プリキュアの、センターピンクは何処に行く? --2ch本スレのテキストマイニング②-- [共起ネットワーク]
引き続き、プリキュア2ch本スレのテキストマイニングです。
(前回、プリキュアにおける「相田マナの中心性」と「星空みゆきの独立性」はこちらです。)
今回は、「ハートキャッチプリキュア」と「スイートプリキュア」の2つを行う予定でしたが、
ちょっと面白いことが判った(かもしれない)ので、
ハートキャッチプリキュアとスイートプリキュアに、前回の「スマイルプリキュア」と「ドキドキプリキュア」、
そして「ハピネスチャージプリキュア」も加え、計5作品での分析を行いました。
で、今回の 結論ですが、
「ピンクプリキュアは、ここ最近、役割が変わってきた」です。
前回と同様に、当時の2chの本スレ「1月」の全レスを取得し、
テンプレ等を除外したものをデータとしてフリーのテキストマイニングソフト「KH Coder」にかけて
テキストマイニングを行いました。
(1月はプリキュア最終月、そこに残っていた「濃い」レスを抽出しました)
*******************
共起ネットワーク図を作ってみた
*******************
共起ネットワーク図中の
円が大きいほど、多くスレ内で語られていた単語、
赤色が強いほど、話の中心性が高く、
線が太いほど共起が強い(=関連付けられて語られている)、ということです。)
この共起ネットワーク図において、どこに単語があるか、は重要ではなく
あくまで「どの語」と「どの語」が繋がって(共起されて)出ているか、を見ることが重要です。
まずは、1個づつ見ていきます。
ハートキャッチプリキュア2011年1月の2ch本スレの共起ネットワーク図
赤い円、話の中心だったのは「ダーク」「サバーク」「デューン」。
やっぱりこの辺りの話でスレが盛り上がっていた様です。
*********************************************
スイートプリキュア2012年1月の2ch本スレの共起ネットワーク図
「思う」が赤くて大きな円です。いかにスイート終盤はストーリー的な話で盛り上がっていたか、が解ります。
全然関係ないですけど「響」は「奏」だけじゃなくてきちんと「アコ」「エレン」とも共起されていました。
きちんと「アコ」ー「奏太」の共起がおきていたのも微笑ましいですね。
あと、ちょっとスレが荒れていたような形跡も見られます。
*********************************************
スマイルプリキュア2013年1月の2ch本スレの共起ネットワーク図
スマイルは前回詳しく見ましたが、右の5人の五角五芒星が美しすぎますね。
*********************************************
ドキドキプリキュア2014年1月の2ch本スレの共起ネットワーク図
ドキドキも前回の通り、「マナ」を中心としてストーリーもキャラの話も展開されていました。
様々なキャラに様々なキャラが共起され、複雑な関係がスレ内で展開されていた様です。
1月の分析でないと「キンジコ」-「ランス」の共起なんて絶対起きないでしょうから面白いですね。
*********************************************
ハピネスチャージプリキュア2015年1月の2ch本スレの共起ネットワーク図
ハピネスチャージは「ブルー」、こいつですね。スレ内でも多く語られていました。
おもに批判的な意見だった気もしますが。
「めぐみ」「ブルー」よりも「めぐみ」「誠司」の方が共起線が強いのが良かったですかね。
また、右側の言葉群がいかにスレが荒れていたか、を物語っています。
**********************
共起ネットワーク図から見えてきたこと
**********************
ここまで見ると、作品毎の傾向がわかるような気がします。
前回も書いた通り、スレにおいて、主にストーリー的な話が展開されている時は
「思う」「見る」「言う」などの言葉が使われていました。
これらの言葉と共起が起きている言葉を見てみると面白いことがわかります。
例えば「思う」という典型的な感想で使われていた言葉に注目すると、
ハートキャッチでは、「思う」 と共起が起きているのは「見る」
スイートでは、 「思う 」と 「プリキュア」「スイート」「言う」「見る」
スマイルでは、「思う」 と 「プリキュア」「言う」「見る」「話」
ドキドキでは、「思う」 と 「マナ」「プリキュア」「見る」
ハピネスチャージでは「思う」と「めぐみ」「ブルー」「プリキュア」「見る」「話」
でした。
同じピンクプリキュアでも「つぼみ」「響」「みゆき」と「思う」は共起されていないのに対し、
「マナ」「めぐみ」は「思う」と共起が起きていました。
ここから見えてくることは、ピンクプリキュアに注目した場合において、
「ハートキャッチプリキュア」において、「花咲 つぼみ」はストーリーの中心ではなく、
「スイートプリキュア」において、「北条 響」も、ストーリーの中心ではなく、
「スマイルプリキュア」においても、「星空 みゆき」もストーリーの中心ではない、
のに対し、
「ドキドキプリキュア」において、「相田 マナ」はストーリーの中心であり、
「ハピネスチャージプリキュア」においても、「愛乃 めぐみ」もストーリーの中心であった、
ということです。
最近2作のプリキュアにおいては、ピンクプリキュアがストーリーの中心にいたようです。
****************
センターピンクの差はどこからくるのか
****************
あんまり、こういう考え方好きではないのですが、「便宜上」、この2群の差を
「プリキュアの東映アニメのプロデューサーの差」ということにしましょう。
前半3作(ハートキャッチ、スイート、スマイル)は、梅澤 敦稔さんが東映アニメのプロデューサー、
後半2作(ドキドキ、ハピネス)は、柴田 宏明さんがプロデューサーを担当されています。
(その前のフレッシュプリキュアも梅澤さんですし、
スマイルは長谷川昌也さんも担当されていますが、今回は省きます。)
(断わっておくと、個人的にはこの「プロデューサーによる差」みたいな考えはあんまり好きではありません。
客観性が薄く、バイアスかかっちゃうと、都合の良いデータだけ拾ってきてどうとでも言えちゃいますもんね。
でも、今回はテキストマイニングで結果出ちゃったから仕方ありません。ということにしておきましょう。)
プリキュア5作品の2ch本スレのテキストマイニングから見えてくるのは、
(1月のスレ限定ですが)
「梅澤プロデューサーのプリキュア」においては、
ストーリー的な話と共起されるのはあくまで「プリキュア」であり、
決して「つぼみ」「響」「みゆき」に共起されることはなかったのに対し、
「柴田プロデューサーのプリキュア」においては、
ストーリー的な話と「マナ」「めぐみ」が共起されていました。
つまり、梅澤プロデューサーにおけるプリキュア(ハートキャッチ、スイート、スマイル)では、
あくまでストーリーを進行させていたのは「プリキュアチーム」でありピンクプリキュアでは無かったのに対し
柴田プロデューサーのプリキュア(ドキドキ、ハピネスチャージ)では、
ストーリーの中心にピンクプリキュアがいて、ピンクプリキュアがストーリーを進行させていた、
ということが見えてきます。
(少なくとも、2ch本スレ内の終盤ではそのような認識になっていた様です。)
そう考えると、確かに各プリキュアシリーズで色々と思い当たるフシがありますね。
(今回出てきていない例えば、「プリキュア5」は「のぞみ中心」な気がしますし、
「フレッシュ」は「4人の物語」のような気がします。これは今後できれば分析していきたいですね。)
まあ、このピンクプリキュアの扱いが本当に東映アニメのプロデューサーによる差なのか、それとも時代がそうさせているのかは解りませんが
ここ最近のプリキュアがピンクプリキュアを中心としたストーリー構造になっているのは
(少なくとも、大人がそう感じているのは)間違いないのかな、と思います。
そう考えると、
現在放送中の柴田プロデューサーの「Go!プリンセスプリキュア」の
センターピンクプリキュア、「春野 はるか」も
確かに「ストーリーの中心」にいるような感じがしますね。
コメント 0