今から15年ほど前に、マイナー・インターナショナル(ティッカーシンボル:タイMINTn)のウイリアム・ハイネッケ会長に初めて会った時は、余り良い印象はありませんでした。
(なんだ、バックパッカーにいちゃんが、そのままタイに居付いてホテル始めちゃったぁ…みたいなノリだな)
しかし、あの時にこの経営者に投資していれば……と今になって悔やまれます(笑)
マイナー・インターナショナルという会社は、東南アジアのビーチ・リゾートを訪れて、それらに魅せられた外人観光客が、そのガイジン目線から見て楽しめるリゾートなり娯楽施設、そういったものだけに特化したビジネスを展開している企業です。あとバケーション・レンタルやレストランなども経営しています。
Market Hackではこれまでにスターウッドなどの欧米のホテル・ブランドに言及してきましたが、それらはいずれもニューヨークや東京などの大都市にも展開する、グローバル・チェーンであり、その顧客ターゲットは、観光客も含むけれど、ビジネス・トラベラーが大事なお客様であることが多いです。
これに対して、マイナー・インターナショナルは、ビジネス・トラベラーは相手にしません。あくまでもビーチ・リゾートやサファリなど、バカンスが主です。
いま中国をはじめ新興アジア諸国のニュー・リッチ層が、どんどん世界を旅するようになって、彼らはもちろん東京にも来ているけれど、東南アジアのビーチ・リゾートも席巻しています。
マイナー・インターナショナルは、タイのバンコク、コサムイ、チェンマイ、モルディブ、スリランカ、ドバイ、モザンビーク、オーストラリアなどでホテルを展開しています。
同社のブランドは、アバニ、アナンタラ、チボリ、オークス、セントレジス、フォーシーズンズなどになります。
2009年にはわずか30ホテルだけだったのが、現在は120に増えています。
同社はタイの上場旅行関連銘柄で最大の利益額を誇っています。また、同セクターでは、唯一、去年、前年比でプラスを出した企業でもあります。これはタイが去年夏にクーデターを経験し、観光客の客足が落ち込んだことを考えると、とても立派だと思います。
タイ以外のアジア、中東などにも展開していたので、タイの政情不安からくる観光客の減少を補ったというわけです。
現在、クーデターで落ち込んだ客足は戻っています。
同社は全部で32か国で展開しています。
下は同社の売上高のグラフです。現在売上高の41%が自社所有ホテルから上がっています。
売上高に占めるタイ比率は52%です。
去年はクーデターで客室稼働率が低下しました。
下はRevPAR(客室単価を稼働率で掛け算したもの)です。
下は純利益の推移です。
下は純利益マージンです。
株主資本利益率は立派です。
一株当たりの業績は下のようになっています。
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