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日中外相会談 対話継続確認も中国は歴史認識でけん制
3月21日 21時37分

日中外相会談 対話継続確認も中国は歴史認識でけん制
岸田外務大臣は、訪問先の韓国で中国の王毅外相と会談し、両国間の対話を継続していくことを確認しました。一方、王毅外相が、安倍総理大臣が戦後70年のことし「総理大臣談話」を発表することを念頭に、「日本がどのように歴史に向き合うか注目している」と指摘したのに対し、岸田大臣は「安倍総理大臣は、歴史認識について、歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると何度も説明している」と述べました。
岸田外務大臣は、日本と中国、韓国の3か国の外相会議に先立って、21日午後、中国の王毅外相とおよそ1時間、会談しました。
この中で、岸田大臣は「去年11月の日中首脳会談以降、日中関係が改善の方向に向かっていることを評価しており、関係改善の流れを定着させたい」と述べました。これに対し王毅外相は、日中両政府が去年11月、両国の関係改善に向けて戦略的互恵関係を発展させていくことなど4つの点で意見の一致を見たとする合意文書を発表したことに触れ、「両国の関係が本当の意味で全面的にしかも正常に発展していけるかどうかは、双方が4項目の共通認識を順守できるかどうかにかかっている」と述べました。
会談では、岸田大臣が政治だけでなく文化や経済などの分野での交流をさらに深めていきたいという考えを示し、両外相は両国間の対話を継続していくことを確認しました。
一方、王毅外相は「ことしは第2次世界大戦が終わって70年であり、日中双方にとって重要かつ敏感な年だ。世界が歴史に注目するのは必然であり、日本がどのように歴史に向きあうか注目している」と指摘し、安倍総理大臣が戦後70年のことし「総理大臣談話」を発表することを念頭に、日本側の対応をけん制しました。これに対し、岸田大臣は「安倍総理大臣は、歴史認識について歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると何度も説明している」と述べました。
また岸田大臣は、沖縄県の尖閣諸島周辺での中国公船による領海侵入を念頭に、「東シナ海では関係改善の機運に反する動きが出ている」と述べ、懸念を表明したうえで、空と海での偶発的な衝突を避けるための「連絡メカニズム」を早期に運用できるよう作業を急ぐことを提案したのに対し、王毅外相もこれに応じる考えを示しました。
会談のあと、岸田大臣は記者団に対し、「王毅外相との会談は今回で4回目となるが、きょうも時間をかけてじっくりと話をした。こうした対話を通じて、少しずつ信頼関係もできつつあるのではないかと思っており、引き続き対話を重ねていきたい」と述べました。

中国外相「歴史問題避けられない」

岸田外務大臣との会談のあと、中国の王毅外相はNHKなどの取材に応じ、日中関係について「歴史問題は避けられない。これは双方が必ず改善しなければならない問題だ」と会談のなかで歴史認識の問題などを取り上げたことを強調しました。
そのうえで王毅外相は、今後の日中両国間の対話について「日本がずっと首脳会談を希望していることは知っている。しかし、タイムテーブルはまだない。必要条件を満たす必要がある。それは、歴史を直視し、未来を切り開くこと。この一点だ」と述べ、中国としては今の段階で日中両国の首脳会談を行うことに慎重な立場を示しました。
一方、今回、岸田外務大臣と王毅外相との会談では、中国が設立を提唱するアジアインフラ投資銀行について取り上げられなかったということです。
ただ、王毅外相はアジアインフラ投資銀行について「日本側はあまり積極的でない」と述べたものの、「われわれは隣国で、これはアジアの投資銀行でもあり、日本はアジアの重要なメンバーだ。われわれは一緒に協力できるだろう」と述べ、中国として日本の参加を歓迎する考えを改めて示しました。

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