独旅客機:日本国内に「操縦室に2人常駐ルール」なし

毎日新聞 2015年03月27日 11時04分(最終更新 03月27日 11時13分)

 フランス南部で起きた独ジャーマンウイングス機墜落で、ドイツ人の副操縦士が機長を操縦室から閉め出した後、降下ボタンを押し、意図的に墜落させた、ことが26日、仏検察当局から明らかにされたが、日本の国土交通省航空局によると、国内には操縦室に2人が常駐するよう定めたルールなどはなく、トイレなどで1人が外に出た場合、一時的に1人態勢となっている。同局担当者は「事故の正式な調査結果が出た段階で、今後の対策などについて協議したい」と話す。

 航空各社は2001年の米同時多発テロで旅客機の操縦室に犯人が侵入したことを踏まえ、強化型ドア導入を進めた。ある国内大手航空会社の現役機長は「イスラム過激思想に共鳴した操縦士がテロを行う危険性は指摘されてきたが、今回の墜落で強化型ドアが万能では無いことが改めて分かった」と衝撃を隠せない。機長によると、同時多発テロ直後から強化型ドア設置までの数カ月間は、外部からの侵入者対策として、操縦士が外に出た際は客室乗務員が操縦室に入って2人態勢を守る措置を社内で行っていたという。【佐藤賢二郎】

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