新日本風土記スペシャル「さくら 十の物語」 2015.03.27


風の中に土の匂いにもう一度日本を見つける。
私を見つける。
人々が目指すのは山の奥深くに立つ一本の桜。
地元でも忘れ去られていた伝説の「虎尾桜」。
樹齢600年。
昔山遊びをした村の仲間たちが子供の頃の記憶を頼りに何年もかけて探し当てました。
見つけるのがあと10年早かったらねよかったんやけど。
今にも崩れ落ちそうな老木を何とか支えています。
なんか呼びかけたんでしょう。
悲鳴上げとったんでしょうね。
誰もが持っている自分だけの桜。
人の数だけ桜の物語があります。
小高い山の上から村の人たちの暮らしぶりをずっと見守ってきた一本桜。
あでやかさを競うのは京都の花見。
東北の遅い春を祝う男たち。
私の桜の短い命。
桜を愛し桜に人生を重ねる。
日本列島で繰り返されてきた春の物語です。

(テーマ音楽)高知県の山あい。
道路に「桜」の文字。
目指す桜は山の上。
室町時代からあるといわれるエドヒガン。
「ひょうたん桜」と呼ばれています。
もう子供の折からね自分らは手を合わせよるんです。
この集落を見守ってくれるような気持ちで氏神様とねひょうたん桜が守ってくれるような気持ちで今でも一緒です。
つぼみの形はひょうたんそっくり。
この桜を愛するあまり集落の人たちは地区の名前を「桜」に変えてしまいました。
花が咲く2週間前春を迎える準備が始まります。
今ではお年寄りばかり20戸余りの桜地区。
この日ばかりは村人総出で力を合わせます。
よっ!さあ来い。
せ〜の…おっ!入った!束ねたわらで作るのは桜に巻くしめ縄。
ひょうたん桜への感謝と敬意が込められています。
若い人がいないので隣村から応援を呼んでの掛け替えです。
これは上あがるのか。
これはよう出来たで。
これは最高が出来たで。
これは最高今までやっても。
あとは花が咲くのを待つばかり。
ひょうたん桜より更に高い山の奥。
春を迎える支度はここでも。
「石休場」と呼ばれる大きな岩がそびえます。
岩の根元の小さな祠には冬から目覚めた山の神。
山神様桜を散らす春の嵐を起こさぬようお鎮まり下さい。
集落に通じる峠道では神様に村を守ってくれるようお願いする春祈祷が行われます。
あそこの辺ほら雑木が芽吹いちゅうでしょ。
ちょっと赤っぽいのとか緑とか。
だんだんだんだんそれが上あがってくるんですよ。
麓の春が山の上に届く頃桜地区では…。
ひょうたん桜に一日の始まりのご挨拶。
(金尾)地区のもんもこの桜を見守りこれから生活していきますと言うて言葉をかけさせてもらったんですけんどねほんとただ桜の木とは思えんです。
敬われ愛され満ち足りて咲き誇るひょうたん桜です。
(鐘の音)大分県竹田の山あい。
ここに人と人の縁を結んできたしだれ桜があります。
毎朝6時家の裏山にある桜の掃除が清水さんの日課です。
桜は近所の人が太平洋戦争で亡くなった二人の息子のために植えたもの。
清水家に頼んで敷地の中にお墓も建てました。
「墓守桜」と呼ばれます。
(清水)ほんとは植えられた方の気持ちとしては寂しかったと思うんですよね。
子供が亡くなって。
でも今はなんか…なんて言うんですかね寂しい事ではなくてなんかこう晴れ晴れとした気持ちになるような桜になってますからね。
でもたくさんの人にこれを見て頂ければ亡くなった方も喜んでるんじゃないかと思いますけどね。
いつの頃からかこの桜を見に遠くからも人が来るようになりました。
清水家に一声かければ誰でも花見客に。
お邪魔します。
おはようございます。
桜が咲くと清水家は朝から接待の準備で大忙し。
どうぞお茶おあがり下さい。
どうぞお茶あがって下さい。
近所の人たちも一緒になっておもてなしします。
ありがとうございます。
みんなで持ち寄った手作りの品々。
もちろんお代は頂きません。
なんでこんなのあるんだろ?ハハッどうしてかな。
一番人気のお茶うけはユズの甘露煮です。
もう秋からこのために準備して皆さんそれぞれ家庭で作って冷凍して保存してくれてて。
これやっぱり作った人が違うのが分かります。
はい。
これ私用です。
皆さんと知り合えるちゅうのが一番いいですかね。
これも…こう書いてもらうんですけどねやっぱ出会いがね一番あれですから「桜との出会い」って書いて…。
あっどうも。
3年前に来まして毎年来ようと思いながら今年になってしまったんですけど。
それはようこそ。
今年も見せて頂きます。
これお茶菓子。
もうそんな…。
前来ました時大変ごちそうになってねこんな花見できるのは言う事ないなと思ったもんですから。
清水家の桜のノートに今年も新しい言葉が。
「あ一句浮かびました」って言ったから「書いて下さい」って言ったら書いてもらった。
ユズの香りな。
桜がなかったらこんなに縁ができないよな。
桜のおかげやから大事にせんと。
我が子を思う親心が咲かせた墓守桜。
今は人を結ぶ縁の桜です。
徳島県にある2,000本の桜山。
一人の男が誰の手も借りず40年かけて増やし育ててきました。
山のあちこちにある手作りの看板。
桜を植えた人の名前が書かれていました。
それはこの人村田芳久さん。
村田芳久村田芳久いうてずっと書いてある。
どんな人間ですかってこんな人間です。
どうぞ見て下さい。
(村田)日本一の桜街道とかって。
ハハハッ。
これずうっと桜。
これが見事なんじゃよ。
30キロにわたる桜並木。
村田さんが桜を植えたのは子供の頃の思い出から。
「私たちはこの村を離れ太平洋戦争私はビルマ戦線隣にある誰それはフィリピン戦線そういう具合に行って参りますので後をよろしくお願いいたします」。
言いよったら涙が出てくる。
ハハッ。
村の人はここで全部見送るん。
そういう時代があったん昭和18年19年20年。
3年間。
村田さんが子供の頃この辺りには山桜がたくさん咲いていました。
ここにようけあるわ。
あれしようか。
しかし戦後山桜はなぜか花をつけなくなります。
桜を増やし山を元の姿に戻したい。
村田さんは山桜を見つけるとどこまでも登っていって若い桜を接ぎ木しました。
それまで桜の育て方や接ぎ木のしかたを教わった事はなく全てが手探りでした。
多分いけると思うわ。
みんな見てくれよるけん。
ハハッこらボコボコじゃ。
村田さんの仕事は旅館業。
でも家族に全部任せきり。
8年前妻に先立たれてからは娘のひとみさんが切り盛りしています。
妻明子さんは1つ下の幼なじみ。
これが家内じゃ私の。
来た時に店の前で写したん。
当時旅館は傾いていましたが明子さんが仕出し屋を始め持ち直しました。
そんな明子さんに村田さんが贈ったものがあります。
それは旅館の前にある桜。
結婚した年に植えました。
こないになってしもうてなもういつまでかっていうやつやな。
ほんでも一生懸命咲いとるな。
こんなボロボロでも一生懸命咲くという事は見習わないかんな。
(取材者)やっぱり奥さんの木なんですね。
そう思うな。
ボロボロでも一生懸命咲いとる。
不思議やろ生きとるもんって。
桜にこれほどのめり込めたのも家族のおかげ。
明子さんの木の下で今日も桜の事ばかり。
桜は咲いているのが好き?散り始めが好き?そんな会話を千年楽しんできた国です。
千年の都京都に訪れた桜の季節。
江戸末期から8代続く商家山内家。
妻早苗さんは明日友人を招いて桜の宴を開きます。
私ピンクが好きなのでそれでもちょっと趣のあるあんまり軽い感じの色は嫌やなと思ってちょっと大胆なね。
ちょっと中ご挨拶さして頂きます。
お祝い事に欠かせない門幕。
日常の中に結界を張る京都の習わしです。
ありがとうございました。
きれいに張って頂いて。
絢爛豪華な京都の花見。
古くは豊臣秀吉が晩年開いた醍醐寺の宴が知られています。
今も続く贅を凝らした花の宴。
その準備が始まります。
真ん中開けましょか?門を。
毎度ありがとうございます。
こちらからで結構でございます。
食事は料理人の出仕事。
弁当ではなくその場で作るのが人をもてなす時の京都の伝統。
お道具からやね。
道具から。
川端康成や北大路魯山人も愛した割烹の3代目森川裕之さん。
持参の器は桜にちなんだもの。
まずこのメインのねメインのお焼きもんをちょうど桜ですので。
そうやねぇ。
これがメインのね桜のね河井寛次郎先生の桜のこれに焼きもんを。
これ桜の木ですねん。
すごいですね森川君。
早苗さんピンクお好きという事で。
(山内)ありがとうございます。
これで河井寛次郎先生3つメインで。
(山内)そろいましたね。
(山内)いやぁ素敵やわ…。
(森川)なかなか立派でございましょ。
なかなかピンクの器ってございませんねん和食でね。
でも河井寛次郎先生の「辰砂」という釉薬がちょうど桜色ですので。
こういう器はね年に一回桜の時しか使いませんのでね。
ですからほんまにちょうどピタッと合うとこういうご趣向ができますけどね。
(山内)楽しみやね。
会場は25畳の大広間。
お軸をね先生一緒に選んでもらおうと思うて。
今回は女性だけの桜の宴。
数ある掛け軸の中から選んだのは…。
お花見の図これ。
それ桜の図やったろか。
ちょっと開けてみな…。
あこれこれ。
これやったら女の人の集まりやしね。
これはええやん。
ねえ。
自分に重ねてみましたん。
こんなね女子会にぴったりな絵はあらへん。
私も思うた。
女子会にぴったりやなと思うて。
こんな女子会もあらへんけどね。
フフフッ。
うっすらと月夜に浮かぶ夜桜の下短くなったロウソクの芯を切る女。
美人画の巨匠鏑木清方の名品です。
そっちも直しましょ。
はい。
お客様の一人は老舗の和菓子屋さん。
招かれる側も桜にちなんだ手土産を。
ご用意できました。
(山口)白とピンクの2段になってる方がいいのか新緑も少し出てきてるのでグリーンを入れた方がいいのかなっていう。
どちらがいいのかなと思って迷ってます。
お客様には洋菓子店の奥様も。
ちょっと早苗ちゃんらしく2色のピンクになったのでよかったです。
向こうは少しかわいらしい早苗ちゃんでこっちはちゃめっ気のある早苗ちゃんのピンクになれば。
早苗ちゃんのつけているピンクの色にはしたつもりですけど。
元禄時代から続くこのお店ではお召し物を思案中。
ちょうど桜がきれいですのでね桜の柄が入った帯と着物。
やっぱり黒地でしたら…。
金の桜の帯がきれいかなと思いますし。
これぐらいの着物にはこの黒いのがちょうど色が合うかなと思いますし。
この辺りにこの黒い帯で。
一年中着られるわけじゃないですしね。
そういった意味では時期のものっていうのは中でも贅沢になりますかね。
これ普通よりちょっと長いお串です。
合間ができてこんな。
お口でこのまま召し上がらしまへん。
おべべやから。
ですからこう取らはりますな。
そん時取りやすいようにちょっと間が開いてますんです。
ようこそ。
こんにちは。
ありがとうございます。
今日はありがとうございます。
今日はありがとうございます。
ようこそ。
お邪魔します。
どうぞ。
まだちょっとなあ名残やけど。
これきれいやね。
かわいらしいね。
彩が生まれた時。
あっそう。
そうやねん。
13年でこんなに。
なるなる。
なるなぁ。
すぐ散るけどそれだけにやっぱりきれいやなぁ。
どうぞおあがり下さい。
ありがとうございます。
玄関ではこの日のための掛け軸がお出迎え。
お軸は?軸はねこれね一休さん。
(一同)え〜?一休さんが春が来たんがうれしいって言うてはるお軸で今日来て頂けてという気持ちとみんなと楽しくさせて頂くって気持ちを重ねてこのお軸にさせて頂きました。
素敵やね。
ありがとうございます。
まぁかわいらしい。
うわぁすごいすごい!森川君がいろいろ桜にちなんだように書いてきてくれはって。
今日のお献立なので。
いやぁ楽しみ〜。
京都で名の知られた家の奥様方がずらりとそろいました。
始めさせて頂きます。
(一同)お願いいたします。
早苗さんこのお燗器の下。
花びら散らしていこうかなと。
いいですね森川君。
(山内)この朱の赤に。
(森川)これお宅のでっせ。
(山内)そうですか。
いいですね。
(森川)女子会の…。
(山内)そう女子会の。
(森川)女子会向きによろしいでっしゃろ。
(山内)いいですわ。
ほんで皆さんお着物やしね。
青竹は今朝削ったばかり。
一度しか使えないのでどんな高価な器よりも格上とされます。
桜の薄紅色をイメージしたマスの焼き物。
器はあの河井寛次郎作。
(山内)いよいよですね。
はい蒸し上がりましたちょうど。
器も桜色。
ハマグリを使った茶わん蒸しです。
これでね寛次郎先生のお宅へ茶わん蒸しのご注文で持っていってたやつです。
先生これで召し上がってたやつです。
(山内)そんな貴重な…。
え〜何やろ?
(一同の話し声)河井寛次郎先生の器で…。
(一同)いや〜!
(山内)すごいやろ〜。
(一同)すごい!すごい!次は朝掘りの竹の子に伊勢エビワラビフキなど春の味覚の炊き合わせ。
食事のあとのお茶席には亭主最後の演出が。
山の中で出会った桜に寄せた尾形乾山の和歌。
春を喜ぶ一休の軸に始まり遅咲きの桜へと季節の移ろいを表しました。
かわいらしいなぁ〜。
もてなしもてなされる。
その心遣いと遊び心。
京都桜尽くしの春です。
(男性)どれだ?富士の麓険しい山に分け入る男たち。
さあ次だ。
さあどれだ。
・とりあえず押してみろ!・は〜い!
(竹が滑り落ちる音)彼らは駿河湾でタイやアジを捕らえる漁師たち。
切り出すのは桜の木。
毎年変わらず4月4日海の男が桜色に染まります。
(太鼓の音)大漁旗が揚がる船はこの日のための特別な飾りつけ。
船の先頭には切り出してきた桜の花。
(太鼓の音)お〜い襦袢と鉢巻き取り来いよ。
男たちが身につけるのは桜色の長襦袢。
帯がない。
・お〜いお化粧する人このおじちゃんがやってくれるからな。
順番に並べよ。
白粉に紅まで。
このいでたちで海の守護神が祀られる大瀬神社に大漁祈願に向かいます。
・海坊主みたいになっちゃったよこの人。
オバQだら。
オバQになっちゃうら。
・乗りがいいなあ。
・年寄りのがね乗りがいい。
よいしょ〜め!
(太鼓の音)こらしょ〜い!神社の守護神は男の神様。
女性の方がご機嫌を損ねないとか。
おらお前ら声が小さいぞ〜!掛け声はこの場にふさわしく「ちゃんちゃらおかしちゃらおかし」。

(祭囃子)ちゃんちゃらおかしちゃらおかし!
(掛け声)それ〜!野太い声の海の男たちにも桜はよく似合います。
それ〜!
(太鼓の音)それ〜!釜石市の桜並木。
ここは3年に一度開かれる桜祭りの舞台でした。
町内7つの地区が競い合う盛大な祭り。
桜が舞う様を表した独特なバチさばきは「桜舞太鼓」と呼ばれます。
トラックに組まれた山車は年ごとの手作り。
震災の翌年が開催の年に当たっていましたが今もって再開のめどは立っていません。
(取材者)他の地域の桜とは違いますか?違う違う。
これが最高なのさ。
これがいいのさ。
祭りの山車が通ってるのが通って歩ってるのが頭に残ってるからね。
ちょうどここを通ってきたんだな祭りな。
山車があそこの坂で待機してて順番で繰り出すじゃないですか。
そうすっとトラックの上からこう見ててお客さんから桜がこうなってて手踊りがあって。
燃えるんだよな。
ハハハハッ。
血が騒ぐんだよね。
並木の周辺は壊滅的な被害に遭い多くの人たちが町を離れたままです。
残ったメンバーは週に2日釜石の中心部にある小学校を借りて練習を続けています。
(取材者)そういう方もいらっしゃるんですか?
(太鼓の演奏)春爛漫。
賑やかな祭りを待ち望む東北釜石の桜です。
長い冬深い雪に包まれる山形。
おはようございます。
桜は待ち遠しい花。
あんた早い。
どうもどうも。
名前も春一番。
毎朝6時一年365日必ず桜のもとに通います。
樹齢700年ともいわれる「権現桜」。
遠く伊豆から運ばれてきた権現様のご神木です。
60歳で大病を患いその回復のお礼に始めた朝の掃除。
25年間一日も欠かした事はありません。
掃除のあとは毎日必ず…。
江戸時代から続く和菓子屋さんには明治の頃の写真が。
たまたまこんなのが出てきたもんだから。
ここが伊豆の権現様。
今から大体100年ぐらい前の写真なんですけれども昔から信仰されてるっていうかここの中で花見したり何かして。
4月の末待ちに待った花が咲きました。
男たちは権現桜のもとへ。
江戸時代から受け継がれてきた幟を太い幹に巻きつけます。
「文政十年」。
(取材者)そういうのがずっと身にしみて皆さんお持ちなんですね。
んだな。
万病を治すだけでなく願いを何でもかなえてくれるという権現様の御利益。
年に一度の桜祭りには町じゅうの人が集います。
(鈴の音)お参りのあとはみんなでお花見。
日頃はお酒を控えている大竹さん。
この日だけは特別です。
待ち受ける気持ちの強さだけ咲き誇る権現桜。
今年も満開です。
5月。
北の大地にも遅い春がやってきます。
冷たい日高おろしに耐え抜く一本桜。
開花から僅か5日で散る命。
この桜を80年間見続けてきた人がいます。
私と一緒ですっかり崩れちゃったね。
きよ子さんが桜と出会ったのは7歳の時。
ずっと眺めてきたのよ私この桜ね。
なんか物語ってるような感じするの。
激動の昭和を見てきたんだものね。
それが一番私の胸に残ってるの。
ここは開拓者が切り開いた土地。
きよ子さんは宮城県から入植した北海道開拓民の一人です。
昭和の初め開拓者の集落が桜を囲み丘にはいつも大勢の人たちの笑い声が響いていました。
黙ってこうやって目をつぶったらねあの時の面影しか映らないの当時の。
しかしここはもともと農業に不向きな痩せた土地。
多くの家族が耐え切れず次々と離れていきました。
桜は満開に。
あら開いたねぇ。
きよ子さんは戦争が終わった年一本桜のすぐそばの家へ嫁ぎます。
夫は戦地から帰ったばかり。
家族同士が決めた結婚でした。
きょうだいみたいにしてた仲だからね全然ときめきがなくってさつまんないと思った。
結婚なんてさときめきがあってさいいと思ってたのよね。
(取材者)ご主人どういう人だったんですか?しっかりしてた。
いい人だったよ。
酪農をしながら3人の子供を育てる日々。
長男が継いだやさき姑と夫が相次いで倒れ介護生活は23年にわたりました。
話し相手が欲しい時一人桜のもとを訪ねました。
15年前に夫が亡くなりそれからは小さな畑を耕しながら桜の季節を待っています。
へぇもう散っちゃうんだあんた。
来年咲いてよまた。
ばあちゃん生きてるかどうか分かんないけど。
たった一人で寒さに耐えてこの大地に根づいてね。
でも私も自分でねこういうふうになってもね手の指のしわとか節くれた指を見るとね自分で自分にね賞状をやりたいと思う。
アハッ。
この桜もそう思ってると思います。
どんな試練もね。
またやってくる春を待ちます。
おはようございま〜す!校庭の真ん中に大きな桜の木が。
運動会も朝礼も鬼ごっこも。
子供たちの前にはいつも桜があります。
ねえ何枚あると思う?分かんない。
千以上はあるな。
うん。
あるな。
ある。
夕方5時。
卒業生たちが桜のもとに集まってきます。
10年前に始めたライトアップ。
この時期だけは晩酌もやめて夜9時までの桜守。
ただまっすぐに立ってるんじゃなくって斜めに手を広げた感じで。
いやかっこいいですわ。
ハハハッ。
まあかっこいいって欲目や。
本多さんたちの背中には「さくらぶ」の文字。
ゴロ合わせで初年度の時に…一番分かりやすいでしょ。
さくらのラブです。
花の命は短くて思いがけない強風で一夜にして散ってしまいました。
始業式の翌日毎年恒例の写生大会。
いつもなら満開の桜を描けるはずが…。
散ったはずの桜が画用紙の上で花を咲かせます。
見回すとあちこちに桜の花が。
誰の心の中にもいつまでも咲き続ける桜があります。
2015/03/27(金) 01:30〜02:25
NHK総合1・神戸
新日本風土記スペシャル「さくら 十の物語」[字][再]

日本人は、春の訪れを告げる「桜」の開花を心躍らせて待ち、特別な思いで出迎える。そこには桜の数だけ物語がある。北海道から九州まで、桜をめでる人々の知られざる物語。

詳細情報
番組内容
南から順に開花の便りが届く桜。日本人は、春の訪れを告げるこの花を心躍らせて待ち、特別な思いで出迎える。そこには桜の数だけ物語がある。集落の名前まで「さくら」に変え、人々がこぞってめでる村、桜は山の守り神。“花迎え”と言われる準備からお客をもてなす“花のうたげ”まで、一流の趣味で彩られた京都の花見。25年間豪雪の中、毎日権現桜の雪かきを欠かさない男。北海道から九州まで、桜をめでる人々の知られざる物語
出演者
【語り】松たか子,伊東敏恵,小野卓司
キーワード1

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

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