【プロ野球】太田幸司氏、今季ペナント争いを大胆予想

　【セ・リーグ】

　上位３チームに阪神、広島、巨人を挙げる。阪神はメッセンジャー、能見、藤浪、岩田の先発４本柱に安定感があり、５番手以降も岩本、岩崎、岩貞にめどが立った。安藤、松田、石崎の中継ぎ陣が呉昇桓にどうつなげるか。

　打線は鳥谷、上本の１、２番の出塁率が高いことから、３番西岡がカギを握る。ゴメスは厳しいマークが予想されるが、実績のあるマートン、福留が期待できる。

　広島は黒田の復帰で前田、大瀬良、野村、新外国人ジョンソンの先発陣が充実。チームを勢いづける〝黒田効果〟もありそうだ。ただヒース、一岡、中田、中崎ら救援陣の層は薄い。攻撃も昨季、チームを牽引（けんいん）したエルドレッドを故障で欠くのは気がかり。

　主力が故障を抱える巨人は苦戦しそうだ。一塁に転向した４番阿部にはシーズンを通しての活躍は期待できない。内海が開幕に間に合わない先発陣も杉内に衰えが目立ち、信頼できるのは菅野だけ。抑えの沢村も未知数で、Ｂクラスもあり得る。

　「台風の目」はＤｅＮＡ。筒香を中心とした梶谷、ロペスの中軸は得点力がある。先発陣は昨季ともに２桁勝利の久保、井納が順調で、救援陣も経験豊富な岡島が加入。初のクライマックスシリーズ進出も狙える。

　先発陣に成瀬が加わったヤクルト、和田、岩瀬らベテランと若手の世代交代の過渡期を迎えている中日が、どこまで上位に食い込めるか。

　【パ・リーグ】

　総合力で上回っているソフトバンクが優勝候補の筆頭。先発陣は摂津、中田、スタンリッジ、大隣と豊富。松坂の勝ち星を計算しなくてもいいほどの余裕がある。抑えのサファテも好調な投手陣は、オープン戦で１２球団トップのチーム防御率（１・８４）をマークした。

　打線は内川、李大浩、柳田、松田、故障から復帰した長谷川が並び、機動力も生かせる。工藤監督のもと「攻め」「受け」両方の試合運びができるのが強みだ。

　対抗馬は大型補強したオリックス。糸井、ブランコ、中島にＴ−岡田、小谷野が続く打線は破壊力があり、圧勝する試合が増えそうだ。先発陣は金子が右肘手術した影響で、開幕ローテーションはディクソン、バリントン、新人山崎福が予想される。昨季、４０セーブの平野佳は健在だが、比嘉、岸田ら中継ぎ陣に不安がある。１点を重視するベンチワークがポイントになる。

　この２強を追うのは日本ハムだろう。得点源の中田は順調に仕上がっており、初の開幕投手を任される大谷が１５勝挙げれば、Ａクラス入りできる。

　西武は岸が左脇腹の違和感で開幕マウンドに上がれず、菊池の出遅れも誤算。ロッテは成瀬が抜けた穴を涌井らがどう埋めるか。楽天は故障離脱のミコライオに代わる抑えの松井裕に不安が残る。（毎日放送解説者）