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事故一転、犯罪の様相…副操縦士、故意の墜落か 機長閉め出し単独操縦
ドイツ西部モンタバウアで、墜落したジャーマンウイングス機のルビッツ副操縦士宅とみられる住宅の前に立つ警官(AP)
Photo By AP |
フランス南部アルプス山中にドイツの格安航空会社ジャーマンウイングス機が墜落した事故で、副操縦士が故意に機体を破壊させようとした可能性が26日、浮上した。フランス検察が発表した。ボイスレコーダー(音声記録装置)の分析から明らかになったもので、乗客乗員150人全員の生存が絶望視される「大事故」は一転、個人による「犯罪」の様相が強まった。テロと見なす根拠はないとしている。
「意図的に機体を破壊しようとしていたようだ」。ボイスレコーダーの分析結果を発表する検察官の会見を、各国の記者団は固唾(かたず)をのんで聞き入った。
検察は、同機のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(28)が単独で降下装置を操作し、故意に墜落させた可能性が高いと発表。ルビッツ副操縦士は、機長がトイレに行くため離席した後、操縦室のドアを開けるのを拒んで閉め出し、単独で操縦。機体は急降下し始め、約8分で墜落した。降下装置を操作、墜落させたとみられる。
副操縦士は飛行開始当初、6000時間以上の飛行経験を持つ機長に対し、ドイツ語で丁寧に応対していたが、離陸後、素っ気ない返事をするようになっていった。管制塔からの呼び掛けにも応じず終始無言だったという。
副操縦士の精神状態など、墜落につながる詳しい経緯は明らかになっていない。
会見では報道陣から「副操縦士が自殺を試みたということか」との質問が飛び、検察当局者は言葉を選びながら「自殺は1人でするものだ。自殺とは言えない」とだけ答えた。
テロ組織とのつながりは確認されておらず、「テロと見なす根拠はない」という。フランスの航空事故調査局は捜査を進め、事件の概要解明を急ぐ。フランス南部の墜落現場近くでは26日も捜索活動が続いた。
同機から管制への救難信号はなかった。旅客機の操縦室のドアには、いったん閉めると自動的にロックされるものがあるが、ジャーマンウイングスは墜落機のドアの開閉システムについて、明らかにしないとしている。
機内に急激な減圧が起こり、操縦室にいたパイロットが意識を失った可能性も指摘されるが、航空事故調査局は25日、否定的な見方を示した。
墜落機は24日午前10時1分(日本時間同日午後6時1分)、スペインのバルセロナからデュッセルドルフに向け離陸。10時45分に約1万1500メートルの正規の高度に達したが間もなく急降下を始め、8分間に約1万メートル降下しレーダーから消えた。
≪飛行技術表彰も≫ルビッツ副操縦士は、ドイツ西部モンタバウア在住。青年時代に加入した飛行クラブ関係者は「(副操縦士は)パイロットになる夢を実現した」と語った。副操縦士は訓練を受けた後、2013年9月にジャーマンウイングス社に入社。パイロットとしては630時間の飛行経験しかなかった。だが、英メディアによると、同年、卓越した飛行技術により、ドイツ航空当局から表彰されていたという。
[ 2015年3月27日 05:30 ]
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