紹介で、滋賀県の米原からご来院のTさん。
30代女性。
10代後半のころからの腰痛で、時期によって強くなったり弱くなったりするが
ずっと腰の痛みには悩まされてる状態。
とくに、長時間座ってると、肩甲骨の下あたりにズキズキッという激痛が走る。
調子がいいときも、この状況は同じなので、
座り仕事はできず、なるべく立って動くような仕事にずっとついておられます。
今日は、状態はあまりよくなく肩甲骨の下からお尻まで全体的に
鉄板が入ったような感じ。
問診のあと、施術に入っていきます。
全体を覆っているストレス系の緊張。
下腹部の冷えを解除。
目から腰への連動を解除して一度確認。
「おしりから腰は軽くなりました。痛いのが上に上がったみたいです。背中と腰の真ん中あたりに芯みたいなのがあります」
「痛いところがはっきりしてきました」
腹部から緊張層がどんどんでてくるのでこれを解除。
全体のバランスを調整。
腰椎3の不調和を解除。
再度確認してみます。
「痛たたた・・・腰全体は軽くなったんですけど、骨のところの芯が一点だけかなり痛い」
全体のバランスをとって、この一点の痛みが3割程度残った状態で初回は終了。
2回目、10日後。
「やってもらってから、一週間ぐらいは、ほんとに自分の体かな?って思うぐらい軽かったです」
「でも、一昨日ぐらいにちょっと座ることがあってそこからまたちょっと痛みがでてきました・・」
まずまず順調な感じですね。
前回同様に施術していきます。
腹部のストレス系の背面への連動。
右股関節の可動。
臀部の緊張解除して確認。
「この前と同じ痛みがでてきました・・。」
「これって、たぶん中学ぐらいのときに、組体操で上から落ちた時に打った時の痛みに似てるんですよ!」
下腹部から患部への連動。
首、肩から患部への連動を解除して確認。
「今やってもらってるときに、ふっと楽になりました。ちょっと痛みの残像というかそんなのが残ってるだけです」
2回目はここまで。
3回目、一週間後。
「調子いいです。3,40分座ることがあったんですけど、なんとなーくじわっとしたぐらいで気にならなかったです」
「あと、今の時期花粉がきついんですけど、ここに初めて来てから鼻の調子がすっごくいいんです」
回復力がでてきたんですね。
もう一息。
もうほとんど反応はないので、
お仕事柄よく使う部分の疲労、花粉症。
座った状態での施術をして終了しました。
もともとの腰痛の主要因は、
子供のころに、組体操をして転落したときの打撲痕だと思います。
打撲痕の緊張に、
他の様々な緊張が連動し、多層になったので自然治癒しなかったんだと思われます。
長時間すわることにはまだ不安があるとのことだったので、
ひと月後にメンテナンスのご予約をいただきました。
名古屋から泊りがけでご来院のバレエをされてる中学生Mさん。
去年の春から、バレエの最中に膝が痛くなり、
コンクールや発表会の中、頑張って練習されてたのですが
夏ごろから、痛みのためにバレエができなくなり現在は休んでいる状態。
休めばよくなると思っていたけど、むしろ悪化して、現在は歩行するだけで響く。
病院や整骨院での治療で効果がなく、
名古屋のオスグットの治療院で5回ほど治療するが、
痛みは変わらず、難治性だといわれた。
・両ひざは同じ程度の痛み
・屈伸は90度以上はまがらない
・なにもしなくても寝てるとズキズキする
問診のあと、
施術の前に、身体の状態を診ていきます。
緊張層のボリューム自体はそれほど多くないようです。
確かにちょっと一般的ではないパターンですね。
緊張量は多くないので、
施術箇所や関連部位などを慎重にさぐっていきます。
右ひざと、骨盤、腰部との緊張連動を解除。
左ひざと腰部との連動を解除。
下腹部の内臓緊張が強く、
これが広範囲の各部位へ影響しているのでこれを解除。
一旦確認します。
怖いのか、かなりゆっくり動かれますね。
「えーっと、曲げるのは・・曲がります。大丈夫。でも伸ばす時に膝の裏が痛い」
左右とも同様に痛みが減っていってます。
頸部の古い緊張層、鎖骨のゆがみを解除して確認。
「軽くなってます。伸ばした痛みも・・・ない・・です。」
残っている冷えからくる下腹部の緊張反応を解除して再度確認。
「なんか、動きがスムーズで怖い感じもあんまりないです!」
初回は一旦終了。
翌日、2回目。
「歩いた痛みはなくなってました。階段も違和感はあるけどそんなに気にならないです」
「朝起きてから10分ぐらいは、膝がぎくしゃくしました」
冷えの影響が残っている現象なので、朝は今の段階では心配しなくてもいいと思います。
まだ、怖いのか、バレエの動きでの確認はされてないようです。
昨日同様、内臓系の緊張、
バレエの動きなど、残っている不安要素を想定して要因を解除。
「すごく軽いです。屈伸も痛くないです」
「膝の痛いところ押してもいたくないです!」
2回目はセルフケアコースなので、
お母さんも一緒に今後のケアの方法をお伝えして終了。
トウシューズなどを履いて、バレエの練習をしてみないとわからない部分もありますが、
これで問題ないレベルにはなっていると思います。
オスグットの専門院でも大半は大腿四頭筋へのアプローチがメインになるので、
四頭筋が痛みの要因として大きくなければ、”難治性”といわれることが多いです。
女の子のオスグットの場合はオーソドックスでないパターンがたまにありますが、
キチンとバランスが崩れる要因をとっていけば、早期に解決する場合がほとんどです。
もし、
今後また痛むようでしたらご来院いただくことにして
終了しました。
「なんで、足にさわってるだけなのに、肩凝りがなくなったり姿勢がよくなったりするんですか?」
クライアントさんにはよくそう聞かれます。
説明が難しいのですが、
一般の治療法の場合、
たとえば、骨盤が歪んでいれば、ゆがみと逆方向に圧力を加えて矯正することが多いと思います。
これが、たとえ弱い圧力であっても、
他の部位にはどんな影響がおこるのか術者には予測がつかないのが実際です。
歪みが起こる場合、
歪みを起こす原因がかならず存在します。
どこかから引っ張られない限り、ゆがみは生じないからです。
当院の施術は、そこに着目しているので、
ゆがんでいる部分ではなく、その原因にアプローチします。
そうすると、直接歪みに圧力を加えなくても、
原因されとれれば、
身体には元に戻そうとする力があるので、勝手に戻る。
こんなふうに調整しています。
一般的な整体は、変化を起こすために何かを行うという足し算の考え方。
当院は、原因をとれば前の状態に戻るという引き算の考え方でおこなっています。
引き算のほうが、安全で、
患部だけではなくカラダ全体が同時によくなっていくという利点があります。