(涼子)中央管理センターはつぶす事に決めたの。
あんな役に立たない部署…会社に必要ありません。
(佐竹)いやぁ〜頑張ってきた甲斐がありましたよ〜。
実はブログの事だけじゃなくて常務は前々から僕に注目してたらしいんですよ〜。
あっ京香さん!ありがとうございます!
(京香)何がですか?覆面ブロガーの件が評価されて東京本社の海外旅行課に異動が決まりそうなんですよ。
それは良かったですね。
ずっと希望されていた部署ですもんね。
そうなんですよ〜。
あっただ1つ常務から出された条件がありまして…。
(紅葉)条件って?近々東京本社の社長の娘さんが婚約者の方と京都に旅行に来るらしいんですよ。
そのツアープランと添乗の全てを僕に任せたいって。
それが成功したら海外旅行課の異動が確実になります!だとしたら今回は私たちに頼らないで下さいね。
え?東京本社には私たちはいません。
これからはどんなお客様が来ても1人で対応しなければなりませんからね。
も…もちろんそのつもりですよ。
あの川端さん…お車の運転の方お願いしますね?
(川端)まあそれぐらいはな。
お願いしますね。
頼らないでとか言って今回も助けてあげるんでしょ?いえ…それどころではありませんから。
何が?中央管理センターが…無くなることになりました。
え…。
えっ?この会社に中央管理センターは必要ないという常務の判断です。
(桜庭)そ…そんな事ありえません!あそうか…これは夢か…そう夢に違いない。
現実です。
この件は佐竹さんには話さないで下さい。
目の前のツアーに集中してもらいたいんで。
お待ちしておりました!今回お2人の旅のご案内をさせて頂く佐竹と申します。
あっ荷物をお持ちしますね。
(美園)引きずらないでよ。
パリで買った特注品なんだから。
ああ…かしこまりました。
旅程表ちょうだい。
あっ…実は今回お2人のために徹夜でプランを考えて最高のプランをご用意いたしました。
そういうのうざいから。
あっ失礼しました。
うわっ…。
えっ?
(美園)京都だから…寺見せとけばいいとか思ってんでしょ?あっ…いえ。
全部キャンセル。
とりあえずネイルサロン行きたいから。
ええ〜っ。
(孝俊)なんか…すいませんね。
あいえ…。
婚約者の長友孝俊です。
今回のツアーよろしくお願いします。
ようこそ京都へ!ドライバーの川端哲男です!チェンジ!えっ?違うドライバーに替えて。
な〜にあの趣味の悪いサングラス。
ビジュアル受け付けな〜い。
カチ〜ン!なんだこのブス!ちょちょっ…川端さん。
このやろう!おい…。
抑えてください!社長令嬢ですから!本日はお疲れ様でした。
明日は10時に旅館の方にお迎えに上がりますので。
明日はいい。
…と言いますと?あんたもチェンジ。
え〜っ!?当然でしょ?ネイルサロンもスパもひどかったわよ。
いやそれは急だったんで。
出た…言い訳?何であんたみたいなのが添乗員なの?あっすいません。
明日は別の人がいい。
あっそうだ…いるでしょ?トラベルマスターって呼ばれてる人。
えっ…高瀬の事ですか?
(美園)そうそう高瀬さん。
その人にして。
どうして?何か問題ある?い…いや…。
失礼します。
おうあれからどうだった?どうせあの社長令嬢にお前振り回されたんだろ?それはまあ…。
お前の手に負える相手じゃねぇかんな…うん。
それで早速頼りに来たって訳?あっそうじゃなくて…社長令嬢から指名がありまして。
指名?京香さんに添乗員をしてほしいそうなんです。
私に?優秀な京香ちゃんの噂聞きつけてきた訳だ…うん。
だったらやった方がいいでしょ。
ここで社長令嬢に気に入られれば中央管理センターが救われるかも。
中央管理センターが救われる?紅葉さん…。
(紅葉)あ…。
どういう意味ですか?中央管理センターは今月いっぱいでなくなります。
えっ?常務の判断です。
そうなったら…そうなったら皆さんは…。
処理場にも居場所のない人間を引き取ってくれる部署はないでしょうね。
そんな…だったらなおさら社長令嬢のツアー一緒にやりましょうよ。
あの社長令嬢…なかなかの厄介者だぞ。
京香さんだったら大丈夫ですよ。
これ美園さんと婚約者さんの資料です。
日暮美園さんはご存じの通り社長の一人娘で只今花嫁修業中です。
で…婚約者の長友孝俊さんはサンセットツアーズとも付き合いのある広告代理店の社員さんで。
私にはできません。
え…。
それでいいよ。
あんなじゃじゃ馬むすめもう媚びる必要ねぇんだからよ。
いや待ってくださいよ!京香さんに不可能なツアーはないんです!今日はお先に失礼します。
ちょっと…ねえちょっと京香さん!
(百合)失礼します。
長友様お迎えが参りました。
失礼します。
(美園)何であんたなの?高瀬さんが来るように伝えたわよね。
申し訳ありません。
高瀬の都合がつかずその代わりと言ってはなんですが…。
ツアーガイドの沢村紅葉と申します。
ヤダ…その子性格の悪さが顔に出ちゃってるし。
はぁ?あっ。
紅葉さん抑えて!
(孝俊)まあそんな無理言わなくても…。
(美園)もういい。
今日は私…1人で回るから。
(孝俊)えっ!?…美園。
あっ…。
申し訳ございません。
高瀬ともう一度話してみますので。
いえ高瀬さんは来ないと思いますよ。
え?きっと私に会いたくないのでしょう。
どういう事ですか?高瀬京香さんは…私の元婚約者なんです。
はぁ…エエーッ!エエーッ!美園もその事を知っていてあえて彼女を指名したんでしょう。
今でも彼女との関係を疑ってるみたいで…。
そういう事だったんですか…。
(紅葉)結婚直前まで行ったって人がいたっていうのはうっすら聞いてたけどそれが孝俊さんだったとはね。
京香さん昨日からちょっと変なんです。
2人に何があったのか百合さんご存じですか?はぁ…。
京香はんが第一線を退かれる事にならはったのは孝俊さんがきっかけやったんどす。
(百合の声)ツアープランナーとして営業成績1位やった頃京香はんは孝俊さんと出会いはったそうどす。
結婚も決まった頃ご自分の企画したツアーに2人で行くことになったそうどす。
(客)どうなってんの?もう出発するの?
(添乗員)申し訳ありません。
次の目的地に向かわないといけないので
(客)何だよこのツアー…私話してくるやめとけって!だって私が考えたツアーだから…旅行中なんだから仕事は忘れよう私こんなの納得いかない!
(百合の声)そこで京香はんは自分が考えたプランの実態を目の当たりにしはったんどす。
旅行中孝俊さんと口論が絶えへんかったそうどす。
今まで自分がやってきた事は何やったのか…。
京香はんは深く悩み…お客様1人1人の気持ちになってツアープランを考えるようにならはりました。
(百合)そのせいで忙しい日々が続き孝俊さんとも疎遠になってしまったそうどす。
当時の上司と随分衝突しはったそうで…。
(涼子)高瀬さん。
あなた最近おかしいわよこのままじゃ営業成績1位の座も…危ういわよおかしいのは…今までの私です営業成績よりも私はお客様1人1人の満足の為にツアーを考えたいんですそう…
(百合)それによって京香はんは西日本本社へ異動する事にならはったんどす。
でも京香はんのスタンスは揺るぎのないものどした。
京都中の名所宿お店に足を運んでその際にこちらの夕里にも訪れておくれやしてね。
経営不振やったこの宿に「お客様のニーズに合わせた接客」の重要性をお話してくれはりました。
京香はんの言葉がなければ今の夕里はなかったと思ってます。
そんな事があったんだ。
だから京香さん…今回は協力できないって。
私にできる事やったら何なりと言うておくれやす。
(ドアの開閉音)
(美園)ゴホッゴホッ…な〜にこの部屋…ゴホッ…ほこりっぽ〜い。
あの…何か?
(美園)あっここに高瀬京香さんって人いる?私が高瀬です。
え?ウソでしょ?昔から…そんなんだったの?
(咳払い)あの…ご用件は?ああ…私日暮美園です。
長友孝俊さんの…フィアンセの。
(美園)今日は都合があるって聞いてたけどすいぶん暇そうね。
せっかく私が指名してあげたのにどうして断ったの?あっそれは…。
もしかして…まだ孝俊さんに未練があるとか?まっそのビジュアルじゃ相当男にも困ってるでしょうしね〜。
唯一相手にしてくれた孝俊さんを忘れられないのも無理ないわ。
そんな事はありません。
実はちょっと心配だったの。
西日本本社に孝俊さんの元カノがいるって聞いて…。
でも…会って安心したわ〜。
こ〜んなしょぼくれた部署でしょぼくれたトドみたいなあなたを見たら孝俊さんの気持ちが揺れる事もなさそうだもんね〜。
(美園)まっ念のため言っておくわ。
孝俊さんに変なちょっかい出さないでね。
(ドアの開閉音)宮田…聞いたか?中央管理センターが無くなるって。
(宮田)ああ…。
今まで無くならんかったんが不思議ですけどね。
みんな居場所がなくなるんだよ。
お前の…京都観光課で何とか引っ張ってやれねぇか?何で俺がそんな事…。
ホントは気付いてんだろ?中央管理センターの存在に何度も救われてきたって。
何の話ですか〜。
建設会社の松永社長の時もそうだ。
この前の覆面ブロガーの時だって。
恩着せがましいっすね〜。
宮田…頼む!この通りだ!京香ちゃん達を助けてやってくれ!俺にできる事なんか何もないっすよ。
こっちも自分の身を守んのに必死なんっすよ!宮田。
お前…自分の立場守る事ばっかでそんなんで楽しいのか?お前何のためにこの会社で働いてんだよ!
(ドアの開閉音)川端さんどちらに?いえ別に。
あ〜ダメだ〜。
おいおいおいおい随分早ぇなおいまた社長令嬢の機嫌損ねたか?損ねるどころか相手にすらされませんでしたよ。
ホント性格悪いよねあの子。
京香さんじゃなきゃダメなんだって。
やっぱここは京香ちゃんの出番なんじゃないかな?いや京香さんには無理です。
は?社長令嬢の婚約者の孝俊さんは京香さんの元婚約者なんですよね。
え?だからこの件は僕が何とかして見せます。
はぁ?あんたが?僕だって京都に来てボーッと過ごしてきたわけじゃないんです。
間近で京香さんがお客様を満足させる姿を見てきました!だから僕にだってできるはずなんです!京香さん以前言ってましたよね。
旅行者の数だけ旅の目的があるって。
美園さんにも京都に来た理由があると思うんです。
確かに美園さんはワガママですけど結婚を控えた1人の女性…不安があると思うんです。
だからこの旅で少しでもその不安を取り除いてあげたいと思います。
佐竹!車表に回しといたからよ。
川端さん…えちょっと何すかその格好。
いやいやあの社長令嬢によビジュアル気に入らねぇって言われたからよ。
ありがとうございます!いやお前のためじゃねぇよ。
中央管理センターを救うためだ。
はい。
日暮様長友様お迎えに上がりました。
またあんた?チェンジって言ったよね。
お2人のご旅行に関しては私佐竹が任されております。
必ず満足いく旅行にしますから。
どうせ口だけでしょ?実際全然楽しくなかったんですけど。
お願いします!もし満足いかないようでしたらどのような処遇も受けますから。
ここまで言ってくれてるんだから。
まっ孝俊さんがそう言うなら…。
お車こちらです。
早く案内して。
はいどうぞどうぞはい。
こちらは鈴虫寺夫婦円満のお寺と呼ばれているご夫婦に人気のスポットです。
夫婦円満ねぇ…。
さあどうぞこちらへ。
(紅葉)ここから先はうちに任せておくれやす。
ガイドと言うたらうちどすえ。
紅葉さん…。
大丈夫何言われてもキレたりしないから。
こちらのお寺は鈴虫が飼育され秋だけやのうて一年中鈴虫の音色が聞こえてくるので鈴虫寺と言うんどす。
この幸福地蔵様はどんな願い事でも一つだけ叶えてくれはるお地蔵様で恋愛成就や夫婦円満のご利益があると言われているんどす。
よかったらお2人もどうですか?どうする孝俊さん?ちょっと恥ずかしいよね。
まぁそうだね。
そうよね。
えっ?よろしいんですか?
(美園)もういい旅館に戻る。
え?ちょっと…。
全然楽しくないわ。
ドライバーさん早く車回して。
えっあはい…。
あっちょちょっ…。
美園の送迎お願いします。
え?ちょっと寄りたいところあるんで。
あっわかりました。
久しぶりだな京香。
孝俊さん…。
噂には聞いていたがここが君の職場なのか。
ええ…。
東京本社では営業成績トップだった君がどうしてこんな所に…。
そんな事よりおめでとうございます。
え?もうすぐご結婚されるんですよね。
ああその事か…。
実は後悔してるんだ。
え?君も知ってるだろ。
うちの会社はサンセットツアーズにはだいぶ世話になってる。
だから上司からの勧めで美園と見合いをして…。
結婚を前提に付き合う事になった。
見た目もキレイだし穏やかで気配りのできる優しい子だったから。
付き合い立ての頃はうまくいってた。
お嬢様だから家事や料理が不得意なのも我慢できた。
だけど彼女は変わってしまった。
一緒にいてイライラする事が多くなった。
俺に対しては穏やかに接していても周囲にその苛立ちをぶつけるようになった。
特にこの旅行の間はひどいもんだ…。
正直自信がなくなったよ。
彼女と結婚する自信が。
得意先の令嬢だから上司からは何と言われるかわからない。
でも…今でも思い出すんだ。
君と付き合っていた頃の自分を…。
こんな所にいるぐらいなら東京に戻ってこないか?そこでまた…。
孝俊さんやめましょう。
今はこんな事言える立場じゃないもんな。
また来るよ。
(ドアの開く音)戻ったぜ。
ああお帰りなさい。
私3階の蛍光灯換えてきます。
京香ちゃん気になんないのかよ。
ツアーがどうなったのか。
私には関係のない話なので。
え?佐竹頑張ってたよ。
社長令嬢は気に入らないって帰ってったけど今も旅館に張り付いてツアーに連れ出そうとしてる。
でもやっぱり京香さんの力が必要だよ。
前の婚約者に会いたくない気持ちはわかる。
でもプランぐらい考えてあげてもいいんじゃない?このまま中央管理センターがなくなってもいいのかよ。
私はこの部署に来た時から覚悟してましたから。
ふざけんじゃね〜よ!そんなん俺が好きになった京香ちゃんじゃねぇよ!相手が元彼だからって何だっつんだよ!俺の前の嫁が京都旅行に来た時言ってくれたじゃないかよ。
もしそうしたいならあとは川端さんが正直に行動するだけですね。
川端さん今でも美穂さんのこと好きなんじゃないですか?京香ちゃんこそ正直になれよ。
本当は旅行が大好きで旅を通して笑顔になっていく客の顔を見るのが何よりも好きなんだろ?会社の上司に煙たがられてさ雑用ばっかのこんな部署に飛ばされてそれでも今まで我慢してきたのは旅行に関わり続けたかったからじゃないのか?珍しくいい事言ったね。
珍しくって何だよ。
でも私もそう思う。
私がこの部署に飛ばされて初めて京香さんに会った時ホント引いたもん。
1日中暗い顔してパズルで暇つぶしてこの人何が楽しくて生きてるんだろって。
でも佐竹のツアーを手伝う事になって…。
私達もの凄く暇じゃないですか?
(紅葉)お客様のためにツアープランを考えてお客様のために体を張って…。
私は反対したんですけど川端さんが…
(紅葉)お客様の悩みに真剣に向き合って。
もしお時間が許すなら旅を続けませんか?お父さんを京都へ連れて来たのってもう一度写真を撮って欲しいと思ったからなんじゃないんですか?拓海君がお父さんの技術を学んでいつか工場を出すことだってできる
(紅葉)そんな京香さんはまるで別人だった。
どんなにキレイなメイクより旅行が京香さんを輝かせてるんだなって。
そんな場所がなくなってもいいのかよ?私もそう思います。
(電話のベル)はい中央管理センターえっ社長令嬢が行方不明?旅館から出てったきり連絡が取れなくなって。
行きましょう。
おう。
長友様がお部屋に戻られた後中から口論のようなものが聞こえて…。
日暮様が出て行ってしまはったんどす。
それはいつ頃の事ですか?今から2時間ほど前の話どす。
佐竹は河原町周辺を捜索紅葉は東山だ。
俺は嵐山に行ってみる。
わかりました。
私はどちらを捜せばよろしおすか?百合さん?琴子さん少しの間旅館頼んますな。
(琴子)わかりました。
じゃあ女将は旅館周辺をお願いします。
かしこまりました。
こんな所にいるぐらいなら東京に戻ってこないか?孝俊さんに変なちょっかい出さないでねはまった…。
佐竹どうだった。
鴨川の方まで行ってみたんですけど川端さんは?こっちも手がかりなしだ。
こっちもダメ…。
旅館の周りもくまなく捜してみたんどすけど…。
どこへ消えちまったんだよ。
私に心当たりがあります。
京香ちゃん!京香さん…美園さんはどこに?その前に孝俊さんは?お部屋やと思いますけど…。
はぁ…。
失礼します。
京香どうして…。
今はサンセットツアーズの高瀬として伺いました。
旅を続けてほしいんです美園さんと一緒に。
彼女には今の気持ちをもう全部伝えた。
もう無理だよ。
美園は変わってしまったんだ。
変わってしまったのではありません。
美園さんは変わろうとしてるんです。
美園さんはずっと不安だったと思います。
あなたにふさわしいパートナーになれるかどうか…。
そのためにたくさん努力されたと思います。
彼女はそんなタイプじゃない。
美園さんが持ってるお守り気付きました?あれは縁結びの神として知られている貴船神社のお守りなんです。
いくら努力しても孝俊さんの気持ちが離れていく…。
それを感じた美園さんは藁にもすがる思いで思いをお守りに託したんです。
信じられない。
孝俊さん…あなたはまた同じ事を繰り返すつもりですか?私と旅行に行った後会えない日が続いてあなたは私と付き合う前の恋人と会ってましたよね。
そそれは…。
今更それを責めるつもりはありません。
ただあなたはその時から何も変わってない。
目の前のつらい事から逃げて過去にすがって…。
いい加減気付いてください!目の前にある大切なものから目をそらさないでください!私は今から美園さんを捜しに行ってきます。
え…!私の大切な仲間を大切な居場所を失いたくないんです。
さあ美園さんを捜しに行きましょう。
でもどこ捜しても…!さすがに手がかりが少なすぎてよ。
皆さん忘れてしまったんですか。
え?私達に…不可能はないはずです。
京香ちゃん!よっし!ご無沙汰致しております。
真田常務。
あなた…!少しお時間よろしいでしょうか?美園さん!何の用?あなたを捜しに来ました。
勝ち誇りに来たって訳?良かったわね。
孝俊さんは私と付き合っていく自信がないんだって。
あなたと一緒にいた頃の方が自分らしくいられたんだって!こちらです。
(美園)あなたのどこがいいのよ!薄暗い部屋で暗い顔してぶくぶく太り続けてるあんたのどこが!?あんたなんかよりもずっと私の方が孝俊さんにふさわしいの!私もそう思います。
え…。
私は逃げ出してしまった人間ですから。
孝俊さんの事だけではなく今回のツアーの事でもそうなんです。
傷つきたくなくて目の前の事から目をそらそうとしました。
でもそれは間違ってました。
その事に気付かせてくれたのはここにいる大切な仲間と…。
そしてあなたです。
自分の不得意な事今までできなかった事に立ち向かう。
それって本当に勇気がいる事だと思います。
でもそういう人の思いって必ず叶うって私は信じてます。
だから美園さんだって。
(孝俊)美園!孝俊さん…。
悪いのは…俺の方だ。
ごめん。
違う…私がダメなの。
今のままじゃ孝俊さんの奥さんなんてなれない。
その気持ちだけで十分だよ。
君はそのままでいい。
俺が変わる。
君にふさわしい夫になるために。
孝俊さん…。
一緒にお願いしてくれないかな。
幸せな家庭を築くために。
うん。
行こう。
何だよその顔。
え?もしかして京香さんも彼に未練があったの?いやそんな事はありません。
だよね!京香ちゃんには俺がいるもんね。
それもありません。
皆さんご苦労様です。
真田常務…!雲行きは怪しかったけどまあ何とかうまくいったようですね。
佐竹さんこれであなたの海外旅行課行きは確定ね。
あの…常務。
はい?僕にはそんな資格ありません。
僕は京都に来て何ひとつ満足な仕事をしてません。
僕1人ではお客様を誰1人満足させる事は出来なかった。
僕の功績は全てここにいる中央管理センターの皆さんの力によるものです。
だから…中央管理センターをなくさないでください!佐竹さん…!うぬぼれないで。
え?少し評価された位で一介の社員が人事に口を挟めるとでも思ったの?すいません。
業務に戻りなさい!美園さんのツアーまだ終わってませんよ。
かしこまりました。
紅葉行くぞ。
はい。
真田常務…。
はい。
少し歩きませんか?え?せっかく京都にいらしたので。
中央管理センターを残してほしいって話なら無駄よ。
もう決めた事だから。
そうではありません。
私は常務に感謝したいんです。
ん?何の話?私を京都に異動させてくれた事です。
ここ京都は日本…いえ世界有数の観光都市。
街の至る所に名所があり訪れる観光客の数は年間5000万人。
すごいと思いませんか?そんなたくさんの観光客の1人1人に旅の目的があるんです。
ある人は癒しを求めてある人は救いを求めてある人は自分を変えたいという思いを抱えて…。
私達が出来るのはそのきっかけを与える事だけかもしれません。
でもそれをきっかけに思いを叶えたお客様を見て私は旅行会社で働く意義を見つけたんです。
今は自信を持って言えます。
私は旅行が大好きです。
だからどんな部署に飛ばされてもリストラされても構いません。
どんなに環境が変わってもお客様を満足させる事に変わりはありませんから。
(田所)お先に失礼します。
(宮田)お疲れさん。
(紗枝)課長?珍しいですね。
こんな時間まで。
なあ木村ちゃん。
(紗枝)はい。
木村ちゃんこの仕事楽しい?え?あ…。
まあお客様に振り回されて嫌な思いする事は多いですね。
でもその希望を叶えてあげてお客様が笑顔になった時この仕事してて良かった〜って心から思えるんです。
うん…私はこの仕事楽しいですよ。
課長はどうなんですか?俺か〜俺…。
自分の立場守る事ばっかでそんなんで楽しいのかよ?お前何のためにこの会社で働いてんだよ!辞令が発表されました!で中央管理センターは?中央管理センターは…今まで通りで〜す!マジで!?やった〜!でも1つだけ問題が…。
中央管理センターの件どうもありがとうございました。
別に…感謝される覚えはありませんよ。
桜庭常務。
その呼び方はやめてください。
今はただのセンター長ですから。
しかしあなたもずいぶん変わられましたね。
以前のあなたなら私がどんなに頭を下げようが自分の意見を曲げる事はしなかった。
やり方を変えた訳ではありません。
中央管理センターの実績を冷静に調査分析した結果です。
(宮田)こちらをこれは?京都観光課が担当するツアーの中でも中央管理センターによって成立したものをまとめましたあなたも中央管理センターが必要だと?いえそれは常務のご判断にお任せしますそちらを精査した結果もう少し様子を見てもいいと判断しました。
(涼子)ただ驚きましたよ。
桜庭さんが出世を捨ててまで作りたかった部署があの中央管理センターだったなんて。
いずれ彼らがこの会社を救う時が来ると思いますよ。
私がこの目で選んだメンバーですから。
あともう1つ頼まれていた人事の件進めておきました。
ありがとうございます。
よし!これで最後のピースがはまった。
(涼子)桜庭さん?桜庭さん?あれ…佐竹さん?今朝の辞令で中央管理センターに異動になった佐竹一郎くんで〜す。
ええっ!?どうして僕が処理場なんかに!佐竹よろしくな。
いやだ!歓迎会の会場私が探しますね。
いやだぁぁ!こんな事なら中央管理センターなんてなくなればよかったんだ〜!何て事言ってんだ。
この野郎。
小さい男。
全然変わってませんね。
いやだぁぁ!うえ〜。
うえ〜じゃねぇよこの野郎。
2015/03/26(木) 23:59〜00:54
読売テレビ1
【最終回】木曜ドラマ『五つ星ツーリスト〜最高の旅、ご案内します!!〜』[終][字][デ]
【トラベルマスター最大の危機!】美人常務によるリストラ祭で中央管理センターついに解散?さらに因縁のクレーマー社長令嬢登場&京香の知られざる過去…元カレも現る!
詳細情報
出演者
渡辺直美
山本裕典
高月彩良
綾田俊樹
星田英利
ちすん
天翔りいら
ロバータ
***
有森也実
寺島進
【ゲスト】
篠田麻里子
佐藤祐基
東ちづるほか
番組内容
【最終話】
常務の真田涼子(東ちづる)のひと声で、高瀬京香(渡辺直美)のいる中央管理センターが潰されることになった!その京香に、「サンセットツアーズ」の社長令嬢、日暮美園(篠田麻里子)からツアー添乗の指名が入る。その美園の婚約者、長友孝俊(佐藤祐基)は京香の元カレで——
原作・脚本
【脚本】
森ハヤシ
監督・演出
【演出】
長江俊和
音楽
井筒昭雄
【主題歌】
「Stop the time」MYNAME
番組ホームページ
【番組公式サイト】
http://www.ytv.co.jp/fivestar/
【番組公式facebook】
https://www.facebook.com/fivestars.tourist
【番組公式instagram】
http://instagram.com/ytv.drama
【番組公式Twitter】
https://twitter.com/ytvdrama
#五つ星ツーリスト
おしらせ
「恋愛時代」4月2日スタート!離婚してからも食事に行く、ちょっとおかしな元夫婦。関係を終わらせるため、互いの再婚相手を紹介しあうことになるが…比嘉愛未・満島真之介が元夫婦を演じる大人のラブストーリー。
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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