きょうの健康 高血圧 よく知って治そう「ほかの病気とどう関係?」 2015.03.26


(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお伝え致します。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日は4日目です。
テーマは…高血圧はさまざまな病気につながるんでしたよね。
そうですね。
ちょっとこちらで見ていきましょう。
高血圧ここにあるようなさまざまな病気に影響します。
特に脳卒中や心筋梗塞には注意が必要です。
今日はこうした病気と高血圧との関係また対策についてお伝えしていきます。
ではお話しして頂く専門家をご紹介致します。
お迎えしましたのは…循環器内科医で日本高血圧学会が2014年に改訂した高血圧治療ガイドラインの作成委員長をお務めになりました。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
さてまず初めに高血圧でほかの病気になる危険性がどれほど高まるのか。
そこのところもう一度押さえて頂けますか?復習してみたいと思いますけども高血圧で正常血圧でも低めの方に比べると140/90を超えると3倍脳卒中や心筋梗塞になりやすい。
160/100以上になりますと5倍ですね。
180/110以上になりますと9倍と。
血圧が上がるとどんどんまっすぐこういった心臓血管系の病気が増えていくという事が分かっております。
高いほど怖いという事ですよね。
それではまず高血圧と脳卒中の関係から見ていきましょうね。
ではまず脳卒中についてこちらでご覧下さい。
脳卒中というのは脳の血管が詰まったり破れて出血したりする病気で多くは突然急に起こるんです。
体のまひや言語障害などの後遺症が残ったり死に至る事もあります。
これは高血圧などによって脳の血管で動脈硬化が進む事が主な原因です。
脳卒中を起こす方というのはやはり依然として多いんでしょうね?多いですね。
今日本では約12万人の方が年間死亡しております。
当然発症される方はもっと多いという事になりますね。
そして脳卒中これ動脈硬化性の疾患なんですけど脳卒中と心筋梗塞違いがありまして脳卒中の方は非常に日本で頻度が高いんですね。
大体心筋梗塞の4倍いるといわれてます。
一方欧米では逆なんですね。
心筋梗塞が脳卒中の4倍多い。
こういった病気の頻度が全然違うという事も日本の大きな特徴になっております。
先ほど久田さんも触れましたが高血圧は脳卒中に大きく影響するんだという事なんですね。
はい。
動脈硬化の病気これは血圧だけでなくて脂肪糖尿いろいろ関係してきますよね。
しかし脳卒中は高血圧がその原因のほとんどを占めている。
非常に高血圧によって起きやすい病気であるという事は間違いありません。
そして実はこの50年間で血圧が日本で下がってきてるんですね。
これは多分塩分が減ってる事高血圧の治療が進んでいる事だと思うんですけど高血圧が減って実は脳卒中の頻度が減ってきてるんです。
いかに血圧を管理する事が脳卒中を減らす事に密接に関係しているか重要であるかという事を示していると思います。
でも既に脳卒中を起こしてしまったという方もいらっしゃいますけれどもこういった場合高血圧の治療というのはどうなっていくんでしょうか。
脳卒中の原因に高血圧が密接に関係しておりますから問題になるのは再発なんですよね。
これ血圧が高ければ当然ですが再発が多くなります。
再発防止のためにも血圧を140/90未満にしっかり管理する。
これが極めて重要です。
それから更に高血圧と密接に関係して影響を受けやすいくも膜下出血とか脳出血あるいは血管の脳の中の細い血管ラクナ梗塞という脳梗塞では血圧の影響を受けやすいですからこの場合130/80未満というより低い血圧を下げていく目標を立てていくという事になっております。
血圧を下げていくにあたってほかに注意すべき点はありますか?これは最近多いんですけども血液を固まらせないような薬をのんでいる方が増えてきてるんですね。
これが…こういったものは実は脳梗塞の患者さんで再発防止のためにのんでいるんです。
こういう方たちで一番怖い合併症は実は血が固まりにくいですから脳出血なんですね。
脳出血を起こすと結構大変な病態になってきます。
こういう方も出血予防のためにこういう抗血栓薬をのんでいる方は130/80未満というより低い降圧目標を設定しております。
それから実は狭心症とかあるいは不整脈の方脳卒中がなくてもこの抗凝固薬や抗血栓薬をのんでいる人がいるんですね。
こういう方たちも当然脳出血を起こしやすいですからこういう方たちも130/80未満という低い降圧目標を目指して頂くという事で治療をすすめております。
続いて心筋梗塞との関係を見ましょうか。
心筋梗塞についてこちらで見ていきましょう。
心筋梗塞は心臓を取り巻く冠動脈という血管に動脈硬化が起こり詰まってしまうという事なんです。
詰まってしまいますとその先の筋肉に血液を送る事ができなくなって心臓の動きが障害され突然死のおそれもあります。
また狭心症というのは冠動脈が完全に詰まるのではなく狭くなって血液の流れが悪くなる細くなるという事なんですね。
こちらもやはり動脈硬化などで起こってきます。
狭心症心筋梗塞と高血圧との関係ですね。
これはどういう影響ですか?先ほど申し上げましたけども脳卒中は血圧と極めて密接な関係があるんですね。
それに対して心筋梗塞動脈硬化性の疾患でこの場合血圧だけでなくて糖尿病。
脂質異常症特に悪玉コレステロールですけど。
そしてたばこ。
これらがほぼ均等に関与する事が分かっております。
ですから心筋梗塞予防するためにはまず血圧の管理とともにほかの危険因子も併せて管理をしていく。
これが狭心症心筋梗塞を予防する上で極めて重要という事になる訳です。
もう心筋梗塞を起こした事がある方は血圧目標はどうなりましょう?これも脳卒中と同じで再発防止が一番重要なんですよね。
ですから血圧を140/90未満にしっかり管理をする。
これが極めて重要です。
それからもし可能ならやはり再発防止のために130/80前後ないしは130/80未満を目指して頂きたいと思います。
血圧を下げる事でそもそもこうした病気になるリスクというのはどのくらい下がるんですか?…という事が統計的に分かっております。
このような血圧の管理で脳卒中が減るあるいは心筋梗塞狭心症が減るという事でこれは日本の寿命が延びてきてる事にも関与しているものと考えられています。
では高血圧の人が特に気を付けたい病気ほかにありますか?はい。
これは腎臓病ですね。
特に慢性腎臓病。
これは極めて重要な病気です。
まず腎臓が悪くなりますと当然腎臓から血液を水ナトリウムを出す事ができなくなりますから血液の量が増えてきます。
それによって血管がパンパンになって血圧が上がってまいります。
これで重要なのは腎臓病があると日中十分に血液やナトリウムを出せなくなっちゃうんですよね。
そうすると夜血圧を高くして夜尿を増やしてナトリウム血液量を減らそうとするんです。
そうすると下がるべき時に血圧下がってませんからこれは脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくなってしまうんです。
その一方で実は腎臓は細い血管太い血管の塊なんです。
血圧が高くなると動脈硬化を起こしてこれは慢性腎臓病という腎硬化症というこういった病気の原因になってまいります。
高血圧は腎臓を悪くする。
腎臓は高血圧を起こす。
このように両者が悪循環を作ってどんどん病態を悪くしていってるという事がいえます。
特にこういったものを合併した場合には血圧の管理が極めて重要になります。
その悪循環行き着く先はどういう事になりましょう?行き着く先は腎不全ですよね。
これは透析をせざるをえなくなるという事になります。
それからこういった慢性腎臓病ではそのほか脳卒中や心筋梗塞が起きやすいという事も分かってますから特に慢性腎臓病合併の高血圧はそういった心臓血管系の病気を予防するためにも血圧の管理しっかりしなければいけないと思います。
では既に腎臓病のある方の降圧目標というとやはり厳しくなりますか?そうですね。
これ最近変わったんですけどもたんぱく尿のある方では降圧目標は130/80と低めにするという事になっております。
これはもうたんぱく尿が出ているという事は既に腎臓が障害されてるという事なんですよね。
ですから将来腎不全に腎機能が悪くなっていきやすい。
だから血圧をしっかり下げて腎不全を防止しようという事でこのように低い目標が立っています。
それから日本では脳卒中多いですからCKDこういった慢性腎臓病では脳卒中も多いので脳卒中の予防という意味でも低めの血圧が設定されているという事です。
ではもう一つ高血圧と関係の深い病気糖尿病についても見ていきましょう。
こちらです。
糖尿病は血糖値すなわち血液中のブドウ糖の濃度が異常に高くなる病気です。
治療しないと目や腎臓全身の神経に障害が現れる事があります。
糖尿病は高血圧とどういう関係になりますか?密接な関係があるんですね。
糖尿病の方は実はそうでない方よりも高血圧が2倍多いんです。
ほう。
一方高血圧の方はそうでない方よりも糖尿になる割合が2倍高いんです。
両者は密接な関係があります。
その原因としてこのようなメタボですね内臓脂肪型の肥満があるとこれが糖尿も起こすし高血圧も起こす。
このような共通の誘因があるために両者の密接な関係があるといわれております。
糖尿病も高血圧も動脈硬化の強い危険因子ですよね。
両者が合併すれば脳卒中心筋梗塞になりやすいですから血圧の厳格な管理が必要になってまいります。
糖尿病のある方の降圧目標はどうでしょう?これは非常にリスクが高いという事ですぐに薬をのんで血圧の管理に入ります。
降圧目標も130/80と非常に低くしております。
これも糖尿のある高血圧では脳卒中に非常になりやすいんです。
この場合しっかり血圧を下げると脳卒中の予防ができるという事も分かってますのでこのような厳しい目標を設定しております。
さまざまな病気と高血圧の関係を今教えて頂きましたがほかに関係のある病気はありますか?最近注目されているのが睡眠時無呼吸症候群ですね。
これは夜寝ている時に呼吸が止まるんです。
そのためにいろいろな病態が出てくる。
例えば夜熟睡できてませんから日中眠いんですよね。
よく交通事故を起こす原因にもなるといわれております。
朝起きた時に頭痛がする。
日中とにかく体がだるい。
こういった病気でこれはいびきをかいていてそして呼吸が途中で止まるというような事で気が付く事が多いですね。
これは高血圧とどう関係しているんですか?夜呼吸が止まりますから当然酸素不足になりますよね。
そうすると血圧を上げて血液を全身に送ろうとする。
つまり交感神経緊張して無呼吸になったために血圧を上げるという機序が出てくる訳です。
夜間本来血圧が低いはずですからこれが高いのが続くという事は大変危険なんです。
脳卒中にも心筋梗塞にもなりやすいですし何と言っても突然死を起こす事があるんですね。
非常に怖いですね。
ではこれは早く気付かなければいけませんね。
そうですね。
やはり一緒に寝ている方…本人気が付きませんからいびきをかいているあるいはいびきが途中で止まる。
こういった事で気が付く。
あるいは日中眠気があるとかぼんやりしてるとかなかなか体がだるい。
こういった症状がある時にはこういった病気を疑ってやはり病院に行って一度診てもらうとよろしいと思います。
さあ高血圧が多くの病気に絡んでいる事今日はいろいろ教えて頂きましたが4日間高血圧について教えて頂きました。
まとめお願いします。
高血圧は日本で4,300万人という一番多い生活習慣病なんですね。
早く治療すればいろいろな合併症は予防ができます。
この点をよく理解して頂きたい。
薬も今いい薬がたくさんありますからしっかり血圧を管理して将来の病気に備えて頂く。
それから家庭血圧が大事だという事は何回も強調してまいりました。
家庭血圧をしっかり測り自分で血圧を管理する。
生活習慣の改善をしっかり取り組んで頂きたいと思います。
どうも4日間ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/03/26(木) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 高血圧 よく知って治そう「ほかの病気とどう関係?」[解][字]

脳卒中は高血圧が最大の原因。心筋梗塞にも高血圧が糖尿病や脂質異常症と並ぶリスクに。尿たんぱく陽性の慢性腎臓病や糖尿病の場合、130/80mmHg未満が目標に。

詳細情報
番組内容
年間約12万人が死亡する脳卒中は高血圧が最大の原因。脳卒中をすでに起こした場合は血圧をより厳しく管理。不整脈や狭心症でワルファリンやアスピリンを服用する場合も副作用で脳出血を起こしやすいため同じく厳しく管理。心筋梗塞・狭心症にも高血圧は糖尿病や脂質異常症と並ぶリスク。慢性腎臓病と高血圧は互いを悪化させるため、尿たんぱく陽性なら血圧は130/80mmHg未満が目標。糖尿病の場合も130/80未満を。
出演者
【講師】札幌医科大学学長…島本和明,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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