香川県立高校の男性教諭(59)から繰り返しわいせつ行為を受けた元教え子の女性=当時(22)=が自殺に追い込まれたとして、高松市の両親が香川県と教諭に計4000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、高松地裁は25日、教諭に750万円の支払いを命じた。
福田修久裁判長は判決理由で「女性が自殺を考えた原因は教諭のわいせつ行為であると推認される」と指摘。県への請求は、公務中の行為ではないとして認めなかった。
判決によると、女性は京都市の大学3年生だった2006年夏、卒業論文作成で高校生の意識調査が必要となったことから、教諭の協力を得ようと県立高を何度か訪れたが、教諭に体を触られ、裸の写真を撮られるなどした。
女性は大学院進学後の08年4月に教諭を刑事告訴したが、5月に教諭が女性に解決金250万円を支払う内容で示談が成立したため、告訴を取り下げた。
県教委は教諭を訓告の処分にしたが、女性はその後心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、同10月に京都市のマンションから飛び降り自殺した。(共同)