27日 14時05分

 宅配ロッカーから郵便物を持ち去ったとして、業務上横領罪に問われ、無罪が確定したアルバイト郵便配達員の男性(27)が国などに約930万円の損害賠償を求めた訴訟が27日、大阪地裁(森木田邦裕裁判長)で和解が成立した。国が男性に解決金450万円を支払うとの内容。

 訴状によると、男性は2011年6月、大阪市内のマンションで、郵便物の車のルームミラーをいったん宅配ロッカーに入れ、すぐに持ち去ったとして逮捕、起訴された。

 検察側は当初、扉が閉じた直後に開けられたとするロッカーの時刻記録から男性が横領したと主張した。しかし、弁護人の指摘で補充捜査したところ、扉の閉め方が不十分だったため、開閉記録が正確でなかったことが判明。12年7月、検察側が異例の無罪論告をし、大阪地裁は即日無罪を言い渡した。

 男性は和解成立後、「主張が認められて満足している。検察には裏付けをきちんとし、二度と間違いを起こさないようにしてほしい」と話した。

 大阪地検の北川健太郎次席検事は「真摯(しんし)に受け止める」とのコメントを出した。【堀江拓哉】

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